YouTube広告の基礎知識とメリット・デメリット
「YouTube広告とはどんなものだろう?」
「YouTube広告のメリットとデメリットはどんなものだろう?」
以上のような悩みを抱えていませんか?
YouTube広告とは、世界最大の動画プラットフォームで配信する、視覚・聴覚的にアプローチできるクリエイティブの幅の広い広告配信方法です。
この記事では、YouTube広告の基礎情報とメリット・デメリットなどについて解説します。
1. YouTube広告とは?
YouTube広告とは、Googleが提供するYouTube上で配信される動画広告です。
ユーザーが選択したYouTube動画がはじまる前や、動画の再生途中・再生後に配信され、商品の購入やサービスへの申し込みを促します。
Web広告で主に使用される静止画やテキスト広告よりインパクトが強く、聴覚的にもアプローチできるため、一度の広告配信でも認知度の向上が期待できます。
YouTubeの国内月間利用者数は2020年に6,500万人を越えるなど、プラットフォームとしてのユーザー数の多さも魅力です。
(1).YouTube広告の費用
YouTube広告には、主に以下の3種類の課金制度があります。
・CPC:クリックごと1クリックあたり3〜20円
・CPV:動画視聴ごと1再生あたり3〜20円
・CPM:広告1,000回表示ごと300〜700円
それぞれ広告フォーマットの種類によって課金制度は異なりますが、はじめてYouTube広告を出す企業の場合はまず、月10〜20万円の予算で様子をみることが多いです。
YouTube広告を提供する、Googleでは広告シミュレーションサービスを展開しているため、「費用感がイマイチ分からない」という場合は試してみてください。
2. YouTube広告で期待できるメリット
YouTubeは、多くのユーザーが利用し、Googleが運営するプラットフォーム。
そんなYouTubeで、動画広告を配信するメリットを紹介します。
(1).認知拡大できる
YouTubeは日本国内でも6,500万人の利用者がいるプラットフォームであるため、必然的に多くのユーザーに配信可能です。
また、広告フォーマットによって広告動画の長さはさまざまですが、YouTube Premiumに加入しない限り、冒頭5秒間の広告はスキップできないため、YouTube広告は必ず視聴されるといった特徴があります。
冒頭にインパクトのある動画や聴覚的アプローチを持ってくることで、新商品や新ブランドなどの認知拡大にも効果的です。
(2).細かい設定を行い配信できる
YouTube広告では、以下のような細かなターゲットの絞り込みが可能です。
・年齢
・性別
・子どもの有無
・世帯収入
・住宅購入の有無
・興味・関心 など
さまざまなセグメントを駆使することで、狙ったユーザーにリーチしやすいです。
テレビCMでは、視聴者それぞれの属性や興味・関心で絞った配信ができないことからも、ターゲットを絞った動画広告配信はYouTube広告の大きな特徴と言えるでしょう。
また、時間帯や曜日を設定して動画広告の配信も可能なため、より高い広告効果が期待できます。
適切な広告フォーマットと掛け合わせることで、認知の拡大やコンバージョンの獲得に大きく貢献するでしょう。
(3).Youtube広告データが利用できる
YouTube広告は、Google広告のひとつであるため、Googleが保有する属性データや購入・行動履歴などの情報を活用した広告配信ができます。
また、Google AdSenseと連携することで、Youtube広告データを利用したGoogleリスティングのリマーケティング配信をすることも可能です。
「チャンネルの動画を視聴した」など、YouTube上で行われた9つの操作によってユーザーを分け、リスト化できます。
9つの操作のなかには、「チャンネル登録した」「チャンネルの動画を高く評価」の項目もあり、これらは動画内容に関心が高いことが予想できるため、リスト化されたユーザーに対してリマーケティング配信することで効率の良い広告配信が行えるでしょう。
Google広告と連携することで、YouTube広告データが活用できるのはWeb広告を運用する上で大きなメリットです。
(4).Webサイトへ誘導できる
YouTube広告には、「コールトゥアクション(CTA)ボタン」が存在し、広告からダイレクトにWebサイトへ誘導できます。
テレビCMでは、広告視聴だけにとどまりますが、YouTube広告ではそのまま商品購入やサービスの申し込み、会員登録などが可能です。
関心のあるユーザーにとっては、「後で調べよう」などの手間がないため離脱が少ないでしょう。
3. YouTube広告で考えられるデメリット
メリットが光るYouTube広告ですが、考えられるデメリットも理解しておき、リスクを最小限にしましょう。
(1).動画制作に費用がかかる
YouTube広告は主に動画広告であるため、テキストや静止画広告よりも制作費用や時間を費やします。
さらに、YouTube広告は作成後に広告に対する審査が行われ、承認されなかった場合には動画の修正を行う必要が出てきます。
修正には新たな制作費や時間が必要な場合もあるため、事前にGoogle広告の審査基準を確認し、理解した上で慎重に制作しましょう。
また、広告審査の結果は1営業日以内で通知されることがほとんどですが、稀に審査に数日を要することがあるため、予算だけでなく時間にも余裕を持っておくことが大切です。
(2).途中でスキップされる可能性がある
