クロスドメイン計測とは?設定方法や計測時の注意点を解説
「クロスドメイン計測やその設定方法を知りたい」と思ったことはありませんか。
この記事では、クロスドメイン計測や設定方法、計測時の注意点を解説します。クロスドメインを適切に設定できると、サイトへのアクセス状況を正確な数字で把握することが可能です。また、アクセス状況改善に向けたベストなアクションを取ることにも繋がります。
しかし、クロスドメイン計測を設定しなければ、アクセス状況を正しく把握できません。そのため、改善を図ったしても、サイトへのアクセス数アップに期待するのは難しいでしょう。
だからこそ、クロスドメイン計測の設定が重要になります。以下で解説する内容を参考に、ぜひクロスドメイン計測を設定しましょう。
1. クロスドメイン計測とはなにか?
「クロスドメイン計測」とは、複数のドメインをまたいだユーザーの行動を、同じユーザーによるものとして正確に識別できるようにする測定手段です。
もし、クロスドメイン計測が設定されていない場合、異なるドメインへのリンクをクリックした際にサイトからの離脱として計測されてしまいます。しかし、リンク先のドメインがクロスドメイン計測の対象として登録されていると、リンクをクリックしても同じサイト内で行き来していると計測されるのです。
2. なぜクロスドメインでないと計測が途切れてしまうのか?
ドメインが異なると、サイト内部の経由ではなく外部からの流入であるとGoogle Analytics(グーグル・アナリティクス)によって判断されてしまいます。
例えば、「aaa.jp」というドメインを持つECサイト上で、商品をかごに入れると「bbb.com」というドメインに変わるとします。クロスドメイン計測を設定してあると、同サイト内の行動であると認識され、セッションが途切れることがありません。しかし未設定の場合、Google Analyticsが「aaa.jp」を外部からの流入と判断し、「bbb.com」とのセッションを継続させることが不可能になってしまうのです。
このようにセッションの繋がりがなくなると、アクセスを正しく測定できないという問題に直面します。
どのようなときに設定が必要か?
複数のサイトにまたがるユーザーのユーザー動向を正しく把握したい時に、クロスドメイン測定の設定が必要になります。
実は設定前に取得しなければならないものがあります。それが「トラッキングコード」です。トラッキングコードとは、Google Analyticsでトラフィックを計測するための専用の計測コードです。
3. クロスドメイン計測の設定方法
クロスドメイン計測には、以下の2つの設定方法があります。
1. Googleアナリティクス4(GA4)
2. Googleタグマネージャー(GTM)
1つずつ見ていきましょう。
(1).Googleアナリティクス4(GA4)
GA4の設定手順は、以下の通りです。
1. トラッキングコードの記述変更
2. フィルタの作成・追加
3. 参照元除外設定
4. 目標設定
ステップごとに詳しく解説します。
1. トラッキングコードの記述変更
まずはトラッキングコードの記述を変更します。事前にGoogle Analyticsにログインしておきましょう。
初期状態では、以下のようなトラッキングコードの記述になっています。
<!– Global site tag (gtag.js) – Google Analytics –>
<script async src=”https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=UA-XXXXXXXX-XX”></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag(‘js’, new Date());
gtag(‘config’, ‘UA-XXXXXXXX-XX’);
</script>
上記トラッキングコードを確認する時、UA-XXXXXXXX-XXに自身が持つプロパティIDを入力しておきます。
続いて、トラッキングコードを設定します。上記「gtag(‘config’, ‘UA-XXXXXXXX-XX’);」を以下のように記述し直します。
<!– Global site tag (gtag.js) – Google Analytics –>
<script async src=”https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=UA-XXXXXXXX-XX”></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag(‘js’, new Date());
gtag(‘config’, ‘UA-XXXXXXXX-XX’, {
‘linker’: {
‘domains’: [‘aaa.com’, ‘bbb.com’]
}
});
</script>
