マーケティングという言葉はよく耳にするものの、実際にマーケターという職業がどんな仕事なのか掴めない方も多いのではないでしょうか。今回のインタビューでは大学生の吉田薫澄さんをお招きし、SNSマーケティングのインターン経験を元に様々な疑問をぶつけていただきました。日辰広告でマーケター10年目となる松山航平の実体験を交えながら、デジタルマーケティングのいろはから仕事のやりがい・面白さのリアルを語りました。
何気なく見ているもののほとんどが
誰かによって仕込まれたマーケティング
吉田:早速ではありますが、本日の大テーマでもあるマーケティングとは何かについて教えていただきたいです。私たちの生活とどんな関わりがあるのでしょうか。
松山:生活の中で、なんとなく目にしていて違和感のないものも、実は誰かによって仕込まれているケースが多いと思います。一般の方はそれらを自然に受け入れていて、ごく自然に例えばある場所へ行ったり、ものを買ったりしているものです。それこそがマーケティングの力です。違和感がなく仕込まれたものを見ると、上手いなぁと思います。
吉田:気づかないうちに日頃から触れているものなのですね。その中でもデジタルマーケティングとはどんな領域なのでしょうか?
松山:イメージしやすいのはSNSだと思いますが、Googleなどで検索した際に出てくる広告や、WEBサイト内にあるバナーも含まれます。元々は8割以上が検索広告でしたが、それらが徐々に減り、現在はYoutubeなどのSNS広告が主流になってきました。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、交通系の広告などもほとんどがデジタル化しており、ネットから簡単に広告を出すことができる時代になりました。利用者層の年齢などに合わせて自動的に切り替わっています。
吉田:媒体の垣根を超えて、ほとんどがデジタルマーケティングに関わるものになっているのですね。

インターンの面接に2時間遅刻するも
そこから挽回し入社10年目
吉田:松山さんがマーケターになったきっかけは何だったのでしょうか?
松山:大学3年生の時に、たまたま日辰広告のインターンに応募しそのまま入社しました。私は大学で駅伝をやっていて当時はバイトを禁止されていたのですが、実業団ではなく社会人として仕事をする道を選ぼうと決めて、インターンを手当たり次第に応募したことがきっかけですね。
吉田:駅伝をやられていたのですね!ちょうど今年の箱根駅伝をきっかけに、駅伝にハマりました。私の通う大学は残念ながら順位が低かったのですが、改めて見てとても感動しました。
松山:僕は専修大学の出身なのですが、母校が出ていると応援しがいがありますよね。
吉田:はい、見入ってしまいました。その駅伝をやめて、日辰広告様でインターンを始めたのですね。
松山:実はインターンの面接日に、時間を間違えて2時間ほど遅刻をしてしまって。「時間を守れないなら帰っていいよ」と言われたのですが、申し訳ない気持ちと面接だけは受けたいという思いで帰らずに待っていたんです。そうしたら、少しだけお時間をいただく事ができ、最終的には合格をいただきました。インターンも含めると、今年で入社10年目になります。
吉田:2時間の遅刻は驚きですが、体育会系の血が生きていますね。

考えること自体を楽しめる人が
マーケターに向いている
吉田:1年目はどんな仕事をしていましたか?資格など何か必要だったのでしょうか?
松山:GoogleやFacebookの認定資格もありますが、法的な資格ではなく基礎知識を勉強する最初の一歩目に過ぎません。ですので、弊社では最初に試験を受けた上で、まずは広告の管理画面から取ったデータをエクセルに入力し、毎月のレポートをまとめる仕事から始まります。
吉田:結果の推移などをまとめるのですね。10年目の現在はどんなお仕事をされていますか?
松山:お客様とコミュニケーションを取ることがメインです。施策の結果や過去数年の経緯を踏まえ、次の企画提案を主導しています。
吉田:その提案のアイデアはどこから来るのでしょうか?普段の生活から思いつくこともありますか?
松山:大体のケースは論理的に導き出すことが多いです。残念ながら天才ではないので、パッと思いついた企画は、他の人も思いついていることが多く簡単には上手くいきません。アイデアをさらに練って、ブラッシュアップする力も必要だと思います。
吉田:マーケターには論理的思考力のある方が向いていそうですね。
松山:そうですね。施策がうまくいくまで時間がかかることもあるので、結果が出て嬉しい!というだけではなく、考えること自体を楽しめる人が向いていると思います。僕は毎回「この施策ならどうだ!」と様々な提案をする過程自体も楽しんでいます。
吉田:松山さんのワクワクがとてもよく伝わってきます!

