WEB広告のCVって本当に合ってるの?管理画面CVの実態

Web広告を運用した方なら一度はよぎったことのある疑問
「Web広告のコンバージョン数って合っているの?」
この記事では、弊社のお客様からもよくご質問いただくこの問いに対して、Web広告運用会社の視点で正直に実態をお伝えしたいと思います。
Web広告のCVって正確なの?
結論はNOです。現状、正確なWeb広告CVを計測できる広告媒体は存在しません。あくまでも広告管理画面のCV数は傾向値でしかなく、正確な件数は最終的な全体の獲得件数(例:問い合わせ、資料請求、問い合わせなど)をもって判断するのがベターな方法です。
・Web広告を1媒体しか実施していない。
・CVが広告経由しか発生しない(オーガニックなどでCVが発生しない)
という前提であれば、「獲得したCVはすべてその広告によるもの」と結論付けられるので分析はシンプルですが、ほとんどのケースではそうではありません。
・複数の広告媒体で広告配信している
・広告以外の経路でもCVが発生している(オーガニックやリファラルなど)
ほとんどのウェブサイトでは上記のケースが多く、その場合は「どこまでを、どの媒体の貢献と定義するのか」によって「正確なCV計測」の定義すら変わってきます。
正確なCV計測ができないのは運用会社のせい?
これもお客様からよく頂くご質問です。結論としては、「両方あり得ます」。
ただ、上記の通り
・前提として正しいタグの埋め込みを行う
・そのうえで「何を正しい計測」とするのか両者ですり合わせる
という2つのステップが重要です。
正しいタグの埋め込みという点としては、
・Googleタグマネジャーで埋める?ウェブサイトに直接埋める?
・重複埋め込みやドメイン内の一部ページに埋まっていないことはない?
・クロスドメインの場合は対策を行えている?
という基本的な部分です。これは多くの場合問題ないはずです。
続いて、正しい計測のすり合わせとしては、
・管理画面CVで評価?それとも別の計測ツールで評価?(GA4など)
・ラストクリックCV?それとも、アトリビューションを評価する?
・アトリビューションは何日以内まで評価する?
といったポイントを両者ですり合わせておく必要があります。このすり合わせが出来ていないケースが多いです。
改めてですが、そこまでしたうえで、Web広告の計測に正確性を求めるのはナンセンスです。正しい設定が行えていて、定義もすり合わせたのであれば、あとは全体の売上や問い合わせ数と、Web広告のCV数と照合して見ていきながら、仮説検証していくのが近道です。
正確でないなら、Web広告のCV計測は意味がないのでは?
こちらも結論としてはNOです。なぜなら、現在のWeb広告運用は大部分が「機械学習」によって配信をコントロールしており、その源泉となるのが「CVデータ」であるからです。CV計測をしないWeb広告運用は、例えると「真っ暗な夜道をライトを付けずに歩いて目的地を目指すようなもの」です。(認知目的の配信であればその限りではありません。)
最近では、Cookie制限によって、とくにIOSにおいては計測期間が24時間内に制限されるなど、検討期間が長い商材はCV計測が不利な状況になっています。そのため場合によっては、実際の効果の50%、40%程度しか計測できないこともあります。
ただ、そんな状況だとしてもCV計測は行ったほうがよく、いつ・どこで・どんな人がCVしたのかというデータは我々の分析にも重要な材料ですし、何より「機械学習」に欠かせない貴重なデータです。
Web広告運用会社を”使う”立場として
CV計測の数がおかしい、と思った場合はまずは正しいタグ設置が行えているのかを再確認しましょう。社内にタグ設置の正誤を確認できるエンジニアがいれば確認してもらうのもよいでしょう。
そのうえでタグ設置に誤りがなければ、次は、定義のすり合わせです。Web広告運用会社としては、広告の貢献をできるだけ多く評価してもらいたい、という力学が働きやすいですし、運用会社を使う立場としても「実態よりも多く見せているのでは?」という疑念を抱きやすいと思います。
管理画面上のCV数だけで評価すると、「いかに数を多く見せるか?」という方向に行きやすいため、例えばGA4やセールスフォースなど、媒体横断的に分析できるツールを導入し、その指標も並列で評価するなど、評価のポイントを分散させるのが1つのポイントです。