ダイナミック広告とは？メリットや相性の良い商材、運用のポイントを徹底解説！

2022.7.11

ダイナミック広告とは？メリットや相性の良い商材、運用のポイントを徹底解説！

「ユーザーにサイトへの再訪問を促したい」と思ったことはありませんか？

実は、デジタル広告の一つである「ダイナミック広告」が、この悩みを解消してくれます。
この記事では、そんなダイナミック広告の基礎的な知識をはじめ、メリットや配信前に準備すべきことなどを詳しく解説します。

デジタル広告の導入検討に役立つ情報となっておりますので、記事を通して理解を深め、身につけた正しい知識を広告運用や配信に活かしてください。

1. ダイナミック広告とは？

ダイナミック広告とは、ユーザーのサイト閲覧履歴などの行動に合わせて最適な広告クリエイティブを自動的に生成し広告を配信する手法です。
この手法による広告配信は、多くのプラットフォームで提供されています。

代表的なものが、Google広告やCriteoです。
この他にもYahoo!広告やFacebook広告、LINE広告などがあります。
ターゲットや取り扱う商材等によって、適切な環境で配信することが重要となります。

2. ダイナミック広告の効果・メリット

続いて、ダイナミック広告が持つ効果やメリットを5つ紹介します。5つの効果やメリットは次のとおりです。

(1) 個々のユーザーに最適化された広告を配信できる

(2) 広告クリエイティブがオートマティックに生成される

(3) 一つの広告に複数の商品やサービスを表示できる

(4) 配信広告とユーザーの合致率が高く、コンバージョン率アップに期待できる

(5) 最適な配信で、新規カスタマーの発見に有効である

一つずつ詳しく解説します。

(1) 個々のユーザーに最適化された広告を配信できる

ダイナミック広告は、ユーザーの閲覧履歴などから得たデータをもとに最適な広告が選ばれ、掲載されます。
そのため、個々のユーザーに最適化された広告配信が可能となります。

各ユーザーにとって興味関心がありそうな広告をWeb上に掲載できるため、興味や関心の惹きつけにつながらない広告は掲載の可能性が低くなります。

(2) 広告クリエイティブがオートマティックに生成される

ダイナミック広告ではユーザーごとに最適な広告が自動的に作成されます。「データフィード」と呼ばれる商品データの一覧を用意すれば、自動作成できるようになるのです。したがって、手動で作成するよりも少ない手間で、複数の広告を作成できます。

(3) 一つの広告に複数の商品やサービスを表示できる

類似カテゴリーや色違いの商品を、ユーザーが閲覧している品物と並べて表示できます。

そのため、広告に対するユーザーの興味を高めやすくなるメリットがあります。ちなみに、これを「カルーセル広告」といいます。

(4) 配信広告とユーザーの合致率が高く、コンバージョン率アップに期待できる

ダイナミック広告の長所は、ユーザーにとって興味関心のある広告を掲載できることです。

それゆえに、広告先のランディングページで、スムーズに購入や申込みへつなげやすくなります。結果的にコンバージョンの向上にも直結します。

(5) 最適な配信で、新規カスタマーの発見に有効である

サイトへ初めて訪れる人にも、ダイナミック広告を配信できます。

その理由として、過去に訪れたことのある類似ユーザーに配信する広告を、新規ユーザーへ配信できることが挙げられます。これによって、広告へ興味を示してもらえる確率が高くなるのです。

