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リスティング広告

【基本】Googleリスティング広告のはじめ方&初心者の運用方法

リスティング広告は「Web広告といえば」必ず挙げられるほどメジャーな広告の一つで、20年ほどの歴史があります。手軽に始められるというメリットがある反面、メジャーなことから広告数が多いため、広告の特性を理解して求める結果を出すための運用方法を知る必要があります。

今回はGoogleのリスティング広告(旧Google AdWords)をこれから出稿しようと考えている方に向けて、リスティング広告の基本や出稿方法、成果を出しやすくするポイントをご紹介します。

1.リスティング広告とは?

Googleにおけるリスティング広告とは、検索の結果に連動して検索結果画面に表示される「検索連動型広告」です。

広告フォーマットはテキストベースで、見出し・リンク先のURL・説明文の3つの要素で構成されます。

2.リスティング広告の効果

リスティング広告を出稿することによってどのような効果が期待できるのでしょうか。大きく分けると以下の3つが挙げられます。

(1)狙ったターゲットに向けて広告表示しやすい

リスティング広告は、商材に対して興味関心の高いユーザーへ広告をピンポイントに届けることができます。

ユーザーが検索をするときには、何か特定の答えとなるものを探している傾向が強く見られます。つまり、ある程度求めているものがはっきりしていて、そのために能動的に行動しています。ユーザーがキーワードを検索する際に最初に目にするのがリスティング広告です。自分が関心のある内容のため、ユーザーは広告にも興味をもち、クリックする可能性が高まります。

出稿する会社側から見れば、検索キーワードに興味・関心が高いユーザーに絞って配信できるため、狙ったターゲットにアプローチできる可能性の高い広告といえるでしょう。さらに、複数の検索キーワードを組み合わせて設定することで、よりターゲットを絞ったアプローチも可能です。

(2)訴求内容や予算を柔軟にリアルタイムで調整できる

SEOや他のバナー広告の場合、タイトルが自由に編集できなかったり、バナー制作に時間がかかったりしますが、その点リスティング広告は柔軟性が高いのが魅力です。効果の高いキーワードは入札単価を上げてできるだけ上位表示させる、効果の低いキーワードの入札は停止するなど、キーワードごとにリアルタイムでコントロールしていくことができます。

(3)広告文とキーワード、ウェブサイトさえあればすぐに配信できる

リスティング広告はアカウントを登録して、設定と入札をすればすぐに検索結果ページに広告を表示できます。そのため、情報を探すユーザーにすぐにアプローチができ、効果につながるのが早いというメリットがあります。

さらに、他のバナー媒体(GDN、YDAなど)と比較しても画像バナーを用意する手間が省けるというのも出稿しやすいポイントです。

一般的にSNS広告はバナー画像に加えて、SNSアカウントの立ち上げや、効果を持続させるためには定期的な投稿更新も必要になり工数がかかります。

加えて、smartnewsや一部のインフィード媒体(outbrain,logly)はアカウントの開設を代理店のみに限定しており、最低出稿金額にも縛りがあるため、配信のハードルが高いと言えるでしょう。

上記を踏まえると数あるWeb広告媒体の中でも、導入ハードルが低く・成果も出しやすいのがリスティング広告です。

3.リスティング広告に向く商材とは?

ユーザーは多数の類似した商品やサービスを調べ、比較検討を行います。他社に比べて価格が安い場合やブランド力がある、購入後のサポートが充実している等、優位性がある場合はユーザーに選んでもらえる可能性が高まり、その分、リスティング広告で成果が出やすいといえるでしょう。自社の優位性は何かを分析し、文字情報のみでピンポイントに伝える必要があります。

さらに、顧客単価が大きく、粗利が大きい=1件の獲得に許容できる広告費が大きい商材・サービスほど費用対効果を合わせやすい傾向があります。

加えて、ユーザーのリピート率が高い場合も広告の効果を実感しやすいでしょう。初回の購入だけでは費用対効果が合わない場合でもリピート率が高ければ、LTVを考えた時に費用対効果が合う場合が多くなります。例えば、サプリメントや化粧品なども定期購入やリピートが発生することで長期的に費用対効果が高くなり、リスティング広告の効果を感じやすくなります。

