動画広告をより効果的に!「Facebookカルーセル広告」のポイント
スマホやタブレットでの動画再生は、途中で止まることなくスムーズに視聴できるようになり、SNSにおいても多くの情報を発信できる動画の広告配信が増加しています。
今回は、訴求力の高い動画広告の見せ方としてFacebookカルーセル広告に注目し、カルーセル広告の基礎知識やFacebookカルーセル広告の特徴、Instagramのカルーセル広告で動画をどのように使うと効果的かを解説していきます。
1.カルーセル広告とは
「カルーセル広告」とは、いくつかの画像・動画などを1つのWEB広告として設定できる、訴求力の高い配信メニューのことです。
画面をスワイプすると、次々と別のカード(画像・動画)が表れます。
回転するようにスルスルとカードが表れるため、回転するメリーゴーランドを意味する「カルーセル」という単語が使われています。
カルーセル広告は Facebookに限らず、Twitter、LINE、Googleといった色々な媒体の広告欄で取り入れられています。
本記事では、Facebookのカルーセル広告についてご紹介していきます。
2.Facebookカルーセル広告とは
Facebookのカルーセル広告は、Facebook・Instagram・Audience Network・Messengerの4つのプラットフォームで配信可能です。
では、まずFacebookのカルーセル広告がどのような特徴を持つ配信メニューなのか具体的に見ていきましょう。
(1)複数の画像・動画を組み合わせて配信できる
Facebookのカルーセル広告は、複数の画像や動画を組み合わせて1つの広告として設定できます。
画像と動画を合わせて2枚から最大10枚まで配信が可能です。
カルーセル広告では、たった一枚の静止画の広告よりも訴求できる情報が格段に多くなるのが特徴です。
商品・サービスのメリットや機能性などさまざまな角度から魅力をアピールできるため、顧客の興味を引きやすくなるでしょう。
①配信面
プラットフォームごとに配信面は異なります。
プラットフォーム | 配信面 |
フィード/右側広告枠/インスタント記事/Marketplace/ストーリーズ | |
フィード/ストーリーズ | |
Audience Network | ネイティブ/バナー/インタースティシャル |
Messenger | 受信箱 |
②画像・動画の規定
使用できる画像・動画はこちらです。
Instagramは一部仕様が異なる場合があるので注意が必要です。
Facebook Audience Network Messenger | ||
カルーセルカードの最小数 | 2 | 2 |
カルーセルカードの最大数 | 10 | 3 (ストーリーズ)10 (フィード) |
アスペクト比 | 1:1 (推奨) | 1:1(フィード)9:16(ストーリーズ) |
アスペクト比の比率許容誤差 | 3% (Facebookのみ) | 1% |
解像度 | 1080 x 1080ピクセル(推奨) | 1080 x 1080ピクセル(フィード)1080 x 1920ピクセル(ストーリーズ) |
画像のファイル形式 | .jpg、.png | jpg、.png |
画像の最大ファイルサイズ | 30MB | 30MB |
動画の長さ | 240分以内(15秒を推奨) | 60秒以内(フィード)15秒以内(ストーリーズ) |
動画のファイル形式 | GIF、MOV、MP4(推奨) | GIF、MOV、MP4(推奨) |
動画の最大ファイルサイズ | 4GB | 4GB |
(2)16種類のCTA(Call-To-Action)ボタンを設定できる
カルーセル広告では、カードの一つひとつにCTAを設定できます。
CTAとは「Call to Action」の略で、「申し込み」や「予約する」といった文言でユーザーを狙った行動に誘導するボタンのことです。
ユーザーがCTAをクリックすると、任意のランディングページに遷移します。
カードの一つひとつにCTAボタンは置けますが、それぞれ別のCTAが置けるわけではありません。
全て同じCTAに限定されるので、どの文言に集約するかを検討しましょう。
設置できるCTAは下記の通りです。(実際は業種によって利用可能なCTAが異なります)
1.詳しくはこちら
2.購入する
3.ダウンロード
4.カメラで試す
5.予約リクエスト
6.見積もり
7.お問い合わせ
8.上映時間を表示
9.フォローする
10.他の動画を見る
11.登録する
12.聴く
13.WhatsAppメッセージを送信
14.予約する
15.応募する
16.メニューを見る
(3)画像・動画ごとに別リンクを設定し、ウェブサイトに誘導できる
