美容医療の需要が高まり続ける一方で、SNSの飽和や競争の激化により「誠実な医療をどう届けるか」が問われる時代になっています。今回は脂肪吸引ラボトウキョウ院長の渓先生をお迎えし、開院から半年で高いリピート率を実現している背景について伺いました。日辰広告との取り組みを通じて見えてきた、医療としての信頼と長期的なマーケティング戦略の関係性を考えながら、美容医療の未来を深堀ります。

形成外科での経験

信頼されるトラブル対応力の源に

海老名:まず、先生のご経歴や、脂肪吸引の領域でどのようにご経験を積まれてきたのかお聞かせいただけますか。

渓医師:最初は保険診療で形成外科の診療をしており、その後は総合的な美容外科で経験を積みました。昨今の美容外科業界の流れとしては専門に特化しないと集客が難しい時代になっています。そうした市場の変化を踏まえ、脂肪吸引専門クリニックへ転職して院長を務め、2024年に独立し脂肪吸引ラボトウキョウを立ち上げました。

海老名:保険診療から始め、どんどんと専門へ特化していったのですね。形成外科や総合的な美容外科でのご経験が、現在の仕事にも活きていることはありますか?

渓医師:形成外科での経験はとても大きいです。特にトラブルへの対応は強みですね。美容外科には色々なバックグラウンドを持つ先生がいますが、経験によって差が出るのはトラブルが起きたときの対応だと思います。大きなクリニックでも先生によって対応力は異なり、どうしてもマニュアルでカバーしきれない部分が多いです。僕は形成外科的な知識が土台にあるので、しっかり対応できます。

海老名:お客様の信頼に繋がる大事な部分ですよね。

渓医師:そうですね。手術というのは、すべてが100点満点で経過も問題ないという事例ばかりではありません。例えばマイナートラブルが起きたときに、しっかり治療して治すことが信頼関係につながります。実はそういった方ほどリピートでご指名いただくことが多かったりもします。

高額な機材投資から明瞭な料金設計まで

誠実な医療のためには妥協しない

海老名:先生が独立に踏み切った理由は何だったのでしょうか?

渓医師:自分なりのやり方にチャレンジしてみたかったからです。最初はクリニックで教わった通りに進めていましたが、改善点や「もっとこうしたい」というアイデアがどんどん出てくる。それを実現できる小回りの良さが、独立の大きな理由でした。

海老名:大手クリニックでの勤務時代と比べ、ご自身のクリニックで改善した点はどこでしょうか?

渓医師:美しい仕上がりのために大きな投資をしています。従来よく使われていたベイザーリポという機器に加え、新しくバイブロフィットという機械を導入したことで、大きな変化と自然な仕上がりを両立できるようになりました。ただ、投資額が大きく、既存クリニックが全院で導入するのは難しい。僕一人でやっているからこそできることだと思います。

海老名:最新の高級機器を使用されているのですね。料金体系にも特徴があると伺いました。

渓医師:美容業界は料金がわかりづらいという声が本当に多い。「広告につられて行ったところ実際はもっと高かった」というのはよく聞くパターンですよね。僕はお客様が騙されたように感じるシステムが嫌です。だから、うちのクリニックではオプションもランクもなし。料金体系を極力シンプルにして、書いてある金額そのままで施術しています。

海老名:その話はよく聞きますね。美容医療の「闇」とも言われる部分ですよね。

渓医師:10年ほど前には「二重(ふたえ)戦争」という値下げ競争がありました。大手美容外科が二重整形の値段を競り下げる時、最初は5万円だった施術が、最終的に9,800円にまでなりました。しかし、広告に出す値段を変えているだけで、実際の金額は何も変わっていない。何の実態も伴っていない価格競争です。かつてはそういったことも当たり前でしたが、僕はもっと誠実な料金体系を追求したいと考えています。

差別化が難しいSNSの中で

長期的なブランディング視点での広告を模索

海老名:開院後、不安なことはありましたか?

渓医師:やはり集客です。当初は前職の患者さんや紹介で埋まっていたので、広告を出していませんでした。ただ数ヶ月経つと急に予約が入らなくなりました。例えば美容皮膚科ならリピーターも多いですが、外科はリピート率が他科に比べて低いので、常に新規の患者様を集客し続けなければなりません。僕が本来頑張るべきことは手術の質を上げることですが、経営するためには集客は避けて通れません。マーケティングの知識も浅く、不安が大きかったですね。

海老名:そうだったのですね。集客のためにSNSに力を入れていらっしゃいますよね?

渓医師:ここ10年ほどはSNSが美容業界を牽引してきたので、もちろん当院も積極的に取り組んでいます。特に症例写真を重要視し、照明や角度を揃えて正しい情報を出す。印象操作に見えるような写真は絶対に避けています。しかし、Instagramでは既にレッドオーシャン化しており差別化が難しくなってきている上に、インフルエンサーマーケティングが逆に信頼を損ねる場面も出てきました。すると結局、改めて広告の重要性が増してきたと考えています。そこで、日辰広告さんにお願いした次第です。

海老名:ありがとうございます。今までも様々な会社さんを通じて広告やSNSなどをされてきたと思いますが、その中での苦労はありましたか?

渓医師:当初はYouTube動画の制作を外注に出していたのですが、僕らのポリシーや内容への理解が浅いと想像と違うものが出来上がってしまうこともありました。例えば他のクリニックでうまくいったショート動画の事例をそのまま当てはめようとすると、独自性もなくなりますし、長期的な目線でブランディングにもプラスにならないと思っています。短期的な数字を追わず、僕らが伝えたいことを噛み砕いて伝えてくれるパートナーと取り組むことが大切ですし、難しさでもあると感じます。

広告パートナー選びのリアル

「日辰広告はフィードバックが圧倒的だった」

海老名:クリニックの経営においてマーケティングは重要な要素だと思いますが、ご自身で取り組むべきか、それとも専門の会社に任せるべきか、どのようにお考えですか?

