不動産会社が成果を上げるリスティング広告の配信方法をご紹介!

Ebina

Ebina

2021年11月12日

これまで不動産業界の集客はテレビCMや新聞、チラシなどのマス広告が中心でした。ところがCriteo S.A. 社が2017年に行った調査によると、物件探しは「スマホ」が25.7%、「タブレット」が3.2%、「PC」が46.5%とオンライン検索が全体の75.4%を占めるという結果になりました。この事からも不動産におけるWeb広告の重要性は年々高まってきていると言えます。

Web広告では自社でホームページを制作したり、SNSで情報発信を行ったり、不動産専門のポータルサイトに物件情報を掲載したりするなどの方法が挙げられますが、中でも一番お勧めしたいのがリスティング広告による集客です。

今や多くの企業がリスティング広告に参入し、競争が激化していますが、商品単価が高く、ニーズが顕在化しているユーザー層にアプローチできるリスティング広告は不動産商材と相性が良いとされています。しかし、不動産商材のリスティング広告を配信する際には予算編成やターゲティングを緻密に行わないとクリック費用や入札単価だけが高くなり、かえって費用対効果が悪化することもあります。

そのような結果にならないために、本記事では不動産商材ならではの広告文の書き方やランディングページの作成方法、キャンペーンの作成方法のコツをご紹介します。不動産業界で、これからリスティング広告を運用しようと考えている方は是非参考にしてみてください!

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【運用初心者向け】リスティング広告の仕組みを徹底解説!

1.不動産業界での広告費が高騰している理由

短期的に見ると、東京オリンピック開催に伴う地代・不動産価格の高騰が挙げられます。そのため不動産業界では今まで以上に広告費に巨額を投じるようになり、それに連動する形でリスティング広告のクリック単価、獲得単価も高額に上るようになりました。

長期的には人口減少に伴う購買層の減少、実家暮らしを続けるなど若者の不動産物件離れなどが挙げられます。特に賃貸ですとチラシ印刷コスト、新聞折り込みコストと収益との費用対効果が合わないため、不動産各会社は不動産専門のポータルサイトに物件情報を掲載するのが一般的です。

しかしDXなどの影響もあり、ここ近年でWeb集客を行う不動産会社が急増したため、広告枠を巡っての競争が激化し、広告費の高騰を招いてしまっています。いかにコストを抑えて顧客獲得を行っていくのかが近年の課題となっています。

2.不動産会社がリスティング広告を行なった方が良い理由

チラシやポスティング、新聞広告などのオフライン広告が頭打ちとなってきている現代は、オンラインでいかに集客できるかが重要なカギとなっています。ここでは不動産会社が今すぐにリスティング広告を行なった方が良い理由について2点ご説明します。

(1)顕在顧客にリーチできるためCVR*が高くなる

リスティング広告(検索連動型広告)は不動産商材と相性が良いとされています。リスティング広告は既にニーズが顕在化しているユーザー層に広告を表示させることができるため、見込みの高いリードにアプローチすることができ、CVR*(申込率・問合せ率)が高くなる傾向にあります。

※【用語解説】
・CV:「コンバージョン」の略で、申込や予約、問合せを指します
・CVR:「コンバージョンレート」の略で、申込率や予約率、問合せ率を指します。

Googleの自動入札機能を活用したり、広告運用を丸ごと広告代理店に依頼したりすれば最小のコストで最大限の効果を発揮できるのです。日々の効果測定などの管理業務は必須ですが、CPA*相場を鑑みながら運用ができるため、効果が出ていない広告は一時停止をして無駄なコストを省くことができます。

※【用語解説】
CPA:「コスト・パー・アクション」の略で、予約・申込を一件獲得するのに投じた広告費用を指します。このCPAが安ければ安いほど、広告投資に対して効率的に申込・予約を獲得できていることになります。

さらに、従来までのマス広告では広告費を固定費として予算を組んでいましたが、リスティング広告はクリックされて初めて料金が発生するクリック課金制です。そのため繁忙期や閑散期など市況や景気に合わせて広告費の配分を考えるという広告費の柔軟な変更が可能です。

実際の収益の仕組みについて見ていきましょう。例えば「不動産投資」というキーワードのクリック単価を2,000円に設定した場合、Googleのキーワードプランナーで検索ボリュームを調べると月間最大10万件、そのうちインプレッション数(表示回数)が2.4万、クリック数350で、月間約70万円の広告費用がかかる計算になります。