ちなみに「 ‘domains’: [‘aaa.com’, ‘bbb.com’]」には、クロスドメインのトラッキングに設定したいドメインを入力しましょう。
2. フィルタの作成・追加
次にフィルタの作成・追加を行います。フィルタを作成・追加することで、ドメインごとのアクセスデータが合算されるのを避けられます。
まず、Google Analytics管理画面左下の「歯車マーク」の管理ボタンをクリックします。表示された「ビュー」に含まれる「フィルタ」をクリックし、「フィルタ追加」を開きましょう。
続いて、フィルタ名の入力、フィルタ種類の選択を行います。種類は「カスタム」を選び、「詳細」をチェックしてください。
そして、フィールドAでは「ホスト名」を選択し、ボックス内に「(.*)」と入力しましょう。フィールドBでは「リクエストURI」を選び、「(.*)」と入れます。出力先もフィールドBと同様に「リクエストURI」を選択し、「$A1$B1」とボックス内に入力してください。
最後に、「フィールドAは必須」「フィールドBは必須」「出力フィールドをオーバーライド」の3つにチェックを入れましょう。
「保存」をクリックしたら、フィルタ作成・追加の作業は完了となります。
3. 参照元除外設定
続いて、参照元を除外します。クロスドメインの対象にするサイトを除外設定することで、ユーザーが何を頼りにやってきたのかを測定することができるようになります。
まず、Google Analytics管理画面左下の「歯車マーク」の管理ボタンをクリックします。プロパティの「トラッキング情報」を開きましょう。
次に「参照元除外リスト」を開き、「参照の除外を追加」タブを出してください。
最後に、除外したいドメインを入力し、「作成」を選択して設定を完了させます。
4. 目標設定
最後に、目標のURLを設定します。
フィルタの作成・追加時にドメイン付きのデータに書き換えることになるため、目標URLも同様の設定にする必要があります。なお、到達ページは「等しい」や「先頭一致」を選択しましょう。
これで全ての設定が完了です。
(2).Googleタグマネージャー(GTM)
GMTの設定手順は、以下の通りです。
1. フィールド名と値を入力
2. クロスドメインの設定
3. 参照元除外リストにドメインを追加
ステップごとに詳しく解説します。
1. フィールド名と値を入力
まず、フィールド名と値を入力します。Google Tag Managerにログインし、ワークスペースの「タグ」を選択しましょう。タグ設定の中にある「ユニバーサルアナリティクス」をクリックしてください。
続いて、トラッキングID(UA-XXXXXXXX-XX)を入力します。
最後に、詳細設定を開き、フィールド名「allowLinker」と値「true」を入力しましょう。
2. クロスドメインの設定
次に、クロスドメインを設定します。クロスドメイントラッキングを開き、自動リンクドメインに計測したいドメイン名を入力してください。
1つドメインを入力できたらカンマで区切り、もう1つのドメインを入力します。
例)aaa.com, bbb.com
3. 参照元除外リストにドメインを追加
最後に、GA4同様に参照元除外リストにドメインを追加します。追加方法については、上記で解説した手順をご参照ください。
(1).広告媒体のCV計測の場合(GTMを使う場合、使わない場合)
広告媒体のCVを計測するには、以下の2つの方法があります。
1. Google タグマネージャーを使用する場合
Google タグマネージャー上で「コンバージョンリンカータグ」を設定します。この設定だけでCV計測が可能になるため、一番簡単な方法です。
2. Google タグマネージャーを使用しない場合
グローバルサイトタグ(gtag.js)とGoogle アナリティクスのタグを使って実装します。
(2).GA計測の場合(GTMを使う場合、使わない場合
1. Google タグマネージャーを使用する場合
タグマネージャー経由でアナリティクスを設置します。
2. Google タグマネージャーを使用しない場合
グローバルサイトタグ(gtag.js)を使って実装します。
4. クロスドメイン計測時の注意点(設定をしたとしても100%取れる訳では無い、設定後に必ず動作確認をする)
1. クロスドメインが設定できるかを確認する
GETパラメータの付与が可能かどうかをチェックしましょう。また、現在使用しているタグで正しくクロスドメインでの計測が可能か確認してください。
2. クロスドメイン設定後に動作を必ず行う
リンク設定したページに、実際にアクセスされているかを確認しましょう。Googleアナリティクスのリアルタイムレポートから確認することができます。
まとめ
この記事では、クロスドメイン計測や設定方法、計測時の注意点を解説しました。
正しく設定できれば、サイトへのアクセス状況を正確に把握することができるようになります。また、取得したデータを活用することで、アクセス改善に向けたベストな方策の実行にも繋げられます。
今回解説した内容を参考に、ぜひクロスドメイン計測を設定しましょう。