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松山

Webアクセス分析

アトリビューションとは?Web広告における重要性や分析方法を解説

「アトリビューションってなんなんだろう」
「具体的にどうやってアトリビューションするのかわからない」
以上のような悩みを抱えていませんか?

アトリビューションとは、マーケティングにおいてどの部分が売上に貢献しているのかを見つけ出す手法のことで、広告費削減や売上増加に効果があります。

この記事では、アトリビューションの詳細や具体的なやり方まで詳しく解説します。
アトリビューションを分析して、自社ビジネスの利益を大きくしていきましょう。

1. アトリビューションとは?

アトリビューションとは、マーケティングにおける顧客接点ごとに貢献度を割り当てることで、実際に売上を左右した接点を見つけ出す方法のことです。

これまでの分析では、コンバージョンにつながる最終クリックのみを測定していました。
しかし、多種多様なソーシャルメディアコンテンツ、広告コンテンツなどが登場したことで、コンバージョンまでの流れが複雑化し、アトリビューションが必要になったのです。

たとえば、自社のスクールコンテンツが広告経由で売れたとしても、顧客はその前に「スクール比較サイト」や「他社ホームページ」「自社ホームページ」などを閲覧していた可能性があるため、広告だけが売上に貢献したとは考えにくいでしょう。
そこで、アトリビューション分析をして「どの接点が売上を左右したのか」を明確化することで、どこにリソースを割くべきかわかるのです。

2. Web広告におけるアトリビューションの重要性

特に、Web広告においてはアトリビューションが大事になります。
なぜなら、アトリビューションをしなければ、どこにお金や時間を割けばいいのかわからず、非効率的な活動をすることになるからです。

「Web広告」でコンバージョンしたものの、実は最初の接点となった「Webサイト」が売上に大きく貢献していた場合、広告費を増大させるより、Webサイトのコンテンツを充実させたほうが売上は大きく伸びるでしょう。

アトリビューションせずに「最終クリック地点であるWeb広告にリソースを割くべきだ」と考えてしまったのなら、多大な広告費や時間を無駄にすることになります。
アトリビューションは、広告削減、売上増加、利益増大などに直接関係するものなのです。

3. 代表的なアトリビューションモデル

アトリビューションには、いくつかのモデルがあります。ここでは、代表的なアトリビューションモデルを5つ紹介します。

適切なアトリビューションモデルを選択し、売上増加につなげましょう。

(1)ラストクリックモデル

ラストクリックモデルは、コンバージョンに至る最後の接点を「最も貢献度の高いもの」として扱うアトリビューションモデルです。

このモデルはコンバージョンに焦点を当てて取り扱うため、ラストクリックモデルを採用して分析し、改善したあとの結果が大きく変わることはあまりないでしょう。失敗するにしても小さく、成功するにしても小さくなることが考えられます。

また、ビジネス目標として慎重な成長戦略を思い描く事業に適しています。
始めたばかり事業、まだデータを集める段階の事業であれば、このモデルを採用するのがおすすめです。

最も基本的なアトリビューションモデルともいえるでしょう。

(2)ファーストクリックモデル

ファーストクリックモデルは、コンバージョンに至る最初の接点を「最も貢献度の高いもの」として扱うアトリビューションモデルです。

たとえば、認知度拡大を狙ったWeb広告やWebサイト、大手比較サイトや口コミサイトへの掲載もファーストクリックモデルで分析できるでしょう。
最初の顧客接点からコンバージョンまでの流れが完成しており、高いCVRを残せているのであれば、ファーストクリックモデルで分析した結果を踏まえて最初の接点を改善することで、とても大きな売上向上が見込めます。

積極的な成長戦略を思い描く事業に適したモデルです。
ラストクリックモデルと対比の関係にあるモデルでもあります。

(3)線形モデル

線形モデルは、「すべての接点が等しく貢献している」という考えのモデルです。

すべての接点を等しく扱うため、「そのなかでもここが良かった」「ここを改善する必要がある」という結果を出すためには、ある程度のデータ量が必要となります。

顧客がコンバージョンするまでに検討する時間が長い、高額商品やBtoB商品などを販売している場合に相性が良いともいえます。
取扱商品によっては、データが集まり次第すぐに取り入れたいモデルでしょう。

(4)減衰モデル

減衰モデルは、「コンバージョンに近い接点ほど貢献度が高い」というモデル。

ファーストクリック地点が最も貢献度が低く、ラストクリック地点を最も高い貢献度として扱うため、ラストクリックモデル同様に慎重な成長戦略を描きたい場合におすすめです。

さらに、線形モデルと比べると顧客の検討プロセス部分が重要視されていないため、検討プロセスが短い商品を取り扱っている場合に使うのが良いでしょう。

ラストクリックモデルと線形モデルの中間のようなアトリビューションモデルです。

(5)接点ベースモデル

接点ベースモデルは、「最初と最後の接点の貢献度が高く、他の貢献度は均等である」という考えで作られているモデルです。

最初の接点である「認知」と最後の接点である「購入」を重視していることから、ファーストクリックモデルよりは慎重ながら、それ以外と比べると積極的なモデルとなっています。
認知と購入は広告で行い、その間の「興味」「検討」などのプロセスはWebサイトなどで行われることが多いため、広告を積極的に活用している事業に向いています。

