Instagram広告の配信費用は?課金形態の種類と選び方のポイントを解説
各種SNSの発展が著しい昨今、Web広告の分野においてもSNS広告は非常に重要性の高いチャネルとなりました。
中でも若年層を中心に国内MAU(月間アクティブユーザー数)3300万人を超える人気度の高いプラットフォームが「Instagram」です。
今回はInstagram広告について、配信・運用にかかる費用や課金形態の種類といったコスト面を主題に解説していきます。
1.Instagram広告の課金形態の種類
Instagram広告の課金形態は、配信面ではなく「広告を配信する目的」によって区分されます。
その内訳はCPC(クリック単価)、CPM(インプレッション単価)、CPI(アプリインストール単価)、CPV(動画再生時間単価)の4形態です。
CPCは「Cost Per Click」の略称で、広告のクリック数に応じて料金が発生する形態です。
商品購入や資料請求、会員登録といった「コンバージョン獲得」を目的とする広告を配信する際に選択されるもので、リスティング広告などの広告運用時に利用した経験がある方も多いでしょう。
CPMは「Cost Per Mile」の略語で、広告が1000回表示されるごとに料金が発生する課金形態です。
CPCと異なり広告の表示回数のみで予算を組むため、ブランディングや認知度向上を目的として利用されることが多い方式になります。
CPIは「Cost Per Install」を略したもので、アプリのインストール数に応じて費用が発生する広告のことを指します。
ユーザーの多くがスマートフォンを利用してアクセスする性質上、Instagram広告との相性が良いとされ、ゲームアプリや漫画アプリなどのユーザー数拡大などを狙った広告運用時に採用される方式です。
CPVは「Cost Per View」の略称で、動画広告の再生時間に応じてコストが発生する課金形態です。
Instagram広告やFacebook広告上では「ThruPlay」という配信最適化プランのもと運用されており、出稿した動画が15秒以下の場合は「動画が最後まで再生された場合」にコストが発生し、それ以上の場合は「再生時間が15秒以上」に到達した際に課金されます。
なお、Instagram上で動画広告を運用する場合、CPM方式かCPV方式のいずれかを選択できます。
どちらが最適かは目的や出稿内容などによって異なりますが、「より多くの認知を獲得したい」場合には前者を、「関心度の高いユーザーへ確実に訴求したい」場合には後者を採用することが良いとされています。
(1)Instagramで配信できる広告の種類
Instagram広告と一口に言っても、その種類はさまざまです。
配信面は主に「フィード」「ストーリーズ」「発見タブ」の3種に分かれており、広告出稿の目的やターゲット層の違いなどに応じて配信面を選択します。
また、広告の配信形態は「画像」と「動画」の2種類に大別され、複数のサービスや製品を紹介できる「カルーセル広告」やカタログ形式で多数の製品を掲載できる「コレクション広告」といった配信方法も存在します。
Instagram広告においては、配信目的やビジネスの内容に応じてこれらを組み合わせ運用することが求められます。
2.Instagram広告の予算感・費用相場
続いて、各プランの費用相場について解説します。
Instagram広告の最低出稿金額は「1ドル/日」とされており、企業だけでなく小規模事業者や個人でもスモールスタートが図れるようになっています。
広告費は入札型(オークション形式)で決定されるため、ビジネスの内容や広告を配信する目的・目標などによって予算感は大きく異なります。
予算が少なければその分広告が表示される機会も減少するため、月数万円程度の予算を確保した上で運用を試みるとよいでしょう。
加えて、Instagramは画像や動画をメインとするSNSであることから、多くの場合CPM方式での課金が採用されます。
リーチ数の単価は0.5円~1.5円/人が相場であるとされており、表示回数1000回ごとに500~1500円前後の費用が発生します。
CPCの場合は1クリックごとに30~150円程度のコストが発生し、CPIの場合は1インストールごとに100~200円程度の費用がかかります。
CPV(Thurplay)で動画広告を運用する際には、1再生ごとに約4~10円程度のコストが発生します。
なお、上記の金額はあくまでも大まかな目安となります。
ターゲットやビジネスの内容などによって変動する可能性があることを加味し、参考金額として考えましょう。
3.Instagram広告出稿時に選定すべき課金プランとキャンペーンを目的別に解説
Instagram広告では設定したキャンペーンの購入タイプ・目的の選び方によって、利用可能な課金形態と最適化対象が変化します。
