Google広告を効果的に使えば、新たな顧客の開拓や知名度・認知度向上に繋がります。

Google広告にはリスティング広告やディスプレイ広告、Youtube広告、Googleマップ広告など、様々な形態があるため、企業ブランド力や商品・サービスの知名度、事業内容にマッチした広告を選ぶことが高い効果を生むポイントです。

Google広告の種類とメリット、適切な広告を選ぶ際の着眼点を解説します。

1.Google広告の活用方法

Google広告は、検索エンジンGoogleが提供する広告です。
Webを利用する以上誰もが表示するGoogleサイト上に掲載できるため、多くのユーザーの目に触れる効果的な広告といえます。

Gogle広告はユーザーの属性に合わせてターゲティングできる点が最大の強みです。
居住地域や年齢、性別、世帯年収などを細かく設定することで、特定のユーザーにアプローチできるため、大規模に展開せずとも狙ったユーザーにちゃんと情報が届けられます。

Google広告の活用方法はいくつかあるので、広告戦略に応じて選択するとよいでしょう。

（1）リスティング広告

Google検索結果一覧に表示される広告です。
ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるロジックのため、特定のキーワードに関心を持ったユーザーにピンポイントで広告を届けられます。

クリック数で広告料が発生するため低予算で展開できる点が魅力です。
クリック単価は、広告掲載にかかったコストをクリック数で割ることで算出できます。

時期や運用によってクリック単価は変動するため相場を出すのは難しいですが、大体数百円程度となることが多いです。

リスティング広告の最低出稿金額は決められていません。
Googleリスティング広告の料金支払い最下限である1,000円用意すれば広告掲載を開始できます。
「広告の見出し・本文・URL」の三つの素材を用意すれば始められる手軽さも初心者向きです。

リスティング広告は、検索エンジンを使うユーザーのニーズがハッキリしている商材に適しています。
例えば業務効率化ツールや会計ソフトなど、ユーザーの課題と、解決策となる商材の使い方が明確であればあるほど相性が良いといえるでしょう。
ITや無形サービスを扱う業種に適しています。

逆に、ニーズが潜在的であったり、まずは認知度を高める必要のある商材の場合は相性が良くありません。
アプローチが文字のみのため、ユーザーが実際に利用するイメージを明確に描けないのです。

（2）ディスプレイ広告（GDN）

GmailやYouTube、提携するWebサイト・アプリ上に広告を表示します。
表示はバナー形式であり、画像を使って視覚的にアプローチできる点が強みです。
ユーザーのアクセス履歴や商品購入履歴に連動して表示されるロジックのため、ユーザーの購買意欲を再燃しやすい広告といえます。

ディスプレイ広告も、ユーザーが広告をクリックするたびに費用が発生するクリック課金システムです。
クリック単価は数十円～数百円程度と、リスティング広告と比べてやや低単価となる傾向があります。

ディスプレイ広告を掲載する場合は、見出し・本文・URLに加え、画像が素材として必要です。

ディスプレイ広告は視覚的に強く訴えるため、ＢtoＣで衝動買いしやすい低単価商材との相性が良いでしょう。
ユーザーのニーズがはっきりしている化粧品や健康食品などが適しています。

注意するべきは、ディスプレイ広告は効果が見えづらいという点です。
アプローチするユーザー層が広すぎるため、本当に届けたいユーザー層に届いているかが分かりにくく、具体的な数値による効果測定がしづらいのです。
PDCAが回しにくく、運用に失敗していてもなかなか効果的な改善ができないという点がデメリットといえます。

（3）YouTube広告（インストリーム広告）

YouTubeの動画再生中に差し込まれるムービー広告です。
こちらもユーザーの検索履歴や購入履歴に連動して表示されます。

動画によるPRのためユーザーの目に留まりやすく、テキスト・画像より多くの情報を提供できる広告です。
掲載する場合は、見出し・本文・URLに加え、動画素材を用意しましょう。

youtube広告の費用は、動画の再生回数や再生時間に対して発生します。業界や広告の内容によって単価は異なりますが、1回の再生あたり3～20円前後が目安となるでしょう。
大抵の場合、1日当たりの予算を設定することで、発生コストを抑えておくことが多いです。

YouTube広告も、ディスプレイ広告と同じく化粧品や健康食品等の商材に適しています。
ほか、個人の趣味嗜好に関する商品も相性が良く、自動車やスポーツ用品、ファッションなどが効果を上げているとされています。

デメリットとしては、YouTube広告はユーザーに対して半ば強制的に視聴させるため、見当違いな訴求はユーザーにストレスを与え、ネガティブなイメージを持たせてしまう可能性があることです。
動画は静止画よりもさらに強い印象を与えるため、商品や企業のブランディングに悪影響を与えるケースもあることを心得ておきましょう。

