【”成果を生む” ショート動画広告】日辰広告の「戦略→制作」プロセス公開

1.動画広告の問題点
突然ですが、「飲むだけで○日間で△kgやせた!」「投資で儲ける方法を教える!」などの動画広告を見たことはありますか?
その正体は、今社会問題化している「フェイク広告」です。

◆フェイク広告の傾向
フェイク広告が特に使われやすいのは”コンプレックス商材”です。具体的には、ダイエット、AGA、脱毛といったジャンルです。「コンプレックスの解消」という強いニーズに訴えかけることで、衝動的な購入に繋がりやすいからです。
◆なぜ増えたのか?
フェイク広告が増えているのは、実際に広告主が儲かる仕組みが存在しているからです。特に、自身のブログやサイトで商品を紹介することで広告主から報酬を得ている「アフィリエイター」と呼ばれる人たちの一部で、横行していると言われています。(※もちろん、ほとんどのアフィリエイターは健全な運営をしていると思いますが、一部で”何でもあり”の手法を使う人たちがいるようです。)
また、AI技術の向上によって、その手法は巧妙化し、あたかも著名人が話しているような動画広告も増えています。
しかし、日辰広告では、こうしたフェイク広告を作りません。
倫理的な問題や、企業イメージの毀損はもちろんのこと、広告運用の側面から見ても、重大なリスクを孕んでいるからです。
2フェイクがもたらす「広告運用の致命的リスク」
結論からお話すると、フェイク広告は「運用成果」に悪影響を及ぼす可能性があります。
①ターゲットの含有率
たしかに、動画を過激な内容にすることで、視聴者の反応が増え、その結果、一時的に品質(媒体の評価)が上がり、クリック単価が下がる可能性があります。
しかし、いくら入口で多くの人が入ってきても、商品に対して1ミリも関心のない層ばかりが入ってくるということでは、広告として意味がありません。むしろ、CVに結び付かず、長い目で見たら品質が下がってしまいます。
もちろん時には、ターゲットの含有率を下げてでも、まずは分母を広げる(認知を広げる)、という戦略を取る場合もあります。しかし、その場合でも”いずれお客様になる可能性が少しでもある人”に広げることが前提です。(女性向け商材なのに、アダルト要素に釣られた男性ばかりが集まるということでは良くありません。)
②媒体の規制強化
もう一つは、国の規制強化に伴い、媒体の審査が厳しくなっていると言うことです。現状は、規制をすり抜けるフェイク広告も存在していますが、今後はより審査が厳格化されていくでしょう。そのような先のない手法で、一時的な成果を上げることに意味はないと考えています。
日辰広告が考えているのは、クライアントの長期的な事業成長です。そのために必要なことは、PDCAを回しながら運用経験を”積み上げる”ことです。明日使えるかどうかわからない施策を検証しても仕方がありません。
以上、倫理的な問題はもちろんのこと、運用の観点から見ても、日辰広告ではフェイク広告を制作していません。
ですが…ただ大人しい広告を作っているわけではありません。
長期的な成果に繋がらないフェイク広告は悪手だと思っていますが、「ターゲットの指が止まり→心が動き→行動に繋がる」クリエイティブ制作には全力で取り組んでいます。
ここから先は、日辰広告流の「”成果を生む動画広告”の作り方」をお話します。
3戦略設計
まずは、制作(動画編集)に入る前の”戦略”についてです。
日辰広告では、「戦略設計」を大事にしています。戦略の段階でズレてしまっては、そのあとの制作をいくら丁寧に作っても、意味がなくなってしまうからです。
ステップ(1)課題把握
まずは課題を明確にします。
そのために行っているのが顧客インサイト(=ターゲットの真のニーズや、ターゲットが比較している競合など)を知ることです。具体的には「検索キーワードのジャーニー調査ツール」を活用して、”検索の前後ワード”を調査します。
例えば、「スッキリ青汁Z」という商材があると仮定して考えてみます。
「スッキリ青汁Z」を検索する前に、「便秘 薬以外」というワードが多く検索されているなら、ターゲットが求めているのは「薬に頼らない、腸内環境の改善」だと見えてきます。これが、真のニーズ(の一つ)です。
また、前後ワードの中には、競合他社の企業名や商品名も出てきます。これは、実際にターゲットが比較している競合です。
これらの結果を、マーケティングファネルに沿って整理します。
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ステップ(2)動画の位置決め
顧客のニーズを整理できたら、次はファネルに沿った「動画の位置決め」を行います。中長期的には、幅広い層に向けて網羅的にアプローチを行いますが、まずは目の前の1本を、どの層に向けて、どんな方向性の訴求を行うのかを確定します。
上記で把握した「顧客インサイト」に加えて、下記の3つも判断する際の要素になります。
①クライアントの現状ヒアリング
まずは、クライアントの現状をヒアリングします。日辰広告ではコミュニケーションが戦略の土台だと考えており、定期的にヒアリングの時間をいただいています。また、過去に顧客アンケート等を実施していれば、そちらも参考にします。
さらに、動画の飛び先であるLPの構成も考慮して戦略を立てます。すでにクライアント側でLPをご用意いただいている場合は、ファーストビューや構成を確認して、動画を見た後に飛んで、違和感がないかを確かめます。(例えば、顕在層向けの動画なのに、飛び先のLPが潜在層向けの構成になっていないか?といった確認をします。)
※弊社でも、運用戦略に沿ったLP制作(通常LP、記事LP、アンケートLP、漫画LP等)に力を入れています。運用・バナー制作とまとめてお任せいただければ、より包括的な施策に取り組むことができます。
②競合状況の分析
次に、競合の分析を行います。
具体的には、詳細なデータを読み取れるツール(Similarweb等)を活用します。分析をしてみると、例えば「このジャンルでは健在層向けの訴求が多い。ということは、このジャンルで潜在層から引き上げるのは難しいのかもしれない。」などの仮説を立てることができます。
③過去の成果も参考に
もちろん、すでに弊社でPDCAを回している案件であれば、過去の運用成果も重要な判断要素になります。
このような判断材料を組み合わせて、動画の”位置”と”訴求軸”が決まります。