不動産業界の平均広告費割合が4%前後なので、1,700万円台の「都市部」中古マンションに投資する相場のクリック単価であることが分かります。通常、不動産は経年劣化とともに資産価値が下落しますが、都市部の不動産の場合は土地の価値が高いため、資産価値が下落しにくい傾向にあります。顧客獲得が長期戦である不動産投資にとってこれは大きなメリットであり、時間をかけてコンバージョンを高めればそれだけ収益が上がる仕組みになっています。ある程度リノベーションを行うことで集客のためのコストを抑えられる点も長所の一つです。

▼前提条件▼
キーワード:不動産投資関連
クリック単価:約2,000円
月間検索数:10万回

クリック数:約350回

① 検索エンジン(Google等)で不動産投資関連ワードは約24,000回表示
↓ ↓ ↓
② 350回クリック/月
↓ ↓ ↓
WordStreamの調査によると不動産のCVR平均は2.47%
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③ 8.6人が問い合わせ
(※350×2.47%=8.6人)
↓ ↓ ↓
問合せ8.6人で1人が成約したと仮定
↓   ↓
不動産業界の平均広告費割合が4%であることを考えると700,000円の広告費なので物件価格にして1,700万円の売り上げを生む。

(2)自然検索は順位変動が激しい

リスティング広告は出稿に費用をかければ必ず検索結果に表示されるうえ、広告出稿のタイミングや広告文、ランディングページ*の設定からターゲティングまで自社でコントロールが可能です。

※【用語解説】
ランディングページ(LP):広告をクリックされて遷移するWebページを指します。このページの出来が広告の成果にも大きく影響します。

それに対して自然検索は検索エンジンからの評価が全てで、そのアルゴリズムもGoogleは非公開にしているため、完璧な対策は難しいです。自然検索の対策費用はかかりませんが検索結果上位に表示させるためには上質かつ大量のサイトコンテンツ(サイトに掲載する内容)を作成する必要があり、時間とコストが膨大にかかります。

さらには、日々の順位変動も激しく、せっかく手間をかけて作ったコンテンツも急に順位が下落降する恐れがあり、SEO*だけに頼るのは危険です。しかし、SEO対策を全くしなくて良いというわけではなく、自然検索での上位表示を目指すとともにリスティング広告でもユーザーに訴求し、相乗効果を得られるように対策した方が良いでしょう。

※【用語解説】
SEO:「サーチエンジンオプティマイゼーション」の略で、検索結果上位に表示されやすくなるように、Webサイトの中身を改善する事を指します。

3.不動産商材でもリスティングは少額から始められる

不動産業界ではCPAが高額になるケースが多いのですが、そもそも不動産という高額な商材であるため、連動してCPAも高くなっているケースがほとんどです。さらなる顧客獲得のために予算を追加した結果広告費が上がっていることもあるため、初めから巨額の広告費を投じることはおすすめしません。

リスティング広告は誰でも簡単に始められ、上限クリック単価*を自由に設定できるのがメリットです。少額からスタートしていき、ある程度運用データが構築されてから予算を追加した方が良いでしょう。また、後述する「不動産会社がリスティング広告運用を成功させるための7つのポイント」を押さえておけば、費用を抑えながら効率的な広告運用を行うことができます。

※【用語解説】
上限クリック単価:リスティング広告では、一回クリックされるごとに課金される料金の上限を設定しておくことができます

4.不動産会社がリスティング広告運用を成功させる為の7つのポイント

購買意欲の高い見込み顧客に確実にアプローチできる上に、他の集客方法と比べて工数や管理コストがかからないリスティング広告ですが、不動産商材を扱うにあたって注意点はあるのでしょうか。ここでは不動産会社がリスティング広告運用を成功させるために気をつけておきたいポイントを7つにまとめてみました。

(1)ランディングページには物件の写真を掲載する

不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によると、問い合わせや訪問を行う不動産会社を選ぶ際に気にする点として「写真の点数」を挙げる方が圧倒的に多い結果となりました。同アンケートでは、4位に「写真の見栄えが良い」もランクインしており、物件を探しているユーザーにとって、写真が重要であることが分かります。

物件の写真数とページ滞在時間は相関関係があることが分かっているので、ランディングページへの物件写真の掲載は必須であると言えるでしょう。近隣に住んでいるユーザーはもちろん、引越しなどでやむを得ず遠方での物件を探しているユーザーにとって、建物内の写真や建物周辺の写真は不動産を契約する際の決め手にもなるのです。

(2)広告文には駅名や地名を記載する

不動産に限りませんが、例えば「不動産」などのビッグキーワードはクリック単価が高騰する傾向にあります。幅広いユーザーにアプローチできるのはメリットですが、ターゲットユーザーではない顧客のアクセスも集めてしまうため、反響課金により多額の費用がかかります。自社の商圏と関係のないエリアやユーザーに配信されても広告費が無駄にかