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YouTube広告

【運用初心者向け】YouTube広告のターゲティング方法と運用ポイントを解説

Web広告といえばGoogleやYahoo!などの検索エンジンに出稿する広告を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし今、注目すべきは「YouTube広告」です。近年YouTubeの人気の上昇とともに数多くのYouTuberが台頭し、芸能人と同じくらい有名になりました。

さらにコロナ禍による自粛生活が続くと共にYouTubeの利用者数は急上昇しています。現在最もメジャーなメディアとも言える「YouTube広告」の種類や費用などの基本情報から、広告運用を成功させるポイントまで詳しくご紹介します。

【費用の決め方についてはこちら】
YouTube広告の費用の決め方と注意ポイント

1.YouTubeの媒体特徴

YouTubeは全世界で毎月20億人以上に利用されている世界最大級の動画配信サービスです。1日あたりの動画視聴時間は10億時間を超え、視聴回数は数十億回にのぼります。

さらに追い風として、新型コロナウイルス感染症による外出自粛に伴って自宅で過ごす時間が増え、動画配信サービスや動画共有サービスを利用する人が急激に増えました。その流れを受け2020年は、日本におけるYouTubeの視聴人数が飛躍的に増加。9月のYouTube月間利用者数は 6,500万人を超えました。

Google社が約2000人を対象にした調査によると、新型コロナウイルスの流行以降、YouTubeの利用が増えたと回答した人は全体の74%という結果でした。ユーザーは子どもからお年寄りまで幅広い年代に浸透しています。

2.YouTube広告で期待できる効果

YouTubeのユーザーは自分が興味のあるコンテンツを積極的に検索し、視聴している人が多数を占めます。何かをしながら動画を流して見る「ながら見」ではなく、興味があって探している動画であるため集中して見ているのが特徴です。

ユーザーはお目当ての動画の前に流れる動画広告も視聴する傾向にあり、Google社の調査によると95%が広告を視聴しています。さらに、YouTube動画の95%が音付きで視聴されており、ユーザーはナレーションや音楽もしっかりと聞き取り情報をキャッチしようとしていることがわかります。テキストだけでなく、動画と音声で多くの情報を届けることができ、しかもユーザーもそれを無理なく受け取れる態勢ができているというのがYouTube広告の強みといえるでしょう。

YouTubeのユーザーの多さとYouTube広告の強みによって、多くのユーザーに自社の商品やサービスを認知してもらうことができます。一般的にアクションの獲得には向いていないと言われていますが、最近では新しくアクション獲得向けのキャンペーン「TrueViewアクションキャンペーン」が提供されています。

特筆すべきは、通常キャンペーンとの違いはリンク先への誘導率の高さです。TrueViewアクションキャンペーンで作成した広告の場合、様々な広告文やアクションを促すボタンが表示されることで通常のキャンペーンと比べてクリック率が高くなり、コンバージョンの獲得も一定数見込めます。さらに、YouTubeの動画広告では、配信地域や時間を指定することができます。顧客ターゲットの属性に合わせて地域や時間を指定するとよりピンポイントに広告を届けることができ、効果的です。

3.YouTube広告の種類

YouTube広告には大きく分けて4種類あります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

(1)インストリーム広告

YouTubeなど動画コンテンツを表示したときに自動的に再生される広告です。ユーザーが動画を30秒間は再生したかどうかが課金の指標になります。
インストリーム広告は以下の2種類があります。

・5秒でスキップ可能な広告
・15秒以下のスキップ不可広告

5秒のみ再生後スキップされた場合、費用を課金されることはありません。最初の5秒で視聴者の心を掴めば動画の再生時間が伸び、費用をかけずにコンバージョンにつながることもあります。15秒までスキップ不可の広告の場合、広告を見てもらう時間は増えますが、興味のないユーザーからネガティブな印象を持たれてしまう傾向にあります。そのため、5秒でスキップできるインストリーム広告の方が効果は出やすいでしょう。

