スタートアップがリスティング広告を配信する必要性
スタートアップの集客方法や広告運用について悩んでいませんか?
スタートアップが事業を拡大するためには、見込み客の獲得が重要です。Web広告は比較的取り組みやすく、見込み客へのアプローチ方法として重要なツールとなります。
中でもGoogleやYahoo!などの検索結果に広告を出すリスティング広告は、ターゲットを絞りやすく、比較的安価な運用費用で取り組めるため、スタートアップとの相性の良い広告手法の1つです。
本記事では、スタートアップにとってのWeb広告の重要性やリスティング広告の運用方法を解説します。
1 スタートアップがリスティング広告を実施すべき理由
スタートアップは少ない資金で事業を立ち上げることが多く、大手企業と比較するとマーケティングにかけられる予算やリソースに限りがあります。そこで、いち早く顧客に商品やサービスが認知され、安定して顧客を獲得する必要があります。そのために、効果的・効率的な方法で集客を行うことが重要です。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などで検索したキーワードに対して、検索結果に表示される広告です。
リスティング広告は、検索画面に広告を表示させるだけでは費用は発生せず、検索画面から広告がクリックされると、クリックされた回数分だけの費用が課金される「クリック課金制」となっています。
そのため、低コストで広告を掲載でき、コストを最小限に抑えながらターゲットとなるユーザーに広告を届けることが可能です。
以上の特徴から、費用を抑えて効率的に顧客を集めたいスタートアップと相性が良いと考えられています。
2. Web広告がスタートアップの広告戦略と相性が高い理由
集客方法には、インターネットを介さずにマスメディア広告を利用する方法もありますが、スタートアップ企業の広告戦略として、Web広告との相性が良い理由を解説します。
(1).ターゲットの絞りやすさ
テレビや新聞などの広告は不特定多数の目に留まるため、ターゲットを絞り込むことが困難です。一方で、Web広告は利用する媒体の特徴や設定方法によってターゲットを絞り込みやすいのが特徴。
広告媒体によって異なるものの、Web広告を配信する際に設定できる条件は、複数あります。例えば、特定の時間帯や期間を指定したり、地域や年齢、性別といったユーザー属性を絞ったりして広告を配信できます。
そのため、若者向け商材やビジネス系商材など、自社の扱う商品やサービスの特徴に合わせ、広告に興味関心が高いと考えられるユーザーのみに広告を届けることが可能です。
さらに、Web広告はGoogle広告、Yahoo!広告など広告媒体が複数あるため、Googleユーザー、Yahoo!ユーザーといった媒体の利用者の特性によってもターゲットを絞り込む戦略が取れます。
また、複数の広告媒体で広告を出稿できるため、同時期に異なるターゲット設定やキーワードの選定を試すことができ、効果の高い条件を見つけるためのトライアンドエラーをするサイクルを早めやすいでしょう。
例えば、Googleは20〜40代の若年層、会社員が多い傾向、Yahoo!は40代以上の高年齢層、専業主婦が多い傾向にあるため、想定顧客層が多く利用する媒体へ広告を配信することでより効果が見込めるでしょう。
(参照:https://manamina.valuesccg.com/articles/1053)
(2).PDCAを回しやすい
Web広告は広告効果をリアルタイムにデータで確認できるため、データを確認しながら施策の分析や戦略立案を最適化していくことができます。そのため、短期間で効率的な広告戦略を見つけたいスタートアップにとって相性の高い広告手法だと考えられます。
例えば、広告をクリックした割合(クリック率)や商材の購入や、申し込みまで至った割合(コンバージョン率)をデータで確認することができます。広告運用のどこに課題があるかを特定しやすく、広告施策の改善方針を立てやすいです。
3.広告媒体ごとの特徴比較(リスティング広告のメリットとデメリット)