（4）アウトストリーム動画広告

スマホ・タブレットなどのモバイル型端末向けの動画広告です。
Google動画パートナーサイトはもちろん、YouTube以外のアプリでも表示されます。
Youtubeに訪れていないユーザーにもアプローチできるため、より多くのユーザーに情報発信することが可能です。

広告の50％以上がモバイル画面に表示され、かつ2秒以上再生されれば課金されます。カテゴリによるものの、おおよその単価の相場は1回あたり0.1～0.5円と比較的安価です。
アウトストリーム動画広告も、YoutTube広告と同様に見出し・本文・URLに加え、画像や動画などが素材として必要です。

ユーザーに対して動画で商品説明ができるため、自社商品やサービスの知名度を上げたい場合に有効です。
化粧品や家電メーカーなどが相性の良い商材として挙げられます。アウトストリーム広告に、実際に商品を使用している動画を掲載することで、ユーザーに使用イメージを効果的に伝えられるでしょう。

ただし、アウトストリーム広告はあくまで認知を目的とした広告であり、自社HPや販売サイトへの集客を目的とした場合、あまり効率が良いとは言えません。
高いコンバージョンを期待していると、数値として結果が表れない状況に焦りが生まれ、アウトストリーム動画広告の効果を正確に判断できなくなる、という失敗がよくあります。

（5）Googleマップ広告（ローカル検索広告）

ユーザーがGoogleマップ上で特定のキーワードを検索した際、検索結果とともに画面に表示される広告です。

ユーザーのGPS情報をもとに、近隣店舗の情報を掲載します。店舗名・住所・営業時間に加えて、星の数で表される顧客レビューも表示され、ユーザーの来店可能性を高めます。

Googleマップ広告の掲載料金相場は、ひと月あたり2～3万円ですが、競合の掲載状況や時期によって価格が変動することも多々あります。

費用はクリック課金制となっており、ユーザーが場所やルートの検索を行なったり、電話を発信したりと、アクションを起こせば課金される仕組みです。1クリックあたりの単価は、設定するキーワードやエリアによって異なるため明言できません。

Googleマップ広告を利用する場合に文章や動画などの素材は不要ですが、GoogleマイビジネスとGoogle広告アカウントの開設が必要です。

Googleマップ広告に適しているのは、実店舗を構えて商品やサービスを提供する業態です。
特に飲食店や美容院などと相性が良いといえます。

Googleマップ広告でよくある失敗例としては、せっかく広告を掲載しても上位表示できないというケースです。

Googleマップ広告は業種や地域によって出稿が高額になる傾向があり、特に競合の多いエリアは価格が吊り上がります。

同じエリアの競合他社が既にGoogleマップ広告を掲載している場合は、せっかく広告を掲載しても上位が取れず、埋もれてしまうことが多いのです。

首都圏など競争の激しいエリアに出店している店舗の場合は注意が必要です。

（6）Gmail広告

Gmailの受信トレイやプロモーション・ソーシャル画面を開いた時に表示される広告であり、個人の受信ボックス内に通常のメールと同じフォーマットで配信されます。

そのためユーザーに対し、自身に向けて配信された広告だという認識を促せる点が特徴です。

Gmail広告は、ユーザーがGmail広告をクリックして展開した時点で課金が発生する仕組みとなっています。

クリック単価は場合によって変わってきますが、1クリックあたり20～数十円程度が相場でしょう。
必要な素材は、メールタイトルと本文、バナーとなる画像や動画です。

広告の配信は、性別や年齢などのユーザーの属性や興味関心に基づいて行なわれるため、ターゲットを絞り込むことができます。そのため相性の良い商材が幅広くある広告だといえるでしょう。

自動車や住宅等の単価が高い商材のほか、冠婚葬祭等のイベントや転職サイトなど、人のライフイベントに関係する業種も効果的に活用できます。

Gmail広告の注意点は、広告をクリックしただけでは目的のサイトに誘導できないことです。

ユーザーはGmail広告をクリックした後、さらに表示されるGmail広告を開いてボタンをクリックし、ようやく目的とするページに遷移します。
この仕組みを正しく理解せずに広告掲載を始めると、思うような結果が出ず困惑することになります。

