シニア世代向けにリスティング広告が有効な理由
「シニア世代に向けたリスティング広告が有効な理由は?」
「実際、どんなリスティング広告であれば効果が得られるの?」
以上のような疑問はありませんか?
近年では、シニア世代もインターネットの利用が増加し、情報収集のために検索エンジンを活用している方も多くいます。
そのため、リスティング広告はシニア世代に向けた商材のPRや購買促進にも、おすすめの手段となっています。
そこでこの記事では、シニア世代向けにリスティング広告が有効な理由について解説。
シニア世代に向けたリスティング広告配信の注意点なども紹介しているため、参考にしてみてください。
1. リスティング広告とは?
リスティング広告とは、インターネット広告の一種です。
検索エンジンやSNSなどで一般ユーザーが検索したキーワードに関連する広告を表示します。
具体的には、以下のようなタイミングで表示されます。
・検索エンジンの検索結果ページ
・SNSのタイムラインやサイドバー
リスティング広告は、指定したキーワードに関連したキーワードを検索したユーザーにのみ表示されるため、ターゲットを絞りやすく効果的な広告手段です。
また、クリック単位での課金制度が一般的であるため、より効率的な広告配信が可能です。
2. リスティング広告がシニア世代向けにおすすめの理由
近年では、シニア世代のインターネットの利用率も年々増えているため、検索エンジン内のリスティング広告も有効です。
総務省「令和元年通信利用動向調査」では、60〜69歳の方のインターネット利用率は90.5%、と9割以上の方が利用していることが分かります。
前年の平成30年では、76.6%であったことから1年間で10%以上増加したことになります。
さらに、内閣府「高齢化の現状と将来像」では、65歳以上の人口は令和3年に全体の28.9%に達し、今後も右肩上がりであることが分かります。
このことからも、シニア世代へ向けたWeb広告の規模は増えていくでしょう。
(1). 検索エンジンのユーザー割合
リスティング広告は主に、Googleなどの検索エンジンで表示されます。
主要な検索エンジンであるGoogle・Yahoo!・Bingの全体のユーザー割合は以下のとおりです。
・Google:76.39%
・Yahoo!:16.22%
・Bing:6.73%
Googleが圧倒的なシェアを締めており、続いてYahoo!、Bingと続きます。
主要検索エンジンを使用するシニア世代(60代以上)のユーザーの割合は以下のとおりです。
・Google:37.40%
・Yahoo!:35.88%
・Bing:20.59%
(出典:https://manamina.valuesccg.com/articles/1465)
全体のユーザー割合よりも、Yahoo!やBangの利用率が増えた印象ですが、Googleもシニア世代の約4割が利用しています。
このことからも、シニア世代へ向けたリスティング広告は有効と言えます。
3. シニア世代向けリスティング広告の注意ポイント
シニア世代も積極的にインターネットを利用しており、検索エンジンに表示されるリスティング広告も有効です。
しかし、シニア世代へ向けたリスティング広告の配信にはいくつかの注意点があります。
注意ポイントを抑え、リスティング広告を効率よく配信しましょう。
(1).Google・Yahoo・Bingの優先度
まずは、リスティング広告を配信するうえで、Google・Yahoo・Bingのどの検索エンジンを利用するかを決定する必要があります。
全体でもシニア世代でもGoogleの利用割合が大きかったため、Googleを選びがちですが、ターゲット以外にクリックされる可能性が高いため、シニア世代へ向ける場合にはYahoo!がおすすめです。
続いて、Google、Bingの順で優先して配信しましょう。
しかし、法人向けの場合にはYahoo!よりもBingへの配信のほうが有効であるため、使い分ける必要があります。
(2).リスティング広告のキーワード
シニア世代へ向けた場合に限りませんが、リスティング広告のキーワードは商材の内容に合ったものにしましょう。
リスティング広告のキーワード選定は、いわば広告配信の「肝」です。
さらに、クリック単価と予算、ボリュームと予算のバランスを考える必要があります。
広告配信の予算が多く、全国に展開されている場合には、メインキーワードである「介護施設」などで広告を出しても良いですが、予算の少ない場合には「介護施設 〇〇市」と、より絞ったキーワードを優先したいところです。
また、キーワード別のクリック単価は必ずチェックし、予算が少ない場合は単価の高いキーワードに出さないよう、除外キーワードに設定しておくのも良いでしょう。
(3).リスティング広告文の内容
広告動画の広告文の内容には、商材の特徴や割引情報を入れて他の類似商材との差別化を図りましょう。
当たり障りのない内容を避け、商材の詳細を紹介することでユーザーに「自分に適した商材だ」というような認識を与えられます。
広告文によって、興味や関心を引き出すことで成果へと繋げられるでしょう。
さらに、動画広告の商材が「どこの会社のどんな商材か」が分かりやすいように、会社名や商材名を入れた広告文を作り、類似商材に流れないようにする必要があります。
「【業界No.1】」などの記号やカッコを使い、重要な箇所を目立たせるなどの工夫を行い、目に入りやすいような見出しを設定します。