(2)バンパー広告

動画の前後、もしくは途中で再生される動画広告です。6秒以下と短く、ユーザーはスキップできません。動画にインパクトがあればユーザーは確実に見るため、特に認知度アップに効果的です。

反対に再生時間が短いのはデメリットにもなり得ます。広告動画が短いほど視聴単価も低くなるためです。盛り込みたい内容が短くできるのであれば、短尺にしてバンパー広告を選ぶと良いでしょう。

(3)ディスカバリー広告

ディスカバリー広告は、YouTubeの検索結果のトップページに表示されるものです。サムネイルや文章で表示され、ユーザーがクリックすることにより動画が再生されます。視聴者が検索している動画と関連性が高いときに表示されるため、狙っているターゲットがクリックする確率が高いのがポイントです。

自社でYouTubeチャンネルを持っていて、動画の再生数やチャンネル登録数を増やすための出稿であればディスカバリー広告がおすすめです。

しかし、そもそもユーザーが関連動画を検索しないと表示されないというデメリットもあります。

(4)マストヘッド広告

マストヘッド広告はYouTubeの最上部に表示できる広告です。音声はミュートされていますが、最大30秒と長い時間再生することが可能です。動画が再生し終わるとサムネイルが表示され、そのサムネイルをクリックするとまた動画広告が再生されます。

多くのユーザーの目に留まりやすく、認知度も大幅に上がることが期待される反面、掲載費用が高いというデメリットもあります。

4.YouTube広告の出稿費用

YouTube広告は入札形式が一般的です。希望の広告枠に対して、希望上限額を設定しておきましょう。注目の広告枠には他社からの入札が殺到することもあり、その場合は入札した広告金額が高い会社が広告枠を勝ち取ります。一方、競合他社が少なければ安価な広告費で配信できます。

加えて、YouTube広告の費用は広告の「視聴」に対して課金されます。つまり、広告の再生時間や再生回数によって決まるのです。規定の再生時間や再生回数に達していなければ課金されません。

YouTube広告が10,000回再生されると成功というのが基準の一つとなっており、料金相場が1回再生あたり3円~20円なので、10,000回の再生に必要な費用は3~20万円です。ただし、広告の種類や広告する商品などによっても変わってくるので、あくまで金額は目安です。

ここで先ほどご紹介した4種類のYouTube広告の課金方法を見ていきましょう。YouTube広告は、種類が多いため、企業の目的や予算に合わせた形式で低予算からでも出稿が可能です。

広告の種類課金方法
インストリーム広告(5秒でスキップ可)CPV
インストリーム広告(15秒以下のスキップ不可)CPV
バンパー広告CPM
ディスカバリー広告CPC
マストヘッド広告CPMとCPD

・CPV:広告動画を1回再生するたびに料金が発生。ユーザーが広告を30秒以上(動画が30秒未満の場合は、最後まで)視聴された場合に費用が発生する。
・CPM:広告表示1000回ごとに料金が発生。
・CPC:ユーザーが広告のサムネイルもしくは見出しをクリックすると費用が発生。
・CPD:1日1社限定で広告枠を買い切る方法。

