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松山

BIツール導入支援

【入門編】広告運用におけるTableau活用方法とは?

広告運用における時間的な工数においてトップに挙がるのがレポート作成。なかでも複数の広告媒体で配信している場合はデータの抽出に大きな工数が掛かり、データ結合時のミスも頻発します。

今回は、そんなレポート作成の代替となりうるBIツールの一つ、Tableauの広告運用での活用方法をご紹介します。

広告運用×BIツールの相性

そもそもBIツールは万能ではなく、広告運用レポートとして活用する場合においても向き不向きがあります。まずはBIツールの強み・弱みを押さえていきます。

▼強み
・広告配信データをリアルタイムに近い頻度で確認できる(API連携の場合)
・一度ダッシュボードを仕上げれば以降CSVインポートでデータ更新が容易
・グラフのビジュアライズなどがエクセルよりも見やすい

▼弱み
・ダッシュボード構築に工数が掛かる
・レポートフォーマットの変更/イレギュラー表示に弱い
・ダッシュボード作成者のスキルが必要

強み・弱みを踏まえると、「定例で安定して継続配信している案件」に向いていますが、逆に「スポット案件や配信が不安定でKPIが都度変更になるような案件」には向いていません。

Tableauの特長

Tableauの一番の特長はBIツールの中でもビジュアライズに強い点です。
例えば日本地図へのデータ投影やクロス集計のグラフが容易に作成できます。また、他のBIツール(Googleデータポータルなど)ではデータの結合が制限されている場合があり独自指標による分析が困難ですが、Tableauでは自由に設定可能です。

Tableauを使った広告運用レポート事例(某メーカー様)

Tableauを使った広告運用レポート事例として1つの出力事例をご紹介します。

※上記画像はレポートイメージであり、実際の内容とは異なります

▼レポート作成の概要
目的:独自指標を用いた媒体/バナー/セグメントごとのKPI評価
更新頻度:週1回
更新方法:Googleアナリティクスは自動連携、その他はCSVインポート
データソース:Googleアナリティクス+各広告管理画面を結合(Google、Yahooなど)

上記の案件の場合、予算規模や配信媒体数が多いため、手作業でバナーや媒体を評価することが困難な状況でした。そのためTableauでダッシュボード化することで週1回の考察や分析を可能にし、バナーや媒体評価のPDCAを細かく回すことを実現しました。

Talbeauを広告運用レポートで活用して感じたデメリット

弊社ではTableauを使ってレポート作成をしているお客様もいらっしゃいますが、最終的にエクセル(スプレッドシート)やパワポレポートに戻すケースが多いです。その理由として考えられることを3点挙げます。

デメリット①:ダッシュボード変更に時間が掛かる

広告運用においては、同じ媒体や手法を何ヶ月も継続して配信することは稀で、基本的には月間の配信成績をもとにアロケーションを行うケースが多いと思います。Tableauの場合媒体が停止したり、新たに追加になる度にダッシュボード設定の変更が必要となるため、毎月施策が変更になる場合、むしろエクセルやパワポレポート以上にレポート作成の工数が掛かることも多いです。
特にレポート作成を効率化するためにTableauを導入する場合は案件の見極めやサービスを限定的にする(媒体や変更回数を定めるなど)の工夫が必要です。

デメリット②:データ結合時のズレや数値不一致

Tableauを利用するメリットとして複数媒体・ツールのデータ結合が可能な点があるため、複数データを結合するケースが多いと思いますが、結合するデータ数が増えるほど、数値のズレやエラー発生が頻発します。
原因としては、キーとなる項目のフォーマットの違い(「,」のあり/なし、単位の違いなど)が挙げられます。
Tableauでデータソースを更新しても、レポート自体が間違っていると、出し戻しのやり取りが発生するなど、工数的にも増えてしまいます。広告主からの信頼損失にも繋がり、本末転倒です。

デメリット③:イレギュラー対応に弱い

これはある程度仕方ない部分ですが、Tableauの場合ダッシュボードでフォーマットを固めるため、細かい部分のイレギュラー表示が難しくなります。
例えば、
「アナリティクスで●●のデータはテスト入力のデータだから省きたい」
「広告クリックの初日のデータはご配信なので省きたい」
などイレギュラーな表示を行うためにはデータソース自体を変更しなければならず、柔軟性に掛ける点があります。

まとめ

Tableauは、本来ビジュアライズに強いBIツールですが「広告運用におけるビジュアライズはそこまで必要とされていないのでは?」というのが正直なところです。Tableauの強みと広告運用レポートに必要とされる機能に不一致が多く使いづらいと感じる方が多いと思います。
もちろん、サイト分析や外部データと結合した解析などは活躍するツールだと思いますが、広告運用の領域ではDOMOなど広告運用に特化したツールが向いていると考えています。