3. ダイナミック広告が向いている商材・ジャンル

取扱件数の多い商品やサービス、種類が多岐にわたるサイトにおいて、ダイナミック広告は効果を発揮します。例えば、次のような商材やジャンルが挙げられます。

(1) ECサイトで販売されている商品

(2) 不動産サイトの物件や住宅情報

(3) 求人サイトにおける求人情報

(4) 旅行サイトの旅行プランやホテル情報

以下で具体的に説明します。

(1) ECサイトで販売されている商品

ダイナミック広告と最も相性が良いのが、商品点数の多いECサイトです。

ユーザーが直近で見た商品や、それに関連した商品を広告で表示できます。すでに興味関心のあるものを表示させられるため、購買に繋がりやすいという特徴があります。

(2) 不動産サイトの物件や住宅情報

ユーザーにとって適切な物件を表示させられます。さらに条件に応じた広告を作成できるのもダイナミック広告が向いている理由の一つです。

条件の例を挙げると、地区や価格、広さ、入居の不可否があります。これらをもとに作成すれば、ユーザーへ最適な広告を配信することができます。

(3) 求人サイトにおける求人情報

ユーザーが閲覧したデータをもとに、適切な求人案件を配信できます。多岐にわたる採用条件や関連職種から、ユーザーにマッチした広告の作成が可能です。

例えば営業職を探している人に、おすすめの営業職を表示させます。そうすればユーザーの興味を惹きつけることができるため、クリックされる確率がアップするのです。

(4) 旅行サイトの旅行プランやホテル情報

ユーザーが行きたい場所に関連する、旅行プランやホテル情報を配信できます。

なぜなら、過去のサイト検索時に使用した場所や日付などのデータをもとに訴求できるからです。そのような広告が表示されれば、再検討から予約まで、誘導させることができます。

4. ダイナミック広告を始める際に準備するもの

続いてダイナミック広告を配信するために欠かせない2つの準備すべきことを解説します。導入時はぜひ参考にしてください。

(1) ユーザーの行動を把握するための「タグ」設定を行う

「タグ」とは、Webサイト内でユーザーが起こした行動を記録するために欠かせないものです。

ユーザーがカートに入れた商品や閲覧したページなどの情報が、タグを通じて集められ、記録されます。その記録したデータをもとに広告クリエイティブをカスタマイズし、配信できるようになっています。

タグを正確に配置するために、広告を配信する媒体の仕様を事前によくチェックしておきましょう。

(2) 広告クリエイティブ生成のベースになる「データフィード」を作成する

「データフィード」とは、Webサイト内に記載されている商品やサービスの情報データのことです。

Webサイトにある商品やサービスの内容は、媒体側で把握、理解することができます。ただしそれには、データフィードを事前に媒体側に設定することが必要です。設定ができれば、タグを通じて得られた情報とデータフィードを照らし合わせられるため適切な広告を作成と配信が可能になります。

5. ダイナミック広告の成功事例

ここまでは、ダイナミック広告の定義やメリット、相性の良い媒体などについて見てきました。ここからは、弊社が実施しているダイナミック広告の運用事例を紹介します。成功事例及び失敗事例をそれぞれ取り上げ、詳しく解説します。

解説する内容については、以下の5項目です。

　①取扱商材について

　②広告の実施期間

　③使用した広告メニュー(媒体)

　④今回の広告出稿の際のポイント

　⑤広告の効果と検証結果

(1) 成功事例

①取扱商材について

首都圏を中心に事業を展開している不動産会社の「中古リノベーション物件の紹介」を、商材として取り扱いました。

②広告の実施期間

2022年4月よりダイナミック広告の運用を開始しました。

③使用した広告メニュー(媒体)

広告運用に使用した媒体は、以下の2つです。

・Instagram

・Facebook

いずれもダイナミック広告の運用となります。

④今回の広告出稿の際のポイント

上記でもお伝えした広告クリエイティブ生成のベースになる「データフィード」と連携し、数十件程度の物件情報をエリアや閲覧履歴にもとづいて最適化配信しました。そうすることで、サイト誘導を最大化するための施策実施につなげられました。

⑤広告の効果と検証結果

クリック単価（広告を見たユーザーが1クリックする毎に発生する費用指標）は、Instagram広告及びFacebook広告ともに20円台となりました。これはクリック単価としては非常に低い数字となります。しかしクリック率については6%で獲得することができました。

(2) 失敗事例

①取扱商材について

時計や計算機、楽器などの製品を製造する国内大手メーカーのオンラインショップで販売されている商品を商材として取り扱いました。

②広告の実施期間

2022年4月よりダイナミック広告の運用を開始しました。

③使用した広告メニュー(媒体)

広告運用に使用した媒体は、以下の2つです。

・Instagram

・Facebook

いずれもダイナミック広告の運用となります。

④今回の広告出稿の際のポイント

「データフィード」と連携し、数千種類ある商品を最適化して配信する形をとりました。

⑤広告の効果と検証結果

数千種類ある商品を手動でフィードにアップロードしていた影響で、在庫切れや販売終了商品、新規商品の対応が追いつかず、機会損失が多く生まれてしまいました。そのため、序盤のCPA（顧客獲得単価：1件の成果や顧客を獲得するために、どの程度の広告費用がかかったのかを表す数字）は通常の画像広告よりも良い成績でしたが、徐々に成果が落ち込んでしまう結果となりました。