テレビコマーシャルや新聞広告、雑誌広告といった媒体は、利用者の興味関心に限らず不特定多数に広く訴求するには有効です。しかし、これらの方法は莫大な広告費用を用意する必要があり、クリエイティブの制作などに多額を投資することが一般的です。そのため、スタートアップのように、限られた予算やリソースの中で広告を展開する必要がある企業にとっては相性の良い広告戦略とは言えないでしょう。
一方、Web広告は興味関心のあるユーザーだけをターゲットに絞って広告配信できるため、広告費用とそれに対する効果もスタートアップが期待する効果に見合ったものを期待できます。
ここでは、各メディアの特徴を比較しています。
媒体 | 特徴 | 予算 | 期間 | ターゲティング | 効果検証 |
テレビ | – 視覚と聴覚の両方を使って情報を伝えることができる。- 広範囲な視聴者層にリーチ可能。- ブランドイメージを高めるのに効果的。- 高価な制作費用がかかる。 | 高額 | 長期または短期 | 広範囲の視聴者層 | 視聴率やブランド知名度の変化 |
新聞 | – 文字情報が豊富で、詳細な情報を提供可能。- 地域やターゲット層を絞って広告を掲載できる。- 長期間読まれる可能性がある。- 版下への掲載には時間がかかる。- 視覚的な情報が少ない。 | 中~高額 | 1日~1週間 | 特定地域や読者層 | 印刷部数と売上の関係 |
雑誌 | – 特定の趣味や興味を持つ読者層にリーチ可能。- グラフィックや写真などの視覚情報が豊富。- 記事や広告が長期間読まれる可能性がある。- 版下への掲載には時間がかかる。- 発行部数が減少している。 | 中~高額 | 1週間~1ヶ月 | 特定の興味や趣味を持つ読者層 | 発行部数と読者の反応 |
ラジオ | – 聴覚情報を使ってイメージを鮮明に伝えることができる。- 運転中や家事をしながらでも聴取可能なので、多くの人にリーチできる。- 比較的低コストで制作・放送できる。- 視覚情報がないため、商品やサービスの説明が難しい。 | 低~中額 | 短期 | 特定の地域や聴取者層 | 放送後の反応や販売の増加 |
WEB | – ターゲットを細かく絞って広告を配信できる。- リアルタイムで広告の効果を測定・分析できる。- インタラクティブな広告が可能で、ユーザーとの関係構築が容易。- 広告ブロックや広告疲労などの問題が存在する。- オンライン競争が激しいため、目立つ広告を作成する必要がある。 | 低~高額 | 短期~長期 | ターゲットの興味や行動履歴に基づいた配信 | クリック率やコンバージョン率の変化 |
Web広告の比較
Web広告の中にも、リスティング広告だけでなく、SNS広告や外部メディアへ広告を連載する方法や自社メディアを運用する方法などがあります。
各Web広告の特徴も比較して確認しておきましょう。
広告の種類 | 特徴 | 予算 | 期間 | ターゲティング | 効果検証 |
リスティング広告 | ユーザーが検索したキーワードに合わせて広告が表示されるため、サービスや商品に合わせたユーザーに配信できる。 | 低~中額 | 3カ月〜半年 | 特定の地域、曜日、時間帯、デバイス、ユーザー属性など | クリック率、コンバージョン率などの指標 |
外部メディアへの広告掲載 | 掲載先メディアのユーザーがターゲット層と合っていれば高い効果が期待される。 | 中〜高額 | 中長期 | 特定の興味や趣味を持つ層 | 掲載先メディアから自社サイトへの流入数 |
SNS広告 | SNSのアカウント情報を利用するためターゲティング精度が高い。コンテンツに馴染むため広告感がない。 | 定額 | 1日〜 | 特定の地域や年齢、性別、興味関心など | 表示された回数、クリックした回数などの指標 |
オウンドメディアの運用 | 自社運営によって潜在顧客へのアプローチやブランディングをコントロールできる。継続的に集客効果が見込まれる。 | 中〜高額 | 長期 | 特定の興味や趣味を持つ層 | アクセス数、問い合わせ数など |
4.効果を最大化させるリスティング広告の運用方法
リスティング広告は予算の設定や取り扱う商材によって適切に運用することが大切です。ここではリスティング広告の具体的な運用方法を解説します。
