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「運用型広告はクリエイティブで決まる」その理由と、これまでの広告運用の変遷をご紹介

運用型広告が普及して、約15~20年ほど経ちます。私は広告運用に携わって約10年になりますので、これまでの運用型広告の変遷や実情、最近の傾向について主観も含めてまとめます。

運用型広告のざっくりとした変遷

運用型広告は当初テクニック先行の世界でした。まだ私が運用型広告に関わる前なので聞いた話ですが、「深夜0時を回ってから他社よりも先に高い入札を取っておいたら配信が有利になる」「早朝に競合他社の広告を大量クリックして枯渇させて、自社のクライアントの広告を優先的に配信させる」など今では想像もできないような時期が黎明期にはあったようです。

その後普及期に入ると、さすがに裏技的なことは規制されましたが、それでも広告運用には高い技術や経験・知識が必要であり、成果を上げるには経験豊富なプロに依頼する必要がありました。情報の非対称性が高く、Web上にも正しい情報が落ちていないため、一部の広告代理店などにとって有利な状況でした。

そして近年では、「機械学習」「AI」による自動化が進み、高い技術や経験を持つプロではなくても、平均点くらいの結果が出せるようになりつつあります。もちろん、今でも広告運用のプロは存在しており、ニーズも高いですが、情報もオープンになり誰でも正しい情報にアクセスしやすくなったため、比較的簡単に広告運用を行えるようになりました。

機械学習によって運用型広告はさらに難しくなっている

上記の話を踏まえると、一見機械学習によって運用型広告が簡単になっているかのように思えますが、実際にはその逆で、複雑性が増しています。理由は主に2点あり、①機械学習によってブラックボックス化される領域が増えた。②運用時にカバーしなければならない領域が多角化した。ということです。

①に関しては、例えばP-MAXやMeta広告の場合、配信結果が良かった・悪かった場合に、その原因をつかみにくく、良い結果を再現したり、悪い結果を避けることが非常に困難です。

②に関しては、これまでは「入札」などの「媒体の仕組みの理解」をしていれば良かったものが、現在では広告クリエイティブ力、分析力、タグ管理、など多岐にわたっており、とても1人で完結することは難しくなりました。その結果、チームでプロジェクトを進行するためのマネジメントスキルやコミュニケーションスキルも、いまや広告運用者にとって不可欠のスキルと言えます。

1周回ってクリエイティブが大事

広告運用を成功させるためには何が必要か?という問いに答えはありませんが、少なくとも広告管理画面を見ているだけでは広告運用はうまくいきません。

その周辺領域のどの部分に注力するかで、各広告運用会社の特色や強みが出てくると思いますが、弊社では「広告クリエイティブ(動画・静止画)」に力を注いでいます。

広告クリエイティブはこれまでデジタル広告の分野では、正直なところ軽視されてきたと思います。実際に、広告クリエイティブにこだわるよりも、広告媒体の仕組みをハックし、運用テクニックを優先したほうが楽に手っ取り早く成果に繋がるという事情もありました。広告クリエイティブは広告主の承認フローも必要で、制作費も必要であり手間がかかるため、広告運用会社としては、敬遠されていた実情もあります。

ところが最近では、広告運用の核となる部分が「機械学習」に代わり、テクニックで補える領域が以前よりも大きく減ってしまっているのが現状です。いまどこで大きな差がつくのか?我々は「広告クリエイティブ」だと考えています。

Web広告といえども、実際に広告をクリックするかどうかを判断し、購入や問い合わせをするかどうか決めるのも、最終的には「人間(ユーザー)」であり、そのユーザーとの接点となるものが広告クリエイティブです。

弊社では現在、「広告クリエイティブにこだわることで、広告の成果を改善する」ということを地道に取り組んでいます。