自社で動画を作成する場合は出稿にあたって広告費のみがかかりますが、動画制作を外注する場合はその費用も発生します。

5.YouTube広告のターゲティング

YouTube広告はGoogle広告のデータを使ったターゲティングが可能です。ターゲティング方法は大きく2種類に分けられます。

(1)オーディエンスターゲティング

ユーザーの属性や興味・関心から選ぶターゲティング方法です。主なオーディエンスターゲティングの項目は以下の6項目です。

・ユーザー属性:性別や年齢、子供の有無、世帯収入などを細かく設定することができます。
・アフィニティカテゴリ:スポーツ、フード、エンターテインメント、美容、旅行などユーザーの興味・関心を選択できます。フリーワードで入力してピンポイントで指定することも可能です。
・ライフイベント:引っ越し、就職、結婚などのライフイベントに合わせた商材の訴求ができます。
・購買意欲の高いオーディエンス:出稿予定の自社商材を設定します。商品群で広めに選択肢しておくのがおすすめです。
・カスタム・インテント・オーディエンス:ユーザーが最近Googleで検索したキーワードに沿った広告表示ができます。購買意欲が高いユーザーにアプローチするときに役立つ方法です。
・リマーケティング:YouTube動画の視聴履歴やチャンネル登録、閲覧したYouTube広告などの履歴を元にグループ化されたユーザーを選択できます。

(2)コンテンツターゲティング

広告を配信する場所を指定する手法です。ここで指定したキーワードやカテゴリに関連する動画やチャンネルに広告を表示させることができます。

・プレースメント:ターゲットとするユーザーが見ているであろう動画やYouTubeチャンネルを指定します。「YouTubeチャンネル」「特定の動画を視聴」「YouTube動画」「特定の広告動画を視聴」「Google ディスプレイ ネットワーク上のアプリ」「Google ディスプレイ ネットワーク上のウェブサイト」の6つから選べます。
・トピック:「アート、エンターテインメント」や「ショッピング」「スポーツ」など広告を表示するページのコンテンツ内容を指定できます。

6.業界ごとのターゲティング設定事例

YouTube広告はユーザーが多いことから細かくターゲティングが可能です。ここで、ターゲティングの成功事例をご紹介します。自社で出稿される際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

(1)「映画を観たい」生活者にコミュニケーションし、無料トライアル会員を増加:Hulu

映画やドラマなどのオンラインビデオコンテンツを提供するHuluでは、有料会員獲得のための施策として無料トライアルキャンペーンをおこなっています。Huluの課題は、映画、ドラマ、アニメなど多岐にわたるジャンルを提供しているために、どのコンテンツをどのような人に届けることが効果的なのかという見極めを行うことでした。

そこで同社が採用した選択肢の1つが、「カスタム アフィニティ カテゴリ」です。具体的には、「映画館に興味がありそうなユーザー」を設定し、そのようなユーザーは映画コンテンツとより親和性が高いであろうと判断、「映画を含むコンテンツが見放題」を訴求した動画広告を届けたのです。ユーザーが好きそうな場所に合わせて、関連ある広告情報を届けていくことで、より価値ある情報提供につなげることができました。
*2:通常のデモグラフィックによる広告配信とカスタム アフィニティ カテゴリ を比較したところ、より高いパフォーマンスを示したのはカスタム アフィニティでした。
引用:Think with Google

(2)「転職をしたい」という意図に合わせて、会員数拡大に成功:DODA

有効求人倍率が上がり売り手市場となっている転職市場では、優秀な人材の転職意欲を見逃さないことが鍵となります。そのためには、「転職したい」という意図が顕在化している転職活動中の人だけではなく、「転職したい」気持ちはあるものの、まだ活動そのものは開始していない潜在層に対する効率的なアプローチが求められていました。

そこでパーソルキャリアは、関連する商品やサービスを積極的に検索しているオンライン ユーザーがその後7日以内にYouTubeに訪れた際、検索内容に基づいた関連性の高い動画広告の表示を可能にする「カスタム インテント オーディエンス」を活用します。転職活動を始めようとしている生活者に対して、動画でのメッセージ配信を開始しました。「漠然と検索をしているものの、具体的な転職活動はまだ進めていない」という潜在層にも、意図に合わせてアプローチするという戦略です。
引用:Think with Google

7.ターゲティングはどう使い分ける?