他の広告と単純比較せず、クリック数、遷移数、ユーザーによるGmailの保存数など、Gmail独自の指標に基づき効果測定を行なう必要があります。

（※2021年7月1日より新規広告の作成や既存広告の変更ができなくなりました。現在はファインドキャンペーンに統合されています）

（7）ファインドキャンペーン（ディスカバリー広告）

Youtube、Gmail、Google Discover Feed（Google検索時に表示されるニュースフィード）にテキストと画像による広告配信を行います。

ユーザーの検索履歴、動画履歴、サイト閲覧履歴などに連動し、パーソナライズ化された広告を配信できる広告です。

月間30億人ものユーザーにアプローチできるうえ、ユーザーの属性や興味関心に基づいた、精度の高いターゲティングのもと広告配信できる強みがあります。

内容によりますが、クリック単価も10～数十円が目安であり比較的安価です。

ユーザーが関心を高めたタイミングをとらえて広告を配信するため、ファインドキャンペーンは新商品のリリースや新ブランドの立ち上げ時の認知度向上で利用するとよいでしょう。

また、アプローチのタイミングが重要なライフイベントに関するモノ・サービスを提供する業態にもおすすめです。

ファインドキャンペーンを利用する場合、広告の見出しと本文、画像、遷移先URLが素材として必要です。

ファインドキャンペーンは、画像1枚と文章のみなら「ファインド広告形式」、複数画像を表示する「ファインドカルーセル広告形式」の2種類があり、用意する素材の量も異なってくるため注意しましょう。

ファインドキャンペーンの注意点として、コンバージョンを参考とした自動入札が行なわれるという特徴があります。そのため、機械学習が非常に重要な広告です。

ファインドキャンペーンはデータが集まれば集まるほど向上するため、充分なデータが集まらないうちにコンバージョンを取ろうと広告を変更してしまうと逆効果となります。

広告掲載後、結果を出すことを急ぐあまりに広告の変更を短期間で繰り返してしまい、思うような成果を得られなかった、という失敗に陥らないようにしましょう。

2.Google広告を活用することで得られるメリット

Google広告は膨大なアクティブユーザーにアプローチできる手段です。
活用することでビジネスにおいてどのような効果が期待できるのか、メリットを整理してみましょう。

（1）サイト流入

Google広告を配信することで、関心を持ったアクティブユーザーを自社サイトに流入させることができます。
ECサイトやブログなどの自社サイトを運営している企業にとっては非常に大きなメリットです。

Google広告は表示回数やクリック数、コンバージョンなどを数値化し、広告効果を可視化する機能が搭載されています。
広告効果を数値で評価し、具体的な戦略や対策を練ることができます。

ただし、Google広告の効果を測定する際には、どの指標を軸として評価するのかを定める必要があります。

単純にどの程度のクリック数を獲得できたのかという視点は広告効果として分かりやすいですが、どんな属性を持つユーザーが広告をクリックしたのか、広告からサイトに流入してきたユーザーは実際に行動を起こしたのか、などの本質を見ていけば、Google広告の効果を正しく評価できるでしょう。

Google広告で流入してきたユーザーのうち、今後利益に繋がる見込み客はどの程度含まれているのかが重要です。
ユーザーの数だけでなく、質もアナリティクスで計測しましょう。

認知度向上や問い合わせ、資料請求

Google広告を目にしたユーザーが多いほど、社名・自社商品・サービスの認知度向上に繋がります。
広告によっては、ユーザーが一度商品を目にした履歴が残ればその後も配信されるものもあるため、後々ユーザーの購買意欲が向上したタイミングで問い合わせが発生する可能性もあるでしょう。
認知度の向上が将来的な売上に繋がります。

ただ、Google広告を見られたというだけでは数字実績が見えづらく、効果測定しにくいものです。ユーザーの行動として直接的な利益には至らないものの、見込み客として有力な判断材料となるのが、問い合わせや資料請求です。

Google広告は2020年秋のアップデートにより、リードフォーム表示オプションが利用できるようになりました。無料の表示オプションであり、ユーザーはサイトに遷移せずに問い合わせや資料請求などができるようになるのです。

リードフォーム表示オプションを利用すると、ユーザーがアクションを起こすまでのハードルが下がります。そのため、たとえクリック数やサイトへの遷移数が伸びていなくても、資料請求や問い合わせなどの実績が伸びる場合もあります。

リードフォームには、名前や電話番号などの基本情報を入力する項目もあるため、後々見込みユーザーを追いかける貴重な情報を得られます。

ただし、リードフォーム表示オプションもクリックによって課金が発生することは覚えておきましょう。

リードフォーム表示オプションで、ユーザーに行動を促すフレーズは以下の5種類です。

・なし

・サイトにアクセス

・ダウンロード

・詳細

・今すぐ購入

広告を見たユーザーに、次はどんなアクションを促したいかによってフレーズを設定しましょう。

（3）購入数増、実店舗への来店促進

自社商品・サービスに関連するキーワードで検索したユーザーに広告が配信されるため、購入数増や実店舗への来店促進などに繋がります。Google広告は自社のターゲットに当てはまるユーザーにアプローチできるため、ユーザーの行動に繋がりやすいのです。