非常に扱いやすいモデルともいわれています。

4. アトリビューション分析のやり方

アトリビューション分析のやり方は、以下の5ステップです。

1.現行ビジネスのカスタマージャーニーを分析する
2.現行ビジネスにおける問題点の仮説を立てる
3.適切なアトリビューションモデルを選択する
4.仮説に基づいて検証を行う
5.検証結果をベースにさらにPDCAを回す

ぜひ自社ビジネスに当てはめて考えてみましょう。

(1)現行ビジネスのカスタマージャーニーを分析する

アトリビューションは、カスタマージャーニーの一部ですので、まずは現行ビジネスのカスタマージャーニーを分析するところから始めます。
顧客が自社の商品・サービスを知り、興味関心を持ち、購入を検討し、購入する。そして、リピートするかどうかを決定するところまで分析してみましょう。

その際、顧客がどのような心理状態になっているかを考えるのも大切です。

自社の認知媒体に触れてどう思ったのか、検討プロセスにおいて何を感じ取ったのか、購入やリピートの決め手になったのはどこなのかを徹底的に分析します。
すると、自社においてどの点が強みで、どの点が弱みなのかが見えてくるはずです。

(2)現行ビジネスにおける問題点の仮説を立てる

カスタマージャーニーを分析したら、問題点に対して仮説を立てます。

たとえば、「認知はされているが、検討プロセスにおけるデータが少ない」や「CVRは非常に高いが、認知度拡大ができていない」などです。

あくまで仮説ですが、これからその問題点を検証するにあたって時間や手間がかかりますので、丁寧な仮説を立てることを意識しましょう。
さらに、複数の問題点が発見された場合には、最もレバレッジがかかりやすかったり、売上向上に貢献しやすかったりする部分を優先して解決するよう取り組みましょう。

1つずつ問題を丁寧に解決していく意識が、仮説立てに重要です。

(3)適切なアトリビューションモデルを選択する

仮説が立てられたら、適切なアトリビューションモデルの選択に移ります。

自社がこれからどのような成長曲線を描いていきたいか、現状の問題点を考えたときに貢献度をどの配分で見ていくかなどが選択を決定づける要素です。

アトリビューションモデルを決めたら、現行ビジネスをそのモデル通りに見てみましょう。

問題点が浮き彫りになり、広告費や人材などのリソースをどのように分配していくか、どうやって問題を解決していくかが見えてくるはずです。

(4)仮説に基づいて検証を行う

問題点として挙げた仮説をアトリビューション分析でさらに明確化したら、アトリビューション分析で見つけた方法で検証を行います。

もっと認知度向上のために広告費を使うべきだった
検証プロセスを充実させていなかった
自社の取扱商品とマーケティング施策がマッチしていなかった

感じることはさまざまあるかと思いますが、検証前後のデータを比較するためにも一つずつ検証していきましょう。その検証によって問題点が解決され、売上が向上すれば大成功です。

(5)検証結果をベースにさらにPDCAを回す

仮説を検証してみると、見事に売上が向上することもあるでしょうし、仮説の立て方や検証方法を間違ったことによって問題が解決されないこともあるでしょう。しかし、どちらの場合においてもやることは変わりません。

検証に成功したのなら「よりよいマーケティング」を行うため、新しい問題点を見つけ出し、PDCAサイクルを意識しながら仮説検証を繰り返しましょう。

検証に失敗した場合はもちろん、また同じ問題に対して仮説検証を行います。
常に仮説検証のサイクルを止めないことを意識していれば、自然と売上は上がるでしょう。

まとめ

アトリビューションは、現代においては必須だといっても過言ではないでしょう。
ネット上には「アトリビューションには意味がない」という意見もありますが、アトリビューションをするとしないのでは、マーケティングにおける費用対効果が違います。自社の成長戦略に合わせたアトリビューションモデルを選択し、しっかりと分析を行っていくことで、マーケティング費用対効果は向上し、会社に利益が残りやすくなるはずです。

しかし、一度アトリビューション分析をしたからといって安心してはいけません。
常に仮説検証を繰り返し、「より費用対効果の高いマーケティング」を心がけましょう。

【参考URL】

https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/attribution/
https://ads-promo.yahoo.co.jp/service/start-articles/basic/attribution/
https://business.adobe.com/jp/glossary/attribution.html
https://anagrams.jp/blog/basic-of-attribution/
https://support.google.com/analytics/answer/9397590?hl=ja#zippy=%2C%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%AE%E5%86%85%E5%AE%B9
https://ads-promo.yahoo.co.jp/service/start-articles/marketing/customer-journey/