使用するカードごとに直接リンクURLの挿入も可能です。上記のCTAとは違って、カードごとに別のURLリンクを貼ることができます。
例えば、A商品の画像にA商品のページのリンク、B商品の使用動画にB商品のページのリンク…といったように、最適なリンクをカードの枚数だけ貼ることができます。
ユーザーが興味を持ったカードの関連ページにダイレクトに流入させ、結果としてクリックスルー率(CTR/広告がクリックされた比率)の向上を図ることができるのです。
3.【実例】カルーセル広告の「動画」の使い方
Facebookのカルーセル広告は実際にどのような使い方が有効なのでしょうか。
多くの情報を伝えられる動画広告素材の強みを使ったカルーセル広告の使い方を解説します。
(1)カタログのように複数の商品を紹介する
1つの広告で複数の画像・動画を掲載できるFacebookのカルーセル広告の基本機能を使えば、カタログのように複数の商品を紹介できるでしょう。
ファッションやインテリアのECサイトなど、商品ラインナップ全体でブランドのテイストや世界観を訴求したい場合に向いています。
動画はユーザーの着用シーンなどをリアルに表現できる方法です。
静止画ではなく短い動画を用いた商品紹介を行えば、さらにユーザーの興味を喚起させます。
(2)複数の機能や主なメリットを端的に見せる
商材の特徴的な機能、他社との差別化、ユーザーメリットなどのPRポイントを、カードをめくるように次々とアピールします。
さらなるメリットへの期待感をあおって自社サイトへ誘導することが可能です。
結婚相手紹介サービスのツヴァイでは、新規会員拡大を目指した資料請求のために、動画を用いたカルーセル広告を実施しました。
ストーリーズの1枚目に一般ユーザーの投稿のような成功体験を訴求し、2枚目に資料のポイントをまとめ、3枚目に資料請求の方法を掲載しています。
さらに、CTAボタンで資料請求を促します。3枚ともスライドショーのような動画を用いて情報量を高めています。
ユーザーメリットと資料請求機能の訴求を両立させた事例です。
(3)サービスの流れや商品の使い方をプロセスで見せる
複数のカードをめくるように、プロセスを訴求する方法です。
文章では理解しにくい新サービスの仕組みや、使い方がイメージしにくい先進的な商品の説明を行い、直感的にユーザーが価値を感じられるように演出します。動画を組み合わせれば、さらに詳しい使用シーンを描くことも可能です。
(4)連続性のあるカードでストーリーを伝える
カードの画像や動画に連続性を持たせて、ブランドのストーリーを伝える広告手法にも向いています。
世界的エンターテインメント企業のDisneyは、カルーセル広告に動画を採用し、最新映画の世界観を訴求しました。
映画の冒頭シーンを予告編のように編集し、1枚の静止画では表現しきれない圧倒的な美しさによってユーザー心理を刺激、「すぐに予約する」のCTAボタンのクリックを促しました。
加えて、ファッションブランド「Mansur Gavriel」では、カルーセル広告にてブランドの世界観を表現しました。
ストーリーの3枚のカードに動画を用いて、コレクションのインビテーションカード、コレクションのシーン、具体的な商品を訴求し、ECサイトに誘導しています。
前年の秋冬ショーと比較してウェブサイトへの誘導数が16.5倍に増加したそうです。
4.カルーセル広告設定のコツ
最後に、広告配信の効果を高めるために、カルーセル広告の機能設定やデザインテクニックによってストーリー性を生み出すコツをご紹介します。
(1)カードごとに最適な広告文をカスタマイズして設定
広告文や見出しをカスタマイズして無音でも楽しめるカードを作成し、ユーザーがどのような場面でも視聴できるようにします。
SNSユーザーは、日常の隙間時間で投稿をチェックしており、ミュート(消音)で視聴していることが多いため、動画の音声に頼る広告クリエイティブは向きません。
カルーセル広告全体の見出しは共通ですが、広告文は個別に各カードの内容を補うようなワードを設定するようにしましょう。
さらに、画像・動画そのものに直接キャッチコピーをレイアウトし、よりメッセージ性を高めるといいでしょう。
(2)一番パフォーマンスが高いカードを自動的に最初に表示する機能
リアルなユーザーの反応を次の広告配信に活かして、より成果アップを目指すことができます。
カードひとつ一つに置かれたCTAボタンのうち、最もクリック率の高いカードをFacebookシステムが自動に識別し、常にカルーセル広告の最初に表れるように設定できる機能です。
Instagramユーザーは日々大量の投稿に触れているので、広告は一瞬でインパクトを与えることが重要です。
実力のある画像や動画を1番目に表示して、「もっと見たい」というユーザー心理を刺激します。