(1).予算設定方法
リスティング広告の効果を最大限引き出すには、「予算を低く見積もりすぎず、高く見積もりすぎず」の適切な費用設定が重要です。
最適な予算設定方法は、ターゲットや広告目標、競合他社が広告にかける割合などに応じて異なります。
まず最初のステップとして、リスティング広告を運用することで得たい成果を決めます。商品の売上個数やサービスへの申し込み、問い合わせ件数などを目標にするとよいでしょう。
例えば、1個売れれば2,000円の利益になる商品を100個販売することが目標の場合、広告の予算は2,000✕100=200,000円が上限です。この費用を超えると広告から売上があっても赤字になってしまいます。
また、広告を出すキーワードによっても予算は異なります。リスティング広告には「クリック単価」と呼ばれる「広告1クリックあたりにかかる平均費用」があり、クリック単価が低い広告で顧客を獲得できるほど、その費用対効果は高くなります。
クリック単価はそのキーワードを狙っている他社がどの程度広告費用をかけているかに応じて変動するため、キーワードに入札している競合数が多いほどクリック単価は上がります。競合他社の入札状況や、扱う商材によって予算を決めましょう。
(2).効果が出やすい商材
リスティング広告には相性のいい商材があります。リスティング広告を運用しても費用対効果が合わない商材もあるので、自社の商材の特徴と照らし合わせて確認してください。
リスティング広告で効果が出やすい商材の特徴は以下の3つ。
・緊急性が高い悩みを解決する商材
・粗利率・利益率の高い商材
・リピート購入が見込める商材
それぞれの特徴について以下で解説をします。
緊急性が高い悩みを解決する商材
ユーザーがなるべく早く解決したい問題を解決する商材の訴求は、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。
例えば、「水漏れ ◯◯(地域名)」のキーワードで検索するユーザーは、水漏れをできるだけ早く直したいと思っているため、すぐにその商材を入手するためのアクションをします。そのため、コンバージョンに繋がりやすく、広告効果が高くなる傾向にあります。
他にも、ハウストラブルやロードサービス、特殊清掃、病院などはリスティング広告と相性が良い商材と言えるでしょう。
粗利率・利益率の高い商材
リスティング広告は、広告費が高くなっても利益が見込める、商品単価の高い商材との相性が良いとされています。なぜなら、リスティング広告の仕組みは、クリックされると広告費用が発生するため、1回のクリックからの制約が見込めた際、粗利率や利益率の高い商材のほうが効果が大きいからです。
例えば、商品単価が3,000円で、クリックされても購入まで至らず、1個売るために発生する費用(コンバージョン単価)が10,000円かかっていては赤字になってしまいます。
一方で、商品単価が100万円でも、コンバージョン単価が10万円なら十分な利益が見込めるため、粗利率が高く、利益率が高い商品の方が適していると言えるでしょう。
リピート購入が見込める商材
2回目以降の購入は、顧客獲得のための広告費用が不要なため、リピート購入が見込める商材と相性が良いです。宅食やウォーターサーバーなど定期契約のサービスや、化粧品やボディーソープ、シャンプーなどの日用品の定期購入商品などが該当します。
5.リスティング広告の効果を出すのに必要な期間
リスティング広告は、出稿してから広告の効果を感じるまでに、一般的に3カ月〜半年ほどかかると言われています。最も効果のあるキーワードの入札戦略を立てるために、データを蓄積・分析する期間がかかるためです。
広告の効果は時間と共に変化するため、目安として1カ月間実施してみるとよいでしょう。月初や月末、曜日、時間帯によっても商品の売れ行きの変化があるため、1カ月間実施することで傾向をとらえることができます。
