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松山

Facebook広告

Apple iOS14によるFacebook広告への3つの影響

iOS14で何が変わったか?

このアップデートでは様々な変更が行われましたが、広告配信に大きく影響する部分では「プライバシーの強化」がアップデートされました。
アプリが収集したデータを別のアプリと共有する(トラッキング)場合は事前にユーザーの許可が必要になります。
日本国内のユーザー約4割がトラッキングをオフにしているといわれています。

トラッキングがユーザーの許可制になったことで、どんな影響を受けるのでしょうか?他社ブログなどで詳細の技術的な説明はされていますので、本記事では誰でも理解できるよう概要だけまとめてご紹介します。

1. Facebookへの3つの影響

IOS14へのアップデートによりFacebook広告は大きく分けて3つの影響を受けています。

(1)コンバージョン計測

トラッキングがユーザーの許可制になったことによって、ユーザーが許可した場合を除き、一定のデータの収集と共有が禁じられます。
つまりiOS14デバイスでトラッキングを許可しないユーザーが増えると、コンバージョンが正確に測れなくなっていきます。

また、iOS 14.5以降での継続的な変更のため、コンバージョンデータには最大72時間の遅れが生じる可能性があります。
そのため、レポートにコンバージョンが反映されるのは、実際にコンバージョンが発生した72時間後になりえます。

(2)リターゲティングの蓄積

iOS14でトラッキングを許可しない利用者が増えると、リターゲティングオーディエンスのサイズが小さくなる可能性があります。
現在のCoockieに依存している、リターゲティングの蓄積方法だと近い将来に限界がくると予測されています。

(3)レポートの制限

ユーザーがトラッキングを制限している場合、プラットフォームごとの詳細を見ようとすると、インプレッションやクリック数、消化金額なども「その他」に分類され、詳細な結果は見ることができません。

さらに、コンバージョンを獲得したユーザーの年齢・性別・地域などの詳細データは取得ができません。

2. iOS14対策

対策といっても、基本的に媒体側に用意された機能を利用する選択肢しかありません。プラットフォームを利用して広告を配信する以上、プラットフォーマーの推奨に従って設定を進めましょう。

(1)合算イベント測定

これまで収集できていたデータが、ユーザーから収集できなくなってきているなかで、Facebook独自の対策として「合算イベント測定」というものがリリースされています。

合算イベント測定の設定により、トラッキングを許可しないユーザーの計測には「推定指標」(統計的サンプリングやモデリング)が使用され、コンバージョン測定が可能になります。
ですが、過去のトラッキング機能とは異なるこの計測システムではどうしても完全な計測は難しくなってきているのが現状です。

(2)コンバージョンAPI

Facebook社はCoockieに依存しない計測方法「コンバージョンAPI」という仕組みを提供しています。
簡単に説明をすると、自社のマーケティングデータをサーバー、ウェブサイトプラットフォーム、CRMからFacebookに直接連携し最適化させていきます。

現在この機能を実装するためには、Facebookと統合するプラットフォームが必要となります。
統合できるプラットフォームはいくつかありますが、Googleタグマネージャーを利用すると、特別な開発が不要なためエンジニアが不在の場合でも実装も可能です。

コンバージョンAPIの設定に関して、各代理店からの情報提供も増えていますが、ようやくFacebook公式から情報が出ました。二次情報では誤った内容も含まれるため、公式情報をもとに設定するのがおすすめです。

出典:コンバージョンAPIによってプライバシー保護の時代においてパフォーマンスを高めましょう // パートナー統合 (PARTNER)
https://fbdrivingperformancejp1.splashthat.com/

3. まとめ

今回のアップデートに関わらず、トラッキングは段階的に困難になっていくと予測されます。

上記の対策を行うことでデータの蓄積も可能となるため、はじめの一歩を早めに踏み出すことをおすすめします。