そのため、広告運用の目的に応じた設定を行うことが必要です。
そこで、以下に主な広告の目的を例としつつ、ベストプラクティスとされる設定をそれぞれ紹介します。
(1)エンゲージメント獲得:CPM
CPMはInstagram広告の出稿プランにおいて主流とされる課金形態で、特にブランディングやエンゲージメント獲得、認知度向上といった目的で採用されます。
そういった目的に沿った広告運用を行う際には、キャンペーンの目的を「ブランドの認知度アップ」または「リーチ」に設定します。
自社サイトにユーザーを流入させたい場合には「トラフィック」を、自社アカウントのフォロワー数増などを狙う場合には「エンゲージメント」を選択しましょう。
(2)コンバージョン獲得・商品販売:CPMまたはCPC
商品の販売や会員登録などのコンバージョン獲得を目標とする場合にはCPMもしくはCPCでの広告運用を行います。
この際、キャンペーンは「リード獲得」もしくは「コンバージョン」を選択すると良いでしょう。
(3)アプリインストール数向上:CPI
自社アプリのインストール数増大を狙うのであれば、CPIを目標とした広告出稿を行うと良いでしょう。
目的キャンペーンを「アプリのインストール」に設定し、ターゲット層などを定めた上で配信することで、広告の遷移先をアプリストアにすることができます。
(4)アカウント運用促進・動画再生数獲得:CPV
自社アカウントの運用を促進したり、投稿した動画の再生数獲得を目指したりする際にはCPVを指標とするのがおすすめです。
キャンペーンの目的は「動画の再生数アップ」が最適ですが、内容によっては「エンゲージメント」が効果を発揮することもあります。
4.Instagram広告の運用をスタートする際の注意点・ポイント
インスタ広告の運用時には「キャンペーンタイプの選び方」に注意が必要です。
動画の再生数獲得を目指して広告を出稿したのに「トラフィック」などのクリック数獲得を目指したキャンペーンを選択してしまうと、思うような成果が得られなかったり無用な広告費が発生したりするおそれがあります。
さらに、コンバージョン獲得を目指す際には、必ずしも「コンバージョン」を選択する必要がないことも考慮しておきましょう。
予算不足やCV数の減少などによって最適化が機能しなくなる可能性があるためです。
週50CV未満の場合には「トラフィック」などのCPCタイプのキャンペーンを選択しましょう。
なお、iOS14のアップデート以降はコンバージョン最適化によるキャンペーンの設定時に「コンバージョンAPI」の設定もしくは「ビジネスマネージャのドメイン認証」を行うことが必須となりました。
前者がGoogle広告等におけるCVタグ、後者がドメインの所有権を認証するものです。広告出稿時にはこれらの設定も前もって完了しておきましょう。
5.まとめ
今回はInstagram広告について、主にコストの面から仕組みや課金形態、キャンペーンやプランの種別などについて解説しました。
数多くのユーザーを抱えるInstagramへの広告出稿は、設定や運用方法を正しく行えば大きな成果をもたらす可能性があります。
Google広告なども依然として一定以上の成果を出せる手段ではあるものの、今後ますますプラットフォームとしての発展に期待できるSNS広告の活用を、ぜひ積極的に進めてください。
【参考文献】
CPI(Cost Per Install)とは?CPC、ROASとの違いと改善方法を徹底解説
https://repro.io/contents/cpi/
CPV(Cost Per View)とは
https://www.macromill.com/landing/words/c024.html
インスタ広告の費用の目安と決まり方を紹介!費用対効果を上げる5つのコツとは
https://www.kwm.co.jp/blog/cost-of-instagram/
Instagram広告(インスタ広告)の費用はいくら?実際の運用事例や配信面による違いも解説!
https://quartet-communications.com/info/sns-ads/75209
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https://012cloud.jp/hajimetenodx/article/insta_advertising-costs
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https://webtan.impress.co.jp/u/2021/03/25/39569
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https://www.shopify.jp/blog/instagram-ads#3