※”訴求軸”は、この段階で確定することもあれば、このあとの「コンテンツ設計」のプロセスと併せて確定する場合もあります。
ステップ(3)コンテンツ設計
次は動画の”内容”を考えます。
この段階でも、大きく3つの方法があります。
①「広告動画」のトレンドを調査する
ここでも競合分析ツールを使い、競合がどんな動画を制作しているのか?どんな動画が成果を上げているのか?を把握します。もちろん、まるっと真似をするのではなく「流行りの音声」「導入部の言葉」「訴求の順番」などの”要素”を参考にします。
※すでに前のプロセスで、訴求軸を確定させている場合には”訴求軸”ありきで転用できそうな要素を探します。前のプロセスで訴求軸が確定してない場合には、その点も含めて、広くトレンドをリサーチします。
②SNSの「オーガニック投稿」をリサーチする
SNSのオーガニック投稿でも、動画制作のヒントを多く見つけることができます。おすすめに表示される投稿や視聴回数の多い投稿は、視聴者の指を止める”巧妙な工夫”がされているからです。
そのため、日常のなかでSNSを見る時には、”つい見てしまう”動画がどんなものか?という視点を持つようにしています。そして、指が止まってしまった時に、「なぜ、指が止まってしまったんだろう」と考えます。
そうすると、「”ここだけの話”みたいに言われると指が止まってしまうんだな(例:”実は”)」「想定外のことを言われると指を止めてしまうんだな(例:運動しすぎてはいけないよ)」など、実感を伴って、人の心理を知ることができます。
さらに、実際に構成を考える段階では、”検索窓”に悩み(便秘)やサービス名(青汁)を入れて、多く視聴されている動画をリサーチします。(例えば、青汁関連でバズっている投稿はどんなものだろう…と探します。※青汁、という商品だとバズ動画はそんなにないかもしれませんが、便秘・血糖値・ダイエットなどの”悩み”を軸に探すとバズ動画が量産されているので、とてもヒントになります。)
③0から作る
上記①②はハマりやすいジャンルと、そうではないジャンルがあります。
例えば、美容ジャンルなどはトレンド動画を参考にするとハマりやすい傾向にあります。
しかし、例えば経営者向けの高単価商材をトレンド動画に合わせて制作しようとすると・・
「本当は教えたくなかった!価格50万円!今、社長に話題の、パーソナルジム!」
といった内容が思い浮かびますが…このような軽快な動画では、おそらくターゲットである経営者の指は止まらないでしょう。
こういった場合には、0から構成を考えます。
まずはじめに、クライアントのことをよく理解しているチームとディスカッションを行います。ここでは、過去の運用成績や、クライアントとのコミュニケーションの中で出た内容、検索前後ワード等をもとに方向性を話し合います。
さらに話し合いで出た内容を踏まえて、AIを活用をしてアイデアを広げます。
例えば、こんな感じです。
①経営者の〇〇という関心事に対して、訴求を行いたい。
②どんな切り口だと、興味をもって視聴してもらえる?
③社長の悩みと商材のマッチポイントは?
”問い”は人が考え、”答え”はAIに尋ねる。
この作業を何度も繰り返し、良いアイデアを選びます。
さらに、その結果をチームメンバーに相談しブラッシュアップを行います。
そうすると、例えば「経営者専門ジム・潜在層向け」という訴求を行う場合には、こんな動画の内容に辿り着きます。