また、リスティング広告の効果を高めるためのGoogle Search Engineの機会学習は、AIがユーザーの性別や年齢といった属性や実際に検索されたキーワードなどのデータを学習し、最適な入札戦略を自動的に適応してくれます。機械学習は1カ月あれば十分なケースが多いです。Googleのヘルプによると最長2〜3週間必要とのこと。
(参照:https://support.google.com/google-ads/answer/13020501?hl=ja)
6.リスティング広告の効果を上げる3つのポイント
リスティング広告の効果を最大化させる運用方法や継続期間を確認したところで、リスティング広告運用のポイントを3つにまとめました。
・コンバージョンに繋がりやすいキーワード選定
・対象ユーザーの明確化
・ランディングページの最適化
(1).コンバージョンに繋がりやすいキーワード選定
リスティング広告は、ユーザーの検索結果画面に表示される広告です。そのため、ユーザーが検索するキーワードによっては、検索やクリックされても、実際の商品購入には至らないケースがあります。
その場合は、売り上げに繋がらないクリックなのに広告費用が発生してしまうことになります。売上に繋がらない広告表示では意味がないので、いかに商品購入に繋がるキーワードでユーザーが検索した時のキーワードを想定して入札するかが重要となります。
また、リスティング広告では、検索語句で「不要なワードに対して広告を表示させない」という、特定のキーワードを除外して登録することが可能です。売上に繋がらない意図せぬクリックが発生している場合などに上手く活用しましょう。
さらに、検索されるキーワードと広告文の関連性を高める工夫も、広告効果の改善に有効です。リスティング広告では、見出しと説明文を組み合わせた広告が検索結果画面に表示されます。ユーザーがそのキーワードを検索する背景を分析して、よりキーワードに合う広告文に更新していくとよいでしょう。
(2).対象ユーザーの明確化
リスティング広告では、ターゲット設定が可能なため、対象となるユーザー像を明確に決めておきましょう。
対象ユーザーを明確化しないまま広告を運用すると、コンバージョンが見込めないユーザーにも広く広告を配信してしまい、費用が高騰するおそれがあります。
(3).ランディングページの最適化
リスティング広告が表示され、クリックされても、クリックされた先で購入や申し込みまで繋がらないと意味がありません。クリック率が高くても思ったよりコンバージョン数が低い場合は、ランディングページを改善してみましょう。
コンバージョンまで繋げるためには、検索結果をクリックした遷移先であるランディングページの内容を、ユーザーにとってわかりやすく魅力的にしておくことが重要です。
検索語句と内容がマッチしているか、ユーザーに適切なアピールができるページであるか、コンバージョンに至るまでのページやボタンはわかりやすく配置されているかなどが最適化のポイントです。
広告代理店に運用を依頼する
リスティング広告は他の媒体に比べて費用を抑えて始められますが、前述したように運用にはいくつかポイントがあります。結果を分析して改善を繰り返すことで効果が高まるため、戦略の立案や日々の運用が重要となってきます。
そこで、広告代理店に相談するのも方法の1つ。
日辰広告では、広告手数料無料で3社まで手厚いサポートを提供しています。スタートアップのニーズに合わせた柔軟なサービスや効果的な広告展開の支援を行い、成果を最大化するためのサポート体制を整えています。今回の記事内容を実際に具現化したものを提案し、守りのマーケティング施策のリスティング広告完全一致で結果を出すよう尽力します。
7.まとめ
リスティング広告は、見込み客に絞り込んで広告を届ける事が可能なことや、リアルタイムで効果を確認しながら運用方針を変えていけることから、スタートアップが成長するために最適な広告と言えるでしょう。
ターゲット選定や予算設定、期間設定を適切に行い、実際に運用を行いながらPDCAを回していきましょう。
リスティング広告を活用して、自社ビジネス拡大のための1歩に取り組みましょう。
参照:
https://vs-group.jp/tax/startup/media/establishment/1538.html