YouTube広告はかなり細かくターゲティングが可能です。そこでターゲティングを選ぶ際のポイントをお伝えします。ここでは、出稿目的と獲得したいユーザー像が明確であることが大前提です。

(1)目的から選ぶ

目的は大きく3段階に分けられます。その段階に合わせて設定するのが効果的です。

・広く認知させる
見込み顧客になりそうなユーザーにできるだけ多く自社のことを知ってもらい、さらに好印象を与えることが重要です。自社のことを知らない幅広いユーザーに知ってもらう必要があるのでターゲットは絞りすぎないように気を配りましょう。ターゲティングは「年齢」や「性別」、「アフィニティカテゴリ」を使うのが効果的です。

・ユーザーの検討材料となる
ここでは広告を見たユーザーが商品を検索したり、サイトに訪れたりするという行動に移ってもらうことを目的にしています。「カスタム・インテント・オーディエンス」というターゲティングで特定のキーワードに沿った広告を配信してみましょう。例えば、自社で販売している高級腕時計をプロモーションしたい場合、高級時計ブランド名を検索しているユーザーのところに広告を配信します。そうすることで、高級腕時計を探しているユーザーは広告を見て商品を知ることで該当する腕時計を購入検討リストに入れる可能性が高くなります。

・行動を起こさせる(コンバージョン)
広告を見たユーザーに商品を購入してもらったり、実際に来店してもらったりするための広告配信を行います。

「購買意欲の高いオーディエンス」や「動画リマーケティング」というターゲティングで、あるジャンルの商品の価格を比較する、何度もサイトに訪れて商品を買うか考えている人に自社の広告を打つことができます。つまり、購入の可能性が高いユーザーにアプローチできます。

(2)カスタムインテントオーディエンスを使用

動画広告の運用では広告そのものの新鮮さが非常に重要です。同じ広告を見せ続けるとユーザーは必ず飽きてしまう傾向にあります。初めて見るという新鮮な状態をキープするために、ターゲットとなるユーザー層が短期間で入れ替わるターゲティングを行いましょう。

「カスタム・インテント・オーディエンス」は、指定したキーワードを直近で検索したユーザーがターゲットとなります。そのターゲティングで広告配信を更新すれば、動画を別のものにしなくても、そもそも配信されるユーザーが短期間で更新されます。

また、フリークエンシーキャップは目的によって設定回数を変えましょう。フリークエンシーキャップとは、ユーザー1人に対して同じ広告を何回配信するかという設定項目です。認知が目的の場合はフリークエンシーキャップの設定は不要です。より多くの人にアプローチしたいという場合は1〜3回と少なめに設定しましょう。同じ動画広告が何回も表示されると、ユーザーにネガティブな印象を与えてしまいます。広告自体も飽きられやすくなるので、動画も定期的に変更するのが理想的です。

8.YouTube広告を成功させるポイント

YouTube広告を成功させるには、明確なKPIを設定することが重要です。KPIとは目標を達成するために実行すべきプロセスが適切に実施されているかを数値化したものです。出稿の目的や獲得したいユーザー像を明確にしておくのはもちろん、コンバージョン率、クリック率などの目標値を決めておきましょう。ここが明確になっていない状態で広告を出すと、費用だけがかさんでいき、改善点がわからなくなってしまう可能性が高くなります。

KPIに沿って、広告の成果に応じてPDCAを回していくことも重要です。広告を出してすぐに効果が出ないことも多々あります。いきなり結果を求めるのではなく、運用の中で改善していくのが基本です。KPIを立てて目標が明確となっているのであれば、そこに足りていない要素を分析して改善することが必要です。この分析、改善をくり返していくことで質を上げていくことが広告運用の肝となります。

9.まとめ

YouTube広告出稿にあたっては、まずは顧客のペルソナとどのような結果を出したいのかを具体的に決めることがスタートです。ユーザー数を伸ばし続けるYouTubeでのターゲティングの組み合わせは星の数ほど。顧客のライフスタイルや行動パターンを考えながら効果的なペルソナを設定していきましょう。ユーザーの反応を見ながら広告を運用していくことで売り上げにつながる大きな成果が期待できます。