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松山

カスタマーマッチの注意点と顧客リストの作成方法

「カスタマーマッチの使い方が分からない!」

「各媒体でカスタマーマッチはあるの?」

以上のような悩みや疑問を抱えていませんか?

そこで今回はカスタマーマッチの基本情報と注意点、各媒体別の設定方法などをご紹介します。

1. カスタマーマッチとは?

カスタマーマッチとは、メールアドレスや住所、電話番号など会社が所有する顧客情報を使ったGoogle広告などの広告配信方法です。

顧客情報と企業が所有する情報を照らし合わせて作ったマッチリストを、配信対象に設定でき、広告の商品やサービスの認知度を上げることや、ブランドイメージを定着させること、コンバージョン獲得などの目的へとつなげます。

Google広告のカスタマーマッチで利用できるのは以下のような配信面です。

Google検索広告
Googleショッピング広告
Gmail広告
Youtube広告
ディスプレイ広告

カスタマーマッチの大まかな仕組みは以下のとおりです。

1.顧客情報から顧客リストのデータファイルを作成・アップロード

2.カスタマーマッチセグメントを広告配信のターゲットに設定

3.顧客リストのユーザーが、自身のGoogleアカウントにログインした状態で上記の配信面を使用した際には広告が表示される

2.利用時の注意点

より効果的な広告配信につながるカスタマーマッチですが、ここでは利用時の注意点をいくつか解説します。

(1).利用条件

Google広告のカスタマーマッチを利用するためには、Googleアカウントが必要ですが、すべてのアカウントが利用できるわけではなく、以下のような項目を満たしていることが条件になります。

これまでポリシーを遵守してきた実績があること
これまで支払いに関して問題が発生していないこと

また、以下のような条件をクリアすることで、ターゲティング設定と個別の入札単価設定が利用可能です。

Google広告で90日以上のご利用実績がある
ご利用金額が通算5万米ドルを超えている広告主

利用できる機能Google広告で90日以上のご利用実績があり、ご利用金額が通算5万米ドルを超えているアカウントポリシーを遵守してきた実績があるアカウント
ターゲティング設定×
モニタリング設定
類似ユーザー◯(モニタリング設定のみ)
個別の入札単価調整×
除外設定

(参考:カスタマーマッチのポリシー

(2).必要なリスト数

カスタマーマッチはデーターをアップロードするだけで、簡単に利用を開始できますが、最低でもデータ数が1,000件以上必要です。

さらに1,000件のリストを作成したとしても、マッチするとは限らないため、1,000人に広告が配信されるかどうかも分かりません。

(3).個人情報の取り扱い方

カスタマーマッチでは、自ら所有する顧客情報を使用するため、情報を慎重に扱う必要があります。

電話番号や住所といった情報はハッシュ化(暗号化)された後に、Googleのサーバーへと送信されるなどの配慮がありますが、委託する側もされる側もデータの取り扱い方法は事前に相談しておく必要があります。

