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松山

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Google広告のオークション分析の利用シーンや各指標の意味を解説

Google広告の中の機能である「オークション分析」を活用できていますか?

Google広告を運用している方の中にも、存在を知らなかったり、どう活用するのかわからない方もいるのではないでしょうか。

オークション分析では、競合他社と自社の情報を数値で確認することで、広告改善や新たな戦略のヒントが見つかります。

今回はオークション分析の利用シーンやレポートの見方をご説明します。

1.オークション分析とは

オークション分析はGoogle広告の管理画面にある機能で、検索広告やショッピング広告、P-MAXキャンペーンで利用可能です。いずれかのキャンペーンを運用している広告主なら誰でも使用できます。

オークション分析レポートを参照することで、同じオークションに参加している他の広告主と掲載結果を比較できます。自社の広告パフォーマンスと競合他社の動きを数値で知ることができるため、通常レポートを確認しているだけでは分からなかった分析や改善案の提案が可能になります。

2.どのようなシーンで利用するのか

通常レポートにくわえオークション分析レポートも毎回確認していては工数がかさんでしまいます。ここではオークション分析を利用するシーンをご紹介します。

(1).CPCが高騰しているときやCVRが落ちているとき

クリック率が低下していないにも関わらずクリック単価が高騰している場合やコンバージョン率が低下している場合は、競合他社の広告効果が強まった可能性が考えられます。目安として、一か月単位でコンバージョン率が落ちている場合は、競合の影響が考えられます。

このように自社広告の問題ではなく競合他者の影響が考えられる場合にオークション分析レポートを確認します。

また期間を絞ってデータを確認できるので、いつからクリック率が下がっているか、いつから競合の広告効果が強まっているのか検討がつけやすいです。

(2).狙っているキーワードに対する他社の動向を知りたいとき

競合が実際にどのようなキーワードで検索されているのかを確認できます。ときには狙っている別のキーワードを狙うといった戦略を取ることができます。

(3).競合他社から自社広告を改善したいとき

「広告のプレビューと診断」で競合が実際にどのような広告を出しているのかを確認できます。競合のLPのURLもレポートに記載されるので、実際の広告からクリエイティブの参考にしたり、LPの内容を参考にしたりと、自社に活かすことが可能です。

3.オークション分析の閲覧方法

配信方法により確認できるレポート単位が異なります。

作成できるレポート
検索キャンペーン
キーワード、広告グループ、キャンペーン
ショッピングキャンペーン
広告グループ、キャンペーン
P-MAX
キャンペーン

それでは実際のオークション分析の閲覧方法をみていきましょう。

(1).キーワード単位

キーワード単位ではより細かく特定のキーワードの競合を確認できます。

分析したいキャンペーンを選択し、「広告グループ<オークション分析」を選択するとデータが表示されます。画面右上の「分類して表示」を選択することで時間やデバイス、期間で絞り込みが可能です。

(2).キーワード単位

グループ単位では特定の広告グループで競合がどれくらいいるのか(広告グループ:キーワード等)を確認できます。

分析したい広告グループを選択し、「キーワード<オークション分析」を選択します。

(2).キーワード単位

自社の広告の競合がどれくらいいるのかを把握する場合に使います。

分析したいキーワードにチェックを入れて「オークション分析」を選択します。選択したキーワードのデータが表示され、キーワード単位での競合の情報を確認できます。

4.各指標の意味

オークション分析レポートの閲覧方法が分かったら、次は各指標の意味を確認していきましょう。オークション分析レポートには6種類のデータがあります。各指標がどのような意味を持つのか解説します。

(1).インプレッションシェア

実際の表示回数÷表示される可能性があった回数の推定値で算出されます。「表示される可能性」はターゲット設定と承認状態、品質スコアで判定されます。

100%に近いほど広告が表示されていることを示します。たとえば60%だった場合は、40%の表示機会を失っていることになります。他社のインプレッションシェアも参考にしてみましょう。

(2).広告の重複率

他社の広告と自社の広告が同時に表示された割合を表します。

たとえば他社のレポート欄の重複率が50%の場合、自社の広告が獲得した表示された回数のうち50%は他社の広告も同時に表示されていることになります。つまり自社の広告が100回表示されたとして、そのうち50回は他社の広告も同時に表示されています。

重複率が高いとその分クリック単価高騰などのおそれがあるため、同時に表示される他者の広告よりもクリックされる工夫が必要です。同時に表示されている他社の広告の内容を確認して、自社が優位な訴求ポイントを洗い出しましょう。

(3).優位表示シェア

自社の広告が他社の広告よりも上位に表示された割合、もしくは自社の広告のみが表示された割合を表します。

たとえば他社の優位表示シェアが30%の場合、自社の広告と他社の広告が100回同時に表示されたとして、そのうちの30回が他社の広告よりも自社の広告の掲載順位が上位だったということになります。

例では他社の%から計算していますが、自社の数値は高いほどよいです。

広告の重複率と同様に、他社の広告の特徴から自社がアピールできる部分を分析し、クリエイティブの改善、狙うキーワードを変えるといった戦略を取ることができます。

(4).上位掲載率

検索キャンペーンのみ表示されます。検索キャンペーンではオーガニック検索で検索画面に表示される広告枠が決まっています。自社と他社において同じキーワードを狙っているときに、どの広告が配信されるかとどの順番で配信されるかはオークション形式で決まります。

上位掲載率は、自社以外に他社の広告も表示されている場合において、自社の広告よりも他社の広告の方が広告枠の上位に掲載された割合を表します。

たとえば他社の上位掲載率が10%の場合、自社と他社の広告が同時に100回表示されたとして、そのうち10回は自社より他社の広告のほうが掲載順位が上だったことを示します。

他社の数字が高いほど自分の広告が下に表示されている状態です。掲載順位は広告ランク×入札価格+広告表示オプションで算出されるため、入札価格を引き上げたり広告オプションを変更したりして改善しましょう。

(5).ページ上部表示率

検索キャンペーンのみ表示されます。オーガニック検索結果の広告枠内の上部に掲載された割合を表します。

たとえば30%の場合、100回表示されたうち30回がオーガニック検索結果上部に表示されたことになる。広告枠内で何番目に表示されたかどうかは問いません。

(6).ページ最上部表示率

検索キャンペーンのみ表示されます。オーガニック検索結果の広告枠で1番上に掲載された割合を表します。

たとえば5%の場合、100回表示されたうちの5回はオーガニック検索結果の1番上に表示されたことになります。

5.まとめ

上記6種類のデータの詳細のうち、どこに問題があるかで対策を取ることができます。たとえばページ上部表示率が低ければ、オーガニック検索であまり広告が表示されていないことになります。表示されるためには他社よりも入札価格を上げることやクリエイティブを改善して広告の品質を向上するなどの方法が取れます。

オークション分析は自社の広告が他社に比べてどのくらい優位か確認したいときや競合の傾向を知りたい時、クリック数やCVRなどが大きく変動した際に要因をみつけたいとき等に活用できます。

さらに自社と他社を客観的に比較できるため、クライアントに報告や提案するときには自社のレポートだけの場合よりも説得力を与えることができるといった利点もあります。

Google広告で検索広告、ショッピング広告、P-MAXキャンペーンを運用していればすぐに利用可能な機能なので、オークション分析を活用してより効果的な広告運用を行いましょう。

参照:
https://www.onecruise.co.jp/degiodegiko/googleads-auction-analysis-competitor/
https://support.google.com/google-ads/answer/2579754?hl=ja