リスティング広告は、製品の認知拡大やブランディングには適していません。なぜならユーザーが入札したキーワードを検索しない限り、広告が表示されないからです。

したがって世の中に認知されていないキーワードを使うことや、新商品について広く告知することはできないのがリスティング広告の弱点といえるでしょう。認知の獲得のためには、自発的に検索をしなくても興味関心や属性を絞ってターゲティングできるSNS広告やバナー広告(GDN、YDA)が推奨されます。

4.リスティング広告の仕組み

広告料金はユーザーがクリックするごとに課金される「クリック課金制」です。広告費は広告主自身が「入札形式」で設定します。広告を表示させるためには、最低入札価格以上での入札が必要になります。最低入札価格はキーワードによって変動しますが、検索数の多いキーワードほど、最低入札価格も高くなると勘違いされています。

加えて「検索数が多いほどクリック単価も高い」とイメージされやすいですが、これは間違いです。

例えば「日本」「東京都」といったキーワードの検索回数は数百万回あります。しかし、クリック単価は数十円と非常に低いです。これは収益性と検索ニーズの大きさは比例しないためだと言えるでしょう。

以下の表は、収益性と検索ニーズの組み合わせ4パターンと当てはまる商品です。
収益性が少ないキーワードは検索ボリュームの大きさに関わらずリスティング広告には不向きです。

 収益性(大)収益性(小)
検索ニーズ(大)【一般商品/サービス】
不動産関連、保険関連など
【一般名称など購買行動が発生しないキーワード 】
日本、東京など
検索ニーズ (小)【ニッチ商品】
法人向けケーブル、自動車の部品など
【誰も検索しないキーワード】
自分の名前など

さらに細かく分けて見ていきましょう。例えば「不動産」と「不動産投資」を比較すると、当然「不動産」のほうが検索ボリュームは多くなりますが、クリック単価は「不動産投資」の方が高くなります。これはニーズの高さと検索ボリュームのバランスの問題です。「不動産」というワードは非常に幅広い検索意図を含んでいます。例えば、不動産の購入だけではなく、賃貸、不動産の販売、不動産の意味、不動産の歴史などを知りたいという目的でも検索されています。

つまり、「不動産」というキーワードで広告配信を行うと、ターゲットでない多くの人に広告を配信してしまう恐れがあり、広告費が無駄になってしまう可能性が高くなるのです。

一方、「不動産投資」と検索する人の目的は「マンションの賃貸投資を始めたい」「オフィス投資を始めたい」「不動産投資を成功させたい」など「不動産」に比べて検索意図が絞られています。

「渋谷区 不動産投資 5,000万円」のように、さらに検索意図を狭めればターゲットを絞ることができますが、逆に絞り込みすぎると広告があまり配信されません。上記のように検索ニーズの大きさと収益性のバランスによってクリック単価は決まっています。

リスティング広告は検索キーワードによって人気が高く、広告表示できる枠数以上の広告掲載希望があります。そこで、どの広告を優先するかの判断基準となるのが「入札価格」と「広告の品質」です。

高い金額で入札するほど掲載順位が高くなり、検索結果上部の目立つ位置に広告が表示されやすくなります。

ただし、低品質な広告が上位に表示されないように、入札金額だけでなく「広告の品質」も評価基準となっています。広告の品質は、広告のクリック率・検索キーワードと広告の関連性・リンク先ページの品質などから判定されるものです。

5.リスティング広告掲載のステップ

では、Googleのリスティング広告を出稿しようと思った時にはどのようなアクションが必要なのでしょうか。ステップに沿ってご紹介します。

(1)ターゲット、戦略を決める

まずは、リスティング広告を出稿する目的や、どのようなユーザーをどのくらい獲得したいのかを明確に決めておきましょう。そのために必要なクリック率、コンバージョン率まで数値化しておくと、運用していく中で改善がしやすくなります。

(2)アカウントを取得

「Google広告」にアクセスして左上にある「今すぐ開始」をクリックします。Google広告で使用するGoogleアカウントでログインします。Googleアカウントを持っていない場合はここで新規作成する必要があります。必要情報を入力するとアカウントができます。Google広告用のアカウントでログインしましょう。

