GoogleとYahoo広告のCTR・CPCの違いを解説
リスティング広告は主にGoogleとYahooの2種類があります。YahooはGoogleの検索エンジン技術を使用しているため、両社の検索機能に大きな違いはなく、検索結果も類似しています。
それなら、GoogleとYahooのどちらでリスティング広告を実施しても結果が変わらないんじゃない?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にGoogleとYahooリスティング広告を実施してみると、クリック単価やクリック率には大きく異なる傾向があります。
今回は、GoogleとYahooのクリック率(CTR)、クリック単価(CPC)の違いについて解説していきます。
同じキーワード、広告文にも関わらず、GoogleとYahooでクリック率、クリック単価に違いが大きく出ることがあります。
GoogleとYahooでデータの学習データの精度に違いがある
GoogleとYahooでの数値に大きな違いが出てくる原因は、学習データの精度の違いにあります。
例えば、「スマホ」を部分一致キーワードとして、配信した場合、Yahooだと、「iPhone 最新版」や「スマホ 格安」などGoogleに比べてより広い範囲の関連キーワードに広告が配信されてしまいます。そのため、Yahooだと意図していなかったキーワードでも広告配信されてしまう可能性があり、クリック率は低くなってしまうのです。
ただ、Yahooは多くの関連キーワードで広告は配信できるため、表示回数は多くなり、クリック単価が低くなります。
注意すべきこと
Yahooの方が広い関連キーワードで配信されるため、意図しないキーワードからの流入があり、Yahooの方がクリック率が低くなる傾向があることをご説明しました。
だったら、Googleでリスティング広告をすればいいと結論づけてしまいたくなりますが、そうとも限りません。
なぜなら、Yahooのクリック率が低くても、Googleよりもクリック数が多くなるケースもあるからです。
ある事例では、クリック率はGoogleの方が高いけど、クリック数自体はYahooの方が2.5倍以上獲得できていることもあります。これはYahooの方がクリック単価が低く、多くの人に広告が表示されているためです。
Googleの方がクリック率が高くても、トータルで見ると、GoogleよりもYahooの方が成績がいいと判断できる場合があるので、誤った判断をしないためにも、前提知識として「GoogleとYahooではクリック率とクリック単価には違いがある」ことを忘れないようにしましょう。
Google・Yahooリスティング広告の運用事例
実際に広告運用した3つの事例について、CPC(クリック単価)とCTR(クリック率)の結果を紹介します。
・某輸送サービス企業
・某エネルギー供給会社
・某都市ガス事業社
Googleとyahooの各データを比較しているので、リスティング広告を検討されている方は参考にしてください。
某輸送サービス企業
某輸送サービスの企業様からリスティング広告運用の依頼を頂きました。
目的は野菜・電子機器などの輸送受託の問い合わせ獲得です。
ターゲットの範囲が狭いため、ニーズを持つ人のみに広告を表示できるリスティング広告を選択。
運用結果は以下のようになりました。
予算 | CPC(クリック単価) | CTR(クリック率) | |
¥1,367,941 | ¥75 | 1.53% | |
yahoo | ¥1,194,600 | ¥47 | 2.29% |
平均的なリスティング広告のクリック率はGoogleが5%、Yahoo1%です。しかし本案件では、YahooがGoogleのクリック率を上回りました。
この理由として、輸送受託を検討しているユーザーが農家や社内で権限のある人など、ある程度年齢層が高いことが考えられます。
Googleは20代・30代のユーザーが特に多いですが、Yahooユーザーの年齢層は20代の34.14%に対し、50代が38.20%を占めています。
このことからもYahoo広告はターゲットの年齢層が比較的高い場合に適した媒体だと言えるでしょう。
某ガス会社
LPガスなどのエネルギーを供給している某ガス会社様からリスティング広告の依頼をいただきました。
環境保全に効果的なガスのプロモーションで、ターゲットはSDGsに関する取り組みを考えている企業です。企業からのガスに関する問い合わせを獲得するために、Google・Yahooでリスティング広告運用を開始。
運用結果は以下のようになりました。
予算 | CPC | CTR | |
---|---|---|---|
¥2,032,689 | ¥105 | 9.72% | |
yahoo | ¥2,808,648 | ¥52 | 4.27% |
Googleのクリック率がYahooの2倍以上になりました。
GoogleはYahooよりも詳細なターゲット設定が可能で「オーディエンスターゲティング」によって広告対象となる人を絞り込みます。
▼オーディエンスターゲティングの種類
ユーザー属性 | 年齢・性別・世帯収入でユーザーを絞る |
データセグメント | 自社サイトにアクセスしたことのあるユーザーに広告を表示 |
購買意欲 | 特定商品の購入に関心を示した人をターゲットにする |
アフィニティセグメント | 自社の商品に興味関心を持つグループに対して広告を表示 |
今回はターゲットが明確であるため、年齢・興味関心でのセグメントを実施。
その結果クリック単価は高くなりましたが、適切なターゲットへアプローチできました。
某輸送サービス企業
DXに力を入れている某都市ガス事業社様から広告の依頼を頂きました。
紙で記入していた指示書などを電子化できる電子帳票サービスのプロモーションで、小売・製造・建設業などのあまりDXに明るくない年齢層の高い人がターゲットです。
電子帳票サービスへの問い合わせを目的として、Google・Yahooでリスティング広告運用を開始しました。
運用結果は以下の通りです。
予算 | CPC | CTR | |
---|---|---|---|
¥3,482,426 | ¥341 | 1.68% | |
yahoo | ¥1,156,721 | ¥239 | 2.50% |
YahooはGoogleに比べて幅広い関連キーワードで広告を配信できます。意図しないキーワードで広告配信されクリック率が低くなるケースもありますが、今回はDXについてあまり詳しくない人へ向けて広告を表示できました。
その結果、Yahooのクリック率の方が高くなったと考えられます。
まとめ
GoogleとYahooでクリック率、クリック単価に違いがあることを説明しました。実際にGoogleとYahooで配信してみないと判断できない部分もありますが、前提知識として、GoogleとYahooで数値に違いがあることを知っておくことで、予算比重の変更や、キーワードの選定をする際、適切な判断ができるでしょう。
平均的なクリック率はGoogleの方が高いですが、キーワードやターゲットによってはYahooの方が高くなる可能性も十分あります。
リスティング広告を検討しているけど、GoogleかYahooどちらにしようか迷っている方は、
ご相談していただけますと、弊社の事例を踏まえて、媒体選定、キーワードなどご提案させていただきます。
ご精読ありがとうございました。