YouTube広告では、5秒間の視聴後にスキップ可能なインストリーム広告が存在します。
スキップ可能な広告の場合、動画制作に費用と時間を費やした広告動画もユーザーの関心がなければ簡単にスキップされてしまいます。
実際、インストリーム広告の平均視聴率は20〜50%ほどと言われており、残念ながら配信数の半分以上は視聴されてないという結果です。
しかし、先述したように冒頭の5秒間は必ず視聴されるため、クリエイティブ面で工夫することでユーザーの関心を集められるでしょう。
(3).マイナスのイメージを与える可能性がある
YouTube広告では、間違った広告配信を行うとユーザーに不快感を与える可能性があります。
実際に、Google検索では「YouTube広告 うざい」「YouTube広告 気持ち悪い」「YouTube広告 怖い」などのキーワードでも検索されており、YouTube広告に対して不快感を持っているユーザーは一定数います。
主に以下のような広告は、ユーザーにマイナスなイメージを与えかねません。
・クオリティの低い広告
・関心のない広告
Google広告審査に通れば、どのような広告も自由に配信可能ですが、クオリティの低い広告でも配信できてしまいます。
一定のクオリティを越えていない広告は、配信できたとしても受け取るユーザー次第では、企業に対するマイナスの印象を与えてしまう場合もあります。
動画制作の予算は多めに取り、一定の品質は保ちましょう。
さらに、関心のない広告が何度も配信されると、ユーザーにとってもメリットがないため、企業に対して不快感を感じてしまいます。
ターゲティングの見直しは常に行い、興味のあるユーザーへ広告配信するように設定しましょう。
(4).クリックやCVが取りづらい
YouTube広告は、動画広告によって聴覚にもアプローチできるため、認知拡大には大きな期待ができます。
しかし、YouTube動画の視聴前や視聴中に興味のある広告が流れても、YouTube動画を離脱してまで広告をクリックするとは考えにくいため、クリック数やコンバージョンは取りづらいでしょう。
コンバージョンを獲得したい場合は、視聴者の目線に立ったクリエイティブの制作が必須です。
「今すぐにチェックしたい」と感じる広告動画を目指しましょう。
4. 目的に応じた広告フォーマットの選び方
コンバージョンの獲得には課題を感じるYouTube広告ですが、広告フォーマットを適切に選ぶことで購入促進も可能です。
以下のような配信目的によって、広告フォーマットを正しく選択することで、効果的な広告配信ができます。
・商品・サービスの認知度を上げたい
・購入を促したい
YouTube広告には、主に以下のような6種類の広告フォーマットが用意されています。
・インストリーム広告(スキップ可・不可)
・バンパー広告
・リーチ広告
・マストヘッド広告
・アウトストリーム広告
・ディスカバリー広告
・アクション広告
下記では、目的に応じた広告フォーマットの選び方を紹介します。
(1).認知度を上げたい場合
認知度を向上させたい場合には、以下の広告フォーマットがおすすめです。
・インストリーム広告(スキップ可・不可)
・バンパー広告
・リーチ広告
・マストヘッド広告
・アウトストリーム広告
インストリーム広告・バンパー広告・リーチ広告の3つは、YouTube動画の再生前、再生中、再生後に配信される広告であり、潜在客へのアプローチとしても有効です。
動画の尺は6秒から3分以上であり、広告スキップの有無もそれぞれ異なります。
さらに、マストヘッド広告は、YouTubeのトップページに広告動画が掲載されるため、Youtubeに訪れたユーザー全員に見てもらえるといったメリットがあります。
認知度の向上だけでなく、ブランディングにも相性が良い広告フォーマットです。
また、アウトストリーム広告はYouTube外で配信されるモバイル専用の広告であり、リーチ拡大できるのが大きな特徴です。
(2).購入を促したい場合
購入促進やコンバージョンの獲得には、以下の広告フォーマットがおすすめです。
・ディスカバリー広告
・アクション広告
ディスカバリー広告は、YouTube動画の検索結果画面や再生中の動画外の右上などに掲載される、サムネイル画像のような広告を指します。
バナー広告のような仕組みであり、ユーザーがクリックしないと広告動画は再生されませんが、興味のあるユーザーしかクリックしないため、コンバージョン率は良いでしょう。
また、ユーザーが自ら広告クリックして視聴したタイミングで課金が発生するため、無駄な課金発生が少ないです。
アクション広告は、インストリーム動画の下部に掲載される帯状のテキスト広告であり、「購入」「問い合わせ」などの行動を促します。
まとめ
YouTube広告とは、主にYouTube動画の再生前や途中、再生後に配信される動画広告です。
スキップできる広告から、3分と長い広告まで配信可能であり、さまざまなアプローチによって商品やサービスの認知拡大が期待できます。
さらに、テレビCMでは難しかった、性別や年齢、子どもの有無や興味・関心など、細かいセグメント設定によってターゲットを絞った配信ができるため、広告効果も期待できるでしょう。
ただし、YouTube動画の視聴前や視聴中に、動画を離脱することは考えられないため、コンバージョンの獲得はしづらいといったデメリットが考えられます。
広告フォーマットには、購入やクリックを促す「ディスカバリー広告」や「アクション広告」もあるため、適切に使用してみましょう。
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