このように、前半部分では「経営者・ジム」に繋がりそうな関心ごとに広げて、後半でサービス紹介に落とし込む、という構成が見えてきます。
ステップ(4)台本制作
位置・軸・コンテンツの内容が決まったら、次は台本を作ります。
台本は大きく3つに要素分解できます。
①導入:ターゲットの指を止める
②前半:ターゲットの関心事
③後半:サービス紹介

順番にご説明します。
①導入部分:ターゲットの指を止める
SNS広告において、冒頭3秒は特に大事です。
視聴者が動画をスキップするか、指を止めるかの一番大きな分岐点になるためです。
ここで重要なのは、ターゲットがどうしても先が見たくなってしまうような言葉を選ぶことです。
例えば、
・〇〇選:最後まで見たくなってしまう。
・疑問系:答えが知りたくなってしまう。
・当たり前の否定:理由が知りたくなってしまう。
・ストーリーの導入部(恋愛など)は続きが気になる
こういった技法を使います。
ただし、狙いはあくまでも「商品を購入する可能性がある」ターゲットです。
そのためには、この導入の部分でターゲットが”自分に関連のある内容だ”と認識できるようなワードを入れることも大切です。
例えば、
・「経営者」「〇〇代女性」などストレートに指名する
・ターゲットが持っているであろう「悩み」ワードを入れる
こういったことが有効です。
②前半(悩み・自分事化など)
導入部分で指を止めることができたら、次はターゲットが「見続けてしまう」構成を考えます。この段階で意識することは、ターゲットの頭のなかに”悩み”や”困りごと”を描くことです。
例えば、
潜在層の悩み:「彼と過ごす時間、笑顔でいたいのに、今日もお腹の調子がよくない。」
顕在層の悩み:「青汁って、まずくて飲みにくい…」
このようなを”悩み”や”困りごと”を繋げていくと、商品とマッチするターゲットが残っていくはずです。
③後半(サービス紹介)
ここまで残ってくれたターゲットに対して、悩みの”解決策”として商品が最善の選択であるということを伝えます。
①商品の価値
商品の特徴、権威性、実績、ビフォーアフター、競合との差別化ポイント等
②価格
価値が高まりきったところで、価格を提示します。
(この後に続くキャンペーン等がないのであれば、価格提示をしない場合もあります)
③最後の後押し
キャンペーンなどの限定性やハードルの低さ(まずは資料請求など)を伝え、行動喚起に繋げます。
※構成を考える①〜③の段階でも、適宜下記の方法を活用します。
(1)広告動画のトレンドをリサーチ
(2)SNSのオーガニック投稿をリサーチ
(3)AI活用
こうして出来上がったのが、下記のような構成になります。