また、Yahoo!ディスプレイ広告やTwitter広告などGoogleとは異なる媒体の場合は、情報がハッシュ化されるように設定して保護する必要があるでしょう。

3. 設定方法

Google広告以外にも、以下のように顧客情報を使ったカスタマーマッチができる媒体はいくつかあります。

Yahoo!ディスプレイ広告
Facebook・Instagram広告
Twitter広告
LINE広告

以下でそれぞれの設定方法をご紹介します。

(1).Google広告

Google広告のカスタマーマッチでは、まず顧客情報ファイルをアップロードして新しい顧客リストを作成する手順をご紹介します。

1.Google広告アカウントにログイン

2.ナビゲーションメニューのツールアイコンをクリック

3.「共有ライブラリ」で「オーディエンスマネージャー」をクリック

4.左側のページメニューで「分類して表示」を選択

5.+ボタンをクリックし、新しいセグメントを作成

6.プルダウンメニューで「顧客リスト」を選択

7.新しいセグメントの名前を指定

8.新しいCSVファイルをアップロード

9.「このデータは、Googleのカスタマーマッチに関するポリシーに従って収集され、Googleと共有されています」のチェックボックスをオンにして内容に同意する

10.有効期限を設定

11.「アップロードして作成」をクリック

アップロード状況は、「オーディエンスリスト」で確認でき、最大で48時間ほどかかる場合もあります。

(参考:Google広告ヘルプ|顧客リストを作成する

(2).Yahoo!ディスプレイ広告

Yahoo!ディスプレイ広告では、顧客情報のファイルをアップロードしオーディエンスリストに直接インポート可能です。

インポートできる顧客データは以下のとおりです。

アプリ用広告識別子(IDFAまたはAAID)
メールアドレス

(参考:Yahoo!広告ヘルプ

Yahoo!ディスプレイ広告において、上記の情報を広告配信にマッチさせるにはオーディエンスリストの作成が必要です。

オーディエンスリストの作成手順は以下のとおりです。

1.広告管理ツール右上の「ツール」をクリック

2.「ライブラリー」の「オーディエンスリスト」をクリック

3.オーディエンスリストの管理画面が表示される

4.「オーディエンスリストを作成」をクリックし、作成するオーディエンスリストの種別「顧客データ」を選択する

5.オーディエンスリストの作成画面が表示される

6.「オーディエンスリスト」名・連携データファイル・連携データの有効期限・説明の4つの項目を記入

7.「作成」をクリックしてオーディエンスリストを保存

(参考:Yahoo!広告|オーディエンスリストの作成

データのアップロード状況の「ステータス」が「データ取り込み完了」になれば、インポート完了です。

(3).Facebook・Instagram広告

Facebook・Instagram広告においても、メールアドレスなどの顧客情報とFacebook側が持っている情報をマッチングさせることで、有効な広告配信が可能です。

カスタマーリストからカスタマーオーディエンスを作成することで、カスタマーマッチと同様の広告配信ができます。

Meta広告マネージャでカスタムオーディエンスを作成する方法は、以下のとおりです。

1.アカウントで直接「オーディエンス」に移動する

2.「オーディエンスを作成」から「カスタムオーディエンス」「カスタマーリスト」の順に進む

3.識別情報を選択し、新しいカスタムオーディエンスに使用するカスタマーリストを追加し、名前をつける

4.識別情報が正しくマッピングされたか、すべてのエラーが解決されているかなど確認する

5.リストが追加されて使用できるようになったら、「アップロードして作成」を選択

(参考:Metaビジネスヘルプセンター

カスタマーリストとして使用できるのは、CSVファイルまたはTXTファイルであり、Meta社ではカスタマーリストの作成用に、ファイルテンプレートも用意しています。

ダウンロードすることで、簡単にアップロードすることができるでしょう。

(4).Twitter広告

Twitter広告では、「リストのカスタムオーディエンス」を使用することで、カスタマーマッチと同様の広告配信ができます。

リストのカスタムオーディエンスの作成手順は以下のとおりです。

1.CSVファイルまたはTXTファイル形式で、最大ファイルサイズは10GBの顧客情報リストを作成

2.「ツール」から「オーディエンス」を開き、「新規オーディエンスの作成」をクリック

3.ファイルをドラッグ&ドロップするか、ファイルアップロードのオプションを利用してファイルを選択

4.一度に一つのファイルをアップロードし完了を待つ

ハッシュ化する場合は、ファイルのアップロードの前にオプションにて変更しておきます。

カスタムオーディエンスの使用は、広告キャンペーン設定の「カスタムオーディエンス」から広告キャンペーン内の「カスタムオーディエンス」でアカウントをターゲティングします。
(参考:広告ヘルプセンター|リストのカスタムオーディエンス

(5).LINE広告

LINEでも、電話番号、メールアドレスなどの顧客情報をLINE広告にアップデートすることで、顧客リストの作成が可能です。

LINEの利用では電話番号とメールアドレスの登録が必須であることから、より効果の高い広告配信が見込まれます。

顧客情報のアップロード方法からご紹介します。

1.画面上部メニュー「オーディエンス」を選択

2.「オーディエンス作成」をクリックして「電話番号アップロード」「メールアドレスアップロード」を選択

使用できるのは、CSVファイルまたはTXTファイルで、アップロード後にデータはハッシュ化されるため、プライバシーについても安心です。

LINE広告では、オーディエンス同士の重複ボリュームと重複率が確認できるようになっており、オーディエンス一覧にチェックを入れ、「オーディエンスの重複を表示」をクリックすることで一度に4つまで確認できます。
(参考:LINE for Business|オーディエンスを使って配信する

まとめ

カスタマーマッチとは、主にGoogle広告の広告配信方法ですが、ほかの媒体でもアップロードされたメールアドレスや電話番号から、有効な広告配信へとアプローチすることは可能です。

CVSまたはTXTファイルでのアップロードが、基本であるため1度ファイルを作っておくことで、別媒体でも使うことができます。

自社で得た顧客情報をもとに、有効で成果のある広告を配信させましょう。

【参考文献】

カスタマー マッチについて
https://support.google.com/google-ads/answer/6379332?hl=ja

カスタマー マッチのポリシー
https://support.google.com/adspolicy/answer/6299717?hl=ja

データをインポートして顧客データのオーディエンスリストを作成する
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/display/articledetail?lan=ja&aid=69234

オーディエンスリストの作成
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/display/articledetail?lan=ja&aid=55373&o=default#c01)

Metaビジネスヘルプセンター カスタマーリストからカスタムオーディエンスを作成する
https://www.facebook.com/business/help/170456843145568?id=2469097953376494

リストのカスタムオーディエンス
https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/campaign-targeting/custom-audiences/lists.html

オーディエンスを使って配信する
https://www.linebiz.com/jp/manual/line-ads/tracking_006/