担当領域の線引がなく
最初から最後まで任せてもらえる環境
吉田:どういった業界のお客様が多いのでしょうか?
松山:学生の方には普段あまり馴染みがないようなBtoBの会社様や、BtoCですと例えば食器、健康食品、フィットネスジム、不動産などがありました。業界は本当に幅広いですね。
吉田:色々な経験ができそうですね。日辰広告様のマーケターの仕事で、他社と異なる点はありますか?
松山:まだ規模が小さいので、良くも悪くも自分の担当領域という線引が曖昧です。多くの会社ではGoogle広告の担当、Instagramの担当などと専門が決まっていると思いますが、弊社では1人の担当者がお客様と対峙して、最初から最後まで一気通貫で見ることになっています。
吉田:お客様のパートナーみたいなイメージですね。
松山:まさにその通りです。一部分だけ見ていると結果が出ても「自分はここをやってないし、なぜ良くなったんだろう?」と感じてしまいますが、全部を見ていると結果が出た時も出ない時も実感を得やすいですね。もちろん大変ですが、その分やりがいを感じます。
吉田:一人でうまくいかなかった時は、他のメンバーにも相談したりするのでしょうか?
松山:出社がメインなのでよく相談しています。人数は少ないですが色々なバックグラウンドを持った方がいるので、様々なインスピレーションをもらえる環境です。
吉田:素敵な職場ですね。働いている方はどんな方が多いのでしょうか?
松山:仕事が好きな人が多いです。僕は体育会系出身ですが、ガツガツしておらず内に秘めているタイプの方もいます。自分の美学や仕事へのプライドを持っているところは皆に共通している気がします。初めてマーケティングに関わる方もいますし、主婦の方も働いていますよ。

与えられた仕事ではなく
自ら仕事を作っていける面白さ
吉田:では最後に、マーケターに興味のある方へメッセージをお願いします。
松山:マーケターというと「バズり」など華やかな面を想像されるかもしれませんが、それらの裏には数多くの失敗や提案に至らなかったアイデアがあります。そのプロセス自体を楽しみ、普段から答えのない問題を雑談で話すような楽しさを感じられる人は、とても向いているはずです。
吉田:学生のうちに経験しておいた方が良いことはありますが?
松山:色んな所に行って、色々なものを見て欲しいですね。幅のある経験がとても大事だと思います。逆に、今日の話を聞いてマーケターについてどんな印象を持ちましたか?
吉田:考えるプロセスを楽しむという言葉がとても響きました。インターンではSNS施策を考えることに取り組んでいますが、毎回似たような企画になってしまいマンネリ化を感じていたので、もう少し自由に楽しんでみようと思いました。
松山:毎回の企画提案の中に1つ自分オリジナルのアイデアや、遊び心を入れてみると、どんどん楽しくなってくると思います。マーケターは最初からやるべきことが決まっている仕事ではなく、課題を探すことから始まるので、自分で仕事を作っていけるところが一番面白い部分だと思います。
吉田:成果も自分次第で変えられるということですね。私もこれから色々な経験を積んで引き出しを増やしていきたいです。
松山:ぜひ頑張ってください。応援しています。今日はありがとうございました!
吉田:ありがとうございました!

PROFILE

インターン 吉田 薫澄 氏
大学では建築を学びながら、クリエイティブ企業やマーケティング企業など複数社でインターン中。コスメが好きで、美容系企業のマーケティングに興味あり。

インターンからそのまま新卒入社し現在10年目。マーケターとして常時15〜20案件ほどを横断してマネジメントしている。無類のコーヒー好きで、毎朝豆を挽くことが日課。