※上記の画像は、シンプルに削ぎ落としています。この構成をもとに、最後にサンプルを載せたので、ぜひチェックしてみてください。
4 制作
ここまできて、ようやく制作に入ります。
①ナレーション作成
ナレーションは、AI音声を生成することもあれば、実際に人の声を吹き込むこともあります。
AI音声は「CoeFont」というツールを契約しています。声優、ナレーター、著名人(ひろゆき等)、一般人などのAI音声が利用できます。※2025年11月現在、(精度は上がってきているものの)一発ではまだイントネーションがおかしい部分があるので、音程の調整も行います。
音声が生成されたら、適宜ジャンプカットを行います。情報の密度を高めることで、視聴者の離脱を防ぐ効果があると言われています。
②BGM探し
BGMは、ジャンルに応じて「Canvaのオーディオ」や「DOVA-SYNDROME」等を活用しています。BGMは動画の印象を作る上で非常に重要なので、時には数十〜数百曲を聞いて、選択をしています。
聞き馴染みのある曲を入れることもあれば、ブランドイメージに沿ったBGM等を入れることもあります。
③ビジュアル:映像素材
動画の素材は、下記の4パターンの中から台本にあった素材を探します。
1クライアント側で用意していただいた素材
2弊社で撮影に出向く
3素材サイトから購入(「iStock」など)
4AI生成
上記の中から、ジャンルに応じて適切な素材を活用しますが、特に今、積極的に検証を行っているのがAI生成です。過去には「Midjourneyのアニメーション機能」「Sora」などを活用した例があります。同じ人物の生成をしたり、指示通りの映像を生成するのにはまだ課題が残りますが、リアルな映像を制作できるようになってきています。

④テロップ
テロップは、ターゲットに応じて文字の大きさを変えたり、アニメーション効果をつけています。(最近ではアニメーションをつけないシンプルなテロップも流行っており、ケースバイケースで使い分けています。)
このような戦略→制作のプロセスを経て、ようやく1分前後のショート動画広告が出来上がります。
▼下記はサンプルとして、導入→前半→商品紹介の入口まで制作したものです。
◆ まとめ
動画広告は、静止画よりも多くの情報を伝えることができるため、工夫次第ではターゲットの心を動かし、行動に繋げることができます。しかし、その効果を悪用したフェイク広告が一部で横行し、問題となっています。
日辰広告では、そういったフェイク広告は作りません。
倫理的な問題に加え、長期的な運用の成果に悪影響が出るリスクがあるからです。
私たちのゴールは、クライアントの事業を”長期的”に成長させ続けることです。
そのために、クライアントとのコミュニケーションを土台に、競合分析・顧客インサイトの把握・トレンド・過去の運用成果・AI活用といった多角的なアプローチで、骨太な戦略を組み立てます。
こうしてできあがった動画は、一気通貫で社内で運用をし、スピード感をもってPDCAを回します。これは、戦略的マーケティング思考を持つ「広告運用のプロ」でありながら、「クリエイティブチームも内製化」する日辰広告だからこそできる、戦略・制作プロセスです。
日辰広告はこれからもデジタルマーケティングのプロとしての誇りを持ち、成果を生む戦略設計→制作に取り組んでいきます。