また、シニア世代向けであることを強調し過ぎないように注意が必要です。
「まだまだ現役!」など、元気なシニア世代も多くいるなかで「高齢者」や「シニア世代」と一括に表現する内容は控えるようにしましょう。
(4).LPのデザイン
リスティング広告をクリック後は、LPへと移る場合が多くありますが、その場合にはシニア世代へ向けたLPを作成する必要があります。
シニア世代向けのLPデザインは、CVボタンを分かりやすく、大きく配置することが大切です。
さらに、全体的なフォントの級数や種類も選び、LP全体を読みやすくするなどの工夫を行います。
具体的には、以下のようなフォントがおすすめです。
・フォント:ゴシック体
・文字サイズ:12pt(16px)以上
・行間:文字サイズの1.5〜1.75倍
読みやすさには、文字の背景と色のコントラストも重要であるため、明度や彩度の差を付けたデザインを心がけましょう。
ただし、デザイン面に意識を向けすぎた結果、商材の内容が薄くなっては本末転倒です。
LPの内容は「起承転結」の流れでシンプルに作成し、無意味な英語やカタカナは排除。
シニア世代にも理解しやすい言葉と内容で仕上げることで、抵抗なく商材の情報が分かるLPになるでしょう。
(5).シニア世代への固定観念
シニア世代は一般的に60代以上の方を指しますが、60代を中心に「シニア世代といえば」というような固定観念を持っておくのは危険です。
主に、以下のような固定観念には注意が必要です。
・仕事をしていない
・洋食より和食が好き
・最近のアニメやアイドルを知らない など
一昔前であれば、「シニア世代といえば」という問いに対し、上記の固定観念に当てはまる方も多かったかもしれません。
しかし、現在においては定年退職の年齢は引き上がっており、再雇用や延長制度もあるため、65歳を過ぎてもなお現役で働いている方もいます。
また、洋食も当たり前に食べられる時代となり、和食よりも洋食を好む方や、孫と一緒にアニメ見たり、アイドルを推しているシニア世代も少なくありません。
そのため、固定観念に基づいたシニア世代に向けた広告文やLP内容にすると、反応が悪くなる可能性も考えられます。
(1).アクティブシニア
シニア世代と一括りに定義していますが、「アクティブシニア」という言葉があるように、元気で活発なシニア世代が多くいます。
アクティブシニアは、自分なりのこだわりや価値観をもっており、仕事のみならず趣味などにも意欲的なシニア世代を指します。
「一般社団法人日本アクティブシニア協会」では、前期高齢者である65〜75歳の方と定義しており、若年層と変わらない体力を持っている方も多く、自らを「高齢者」として認識していない方も多いでしょう。
4. シニア世代向けリスティング広告の事例
最後に、実際に行ったシニア世代向けリスティング広告の事例をご紹介します。
商材 | シニア向け商材 |
広告の種類 | Googleリスティング広告 |
予算 | 150,000円 |
CPC(1クリックごとの掲載費用) | 65円 |
CTR(クリック率) | 19.96% |
KW | 70代・80代の親を持つ40代・50代の子どもに向けたKWを選択 |
その他 | 商材×異なる内容のKWを除外した |
リスティング広告のCTRは、キーワードにもよりますが平均で約2〜10%と言われているなかで、事例では約20%を獲得しており、効果的な広告運用ができていると言えます。
さらに、リスティング広告では1クリック1,000円を超えるキーワードもあるなかで、事例の広告掲載費用は65円と非常に安価です。
KWのターゲットを絞り、有効なKWで広告を出すことで、少ない広告費用でもCTRが獲得できています。
作成したLPは動画や写真、イラストを多く使用して視覚的に分かりやすいデザインです。
まとめ
今回は、シニア世代へ向けたリスティング広告がおすすめの理由から、注意点などについて解説しました。
近年では、シニア世代も当たり前のようにインターネットを利用し、GoogleやYahoo!などといった検索エンジンも使いこなしています。
一番利用率の高い検索エンジンはGoogleですが、シニア世代ではYahoo!の利用率も多いため、効率よくリスティング広告を行うには、Yahoo!への配信がおすすめです。
シニア世代向けに関わらず、リスティング広告はキーワード選定が肝となるため、予算に合わせたキーワード・除外キーワードの設定が重要です。
近年では、「アクティブシニア」という言葉があるように、自分の価値観を持ち、仕事や趣味を楽しむシニア世代も多くいるため、広告内容やLP内容には「シニア」を強調しすぎないように気を付けましょう。
【参考文献】
令和元年通信利用動向調査
https://www.soumu.go.jp/main_content/000689454.pdf
第1章 高齢化の状況(第1節 1)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_1_1.html
https://lucy.ne.jp/bazubu/search-engine-japan-42218.html
年代ごとの検索エンジンシェアを調査!シニア層でもGoogleが首位
https://manamina.valuesccg.com/articles/1465
一般社団法人 日本アクティブシニア協会
https://www.tochikatsuyou.com/_kaigo-hukushi/adviser/209/profile/