渓医師:自分にはマーケティングの経験がないので、基本的にプロに任せたいと思っています。でも外注した会社の結果が悪くてもその会社は潰れませんが、クリニック自体は潰れる可能性がある。だから任せきりにはできません。レポートを理解し、チェックすることが必要だと思っています。

海老名:広告会社からの営業も多いと思いますが、パートナーとなる会社選びで意識していることはありますか?

渓医師:営業で来た会社とは基本的に契約しません。医者は狙われやすい。知識がないと、倍の金額でも気付かず契約してしまうこともあります。逆に紹介は信頼できます。御社も紹介でしたし、税理士や内装屋さんなど開業時のパートナーは基本的に紹介です。

海老名:広告会社の中には、具体的なコーバンジョン数や集客数を提示して営業するところもあると聞きます。

渓医師:数字は嘘をつかないですが、嘘つきは数字を使いますよね。結局、たくさんのクライアントの中で一番良い事例を持ってきているわけなので、それは「二重整形29,800円」といった広告と変わらない。それよりも、その会社が信頼に足るかどうかを見極めたいと思っています。

海老名:日辰広告を選んでいただいた理由はどこにあったのでしょうか?

渓医師:結果のフィードバックが圧倒的に良いです。たとえば動画制作の会社では「作って終わり」というところもありましたが、日辰広告さんは結果報告だけでなく、改善提案までセットで出してくれる。結果も安定していて、マーケティングの専門家としての経験値を感じます。

海老名:私たちにとっては当たり前のことですが、良くても悪くてもきちんと詳しくご報告する。他のお客様にも、弊社のフィードバックと改善提案に価値を感じていただけることが多いのでとても嬉しいです。

必要のない施術は勧めない

誠実な医療を信頼につなげ、選ばれるクリニック

海老名:脂肪吸引ラボトウキョウさんとは、スタッフの方も含めて仲良くさせていただいており、コミュニケーションが円滑なところもありがたいです。

渓医師:海老名さんとの定期的なモーニング会食がいつも楽しみです。細かい部分はスタッフ間で進めてもらい、大枠のビジョンだけは直接話す。モーニングで方向性を共有できていることがうまくいっているポイントですね。

海老名:お粥や、パンケーキにも行きましたね。次回また先生とご一緒するモーニングも楽しみです。さて、今後の展望についても伺いたいと思います。長くお客様に愛され、信頼していただき、指名され続けることは大事な要素だと思います。LTVやリピートについて、どのようにお考えですか?

渓医師:施術回数を増やす、単価を上げるなどは後回しです。必要ないものは必要ないときちんと言う、術後のフォローを丁寧に行う。そうした誠実な対応が信頼になり、最終的に数字に返ってくると思っています。

海老名:すでに開院半年で顧客満足度96%と伺いました。驚異的な数字ですよね。

渓医師:ありがたいことに高い数字ですが、もっと高めたいです。最終的には広告を使わなくても、指名され続けるブランドを作ることが一番の成功だと思います。今の広告は具体的な内容が多いですが、フェーズに合わせてブランディング広告へとシフトしていくことで「選ばれるクリニック」を目指したいです。

海老名:広告を使わずとも、貴院を指名して来てくださるお客様を増やすこと(ブランディング)がマーケティングの最終的なゴールだと考えているので、引き続き頑張らせていただきます。

美容医療への本気の情熱を貫き

業界全体を良い方向へ変えていく

海老名:業界全体の変化について、渓先生はどう見ていますか?

渓医師:クリニックの新規参入が増えている背景には、保険診療の厳しさがあります。赤字なので美容に流れてくる先生も多い。それ自体は悪くありませんが「本当に美容をやりたいのか」が問われると思っています。お腹の脂肪吸引を毎日やる先生は、僕が始めた頃は日本全体でも30人ほど。それが今では倍以上の人数がいる。プレイヤーが増える中で、専門性と誠実さが重要だと考えています。そこに情熱があるのか、改めて問いたいですね。

海老名:先生が情熱を持って業界の先駆者となるような高い目標を目指される裏には、どのような想いがあるのでしょうか?

渓医師:「美容クリニックです」と言われて、「なんか怪しいな」と感じる業界に僕はしたくない。「美容医療を受けなければよかった」という人が増えてしまうと、業界全体としてやがて衰退していくと思います。「夢があるな」、「自分もやりたいな」と思えるような業界にしていければ、僕らも患者さんもハッピーですよね。脂肪吸引ラボトウキョウは明瞭かつ誠実であると発信することで、他のクリニックにも少なからず影響を与えられているのではと感じます。頑張っているクリニックさんとも手を携えながら、業界全体をより良い方向へ変えていきたいですね。

海老名:業界の将来を見据え、より多くの患者さんに適正な施術を届けたいという想いが伝わってきます。ぜひ渓先生のその想いを、これからもマーケティングの力で応援させていただきます。今日はありがとうごじました。

渓医師:ありがとうございました。

PROFILE

脂肪吸引ラボトウキョウ
院長
渓 智司 氏

形成外科での経験を経て、脂肪吸引の専門家として2024年に脂肪吸引ラボトウキョウを開院。「美は細部に宿る」をモットーにこだわりを尽くし、見た目の美しさのみでなく、料金や情報の透明性にも重きを置いたクリニック経営を行う。

日辰広告株式会社
代表取締役社長
海老名 康

メディア、人材、マーケティング業界を営業として経験した後、2013年に日辰広告を立ち上げ。デジタルマーケティング領域でのお客様のパートナーとなることをモットーに大小さまざまなプロジェクトに携わる。