ただし、購入や注文などユーザーの最終的な行動の受け皿に問題はないか、確認しておく必要があります。例えば実店舗がある場合は、Googleマップで検索して発見できるかどうか確認が必要です。自社サイトやECサイトに流入してからのアクションを求める場合は、サイトの作りやページリンクに問題はないかを確認しましょう。せっかくGoogle広告でユーザーを集められても、ユーザーにアクションさせるチャンスを逃しては意味がありません。

また、Google広告による集客効果を活かすため、現在運用中のSNSにも注目しましょう。Google広告の配信と合わせてSNSでも情報発信をすれば、さらに注目度が高まります。運用中のSNSアカウントのフォロワー数が、そのまま発信力となるのです。ユーザー同士の情報交換や口コミの拡散も狙えます。

3.媒体別おすすめ活用方法

Google広告の種類は複数あり、自社のフェーズや事業内容に合わせて戦略的に選択することが成果に繋がります。企業フェーズと広告の効果的な組み合わせを確認しましょう。

（1）既に知名度があるならリスティング

自社や商品・サービスにある程度の知名度があるなら、リスティング広告がおすすめです。リスティング広告はユーザーが検索するキーワードに連動するロジックとなっています。そのため自社商品が既に広く知られているのであれば、ユーザーが自発的にキーワード検索し、広告を受け取ってくれる仕組みとなるのです。

リスティング広告による効果が出やすい商材として、利益率が高い住宅や自動車などが例に挙げられます。リスティング広告はクリック数で広告費が決まりますが、商品単価が高ければ一度の制約で大きな利益となるため費用対効果としては充分でしょう。

一度購入されればリピートが期待できる商品もリスティング広告との相性がよい商材です。美容・健康関連の商品がこれに当てはまります。粗利、利益率が低い商品であっても、継続購入されれば顧客獲得にかかった広告費をいずれ上回ります。

購買意欲の高いユーザーをピンポイントで狙う特性から、住宅修繕サービスや病院・葬儀などの緊急度の高い商材とも相性が良いでしょう。

（2）知名度・認知度向上ならディスプレイ広告

自社商品の知名度向上・認知度向上を狙うのであればディスプレイ広告がおすすめです。まだニーズが顕在化していないユーザーに対しても幅広くアプローチできるため、自社を認識させ、ニーズを掘り起こすという目的であれば有効でしょう。

より効果を高めるのであれば、キーワードやトピックなどを設定して確度の高いターゲットに情報発信する、ターゲティング機能の活用がおすすめです。ターゲットが多く集まりそうな特定のWebサイトに絞って広告を打ったり、逆にブランドイメージと合わないWebサイトを広告表示対象から外したりと、工夫して設定するとよいでしょう。

新しい顧客層を発掘する必要のある新商品・新サービスの広報と相性が良い傾向があります。

（3）実店舗があるならGoogleマップ広告

実店舗を経営する企業であれば、Googleマップ広告が最適です。Googleマップ上で検索するユーザーは、大抵既にニーズが顕在化しており、行動することを前提として検索を行っています。「近所にある病院」「旅行先で足を運ぶ飲食店」など、大まかな検索を行うユーザーに対し、自社の経営店舗を選択肢に入れさせることができるのです。

効果を高めるには、表示される店舗情報をいかに充実させるかがポイントとなります。店舗情報や住所はもちろん、営業時間や電話番号は最新情報に更新しておきましょう。

実際に店舗に来店させてから商品・サービスを提供することになる、美容院やスポーツジム、カフェやレストラン、個人病院などの相性がよい広告といえます。

4.Google広告を活用して事業成長に役立てよう

Google広告を利用することで、膨大なアクティブユーザーに効率よく情報発信できます。Google広告にはリスティング広告やディスプレイ広告、Googleマップ広告など複数の活用方法がありますが、表示される場所や内容が異なるため、目的や戦略、事業形態に合わせて選択することが大切です。
企業フェーズや商材と相性のよい広告を選んで新しい顧客を発掘し、事業成長を目指しましょう。

【参考URL】
・https://localfolio.leadplus.co.jp/blog/google-advertising.html
・https://innoarx.com/outstream-ads/
・https://liskul.com/local-search-ad-
75537#:~:text=%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%
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・https://delight-solutions.co.jp/column/google%E5%BA%83%E5%91%8A/google-advertising/
・https://quartet-communications.com/info/listing/technique/65700