(3)ブランドのプロフィールのカードを最後に追加する機能
複数枚のカードを次々とめくるカルーセル広告の最後に、ブランドのプロフィールを書いた固定カードを追加で自動配置できるオプション機能があります。
固定カードにはプロフィール写真が使用され、掲載するURLリンクはカスタマイズが可能です。
スワイプしてダイナミックなビジュアルを見た後に固定画面となり、そこに掲載している自社サイトに自然と誘導することができます。
(4)最寄りの店舗を表示した地図カードを表示(店舗広告の場合)
オプション機能を使って、店内や商品の魅力を伝える複数枚のカードの後に最寄りの店舗の地図のカードを表示すれば、実店舗にも誘導できます。
SNS広告はURLリンクを貼ることができるデジタル媒体と親和性の高い広告手法です。
さらにInstagramなどのSNSは、拠点を問わず全国の投稿をチェックすることも可能なので、実店舗の誘導には向いていないと感じるかもしれません。
しかし、Facebookカルーセル広告には最寄りの所在地や営業時間、道順を自動的に掲載する機能があります。
店舗やオフィスなどの接点にも誘導できるので、オフラインでも強力な告知ツールにもなりえるのです。
5.まとめ
カルーセル広告は、複数の画像や動画のクリエイティブを配置できる効率的な広告手法です。
最大10枚まで1つの広告として配信できますが、そのうちのカード1枚でも動画広告にできれば、さらに多くの情報を伝えることができるでしょう。
特に日頃からこまめに投稿をチェックし、動画視聴にも抵抗が少ないInstagramのユーザー心理に響きます。
ぜひ広告クリエイティブの効果アップのヒントにしてみてください。
【参考文献】
Facebookカルーセル広告とは?特徴と効果的な使い方、設定方法までを解説
https://www.kwm.co.jp/blog/facebook-carousel-ads/
Facebook広告ガイド Meta広告マネージャの目的のアップデート
https://www.facebook.com/business/ads-guide/carousel/instagram-story
Instagram広告の可能性を探る
https://business.instagram.com/a/carouselads
Metaビジネスヘルプセンター カルーセル広告のデザイン仕様
https://ja-jp.facebook.com/business/help/1114358518575630?id=563305920700338&recommended_by=773889936018967
Facebook広告ガイド Meta広告マネージャの目的のアップデート
https://www.facebook.com/business/ads-guide/carousel
Meta
https://www.facebook.com/business/news/JA-carousel-examples
Metaビジネスヘルプセンター カルーセル広告について
https://www.facebook.com/business/help/773889936018967?id=563305920700338
Instagramの最新情報
https://business.instagram.com/blog/adding-video-to-carousel-ads/
【Instagram】カルーセル広告の作成方法を徹底解説
https://video-b.com/blog/instagram/instagram-carousel-ad/
Metaビジネスヘルプセンター カルーセル広告のデザイン仕様
https://ja-jp.facebook.com/business/help/1114358518575630?id=563305920700338&recommended_by=773889936018967
Metaビジネスヘルプセンター
固定画像を使用したカードをダイナミック広告に追加する
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Metaビジネスヘルプセンター カルーセル広告で一番パフォーマンスが高いカードを最初に表示する
https://ja-jp.facebook.com/business/help/120435098301466?id=563305920700338
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https://localfolio.leadplus.co.jp/blog/facebook-carousel-ads