(3)配信条件を設定

「新しいキャンペーンを作成」をクリックし、目標を選んで「検索」を選びます。
キャンペーン設定画面が表示されますので、詳細を入力しましょう。配信開始日と終了日、配信地域、1日あたりの予算、入札単価などを設定します。

1つのGoogle広告アカウントの中で複数のキャンペーンを作成することも可能です。異なる地域に配信する場合や予算を分けたい場合は、別途キャンペーンを作成する必要があります。

(4)広告文を作成

出稿する商品やサービスごとに広告グループを作成しましょう。各広告グループの広告とキーワードは、そのグループのテーマと密接に関連する必要があります。

はじめに広告グループ名を入力後、ボックスの中にユーザーのどのような検索語句に対して広告を表示させるか、引き金となるキーワードを複数入力します。

次に、広告見出し、リンク先URL、説明文を入力します。キーワードのテーマと関連性が高い広告を 3個以上作成するのがおすすめです。[保存]すると審査に進み、審査が完了すると自動的に出稿が始まります。審査にかかる時間は早ければ5分程度、遅くとも1営業日以内には終わります。

6.リスティング広告を成功させるポイント

リスティング広告を出稿するのは非常に簡単です。しかし、出稿したら終わりではありません。リスティング広告で成果を出すためにはコツがあります。まずはこれを押さえて出稿&運用を開始しましょう。

(1)ターゲットを絞る

リスティング広告は、具体的な顧客に的を絞ってアプローチができます。しかし、クリック課金制のため、本当に来てほしいユーザーをWEBサイトに呼び込まなければ、無駄な広告費がかかってしまいます。

そのため幅広い層に向けて広告を制作するのではなく、自社のサービスや商品を本当に必要とするユーザーにピンポイントで訴求を行うことが費用対効果とCVR(コンバージョン率)の向上につながります。

(2)広告タイトルで強みを打ち出す

リスティング広告は、文字情報のみで他の広告と並べて表示されます。常にユーザーから比較されるため、広告タイトルや広告文を通して自社サービスや商品の強みをアピールすることが重要です。検索結果ページの上位に掲載されても、他の広告に埋もれてはクリックにつながりません。ユーザーの関心を引くために、タイトルと広告文で、自社の強みを明確に打ち出す必要があります。

(3)自社・競合他社の商品、サービスを徹底的に調べる

前述の通り、検索されないほどニッチな商品やサービスだとリスティング広告にはあまり適していません。しかし、多くの人が検索するキーワードのものを出稿するということは、同時にライバルが多いことも意味します。短い文章で自社の強みを端的に表現するためにも自社商品を知ることが非常に大切です。同様に、他者との差別化が自社の強みにもなるので、競合他社の商品についても調べておくことがポイントです。

(4)ランディングページを強化

クリック数だけでなくコンバージョン率を向上させるためには、広告のリンク先のランディングページの質を上げることもポイントです。せっかくユーザーがランディングページまで行っても、ユーザーの求めるものにマッチしていなければ、その後のアクションには繋がりません。さらに。ページの質は広告の上位表示にも直結します。

ユーザーがサイトやランディングページにアクセスした際、必要とするサイトだと判断してもらえるように、ファーストビューのイメージや見やすさ、画面の遷移のわかりやすさなどにこだわったWEBサイトを作りましょう。

(5)効果測定

リスティング広告を出稿したあとは、定期的に効果をチェックしながら運用をしていく必要があります。クリック数やコンバージョン率をチェックし、効果が上がっていない場合はどこに原因があるのか解明しながら、キーワードや入札単価の見直し、また広告内容の修正を行いましょう。レポート作成機能を活用すると分析がしやすくなります。

7.まとめ

検索されたキーワードに連動して広告が表示されるリスティング広告は、能動的に検索しているユーザーにタイムリーにアプローチできることから人気の広告手法です。人気な上に手軽で始められることから、他者との差別化が顧客獲得のために必須となります。リスティング広告の特性を理解した上で出稿することで結果が出しやすくなります。柔軟性が高く広告文の入れ替えが簡単なので色々なパターンを試してより多くのユーザーにアプローチしていきましょう。

参考URL
https://drm.ricoh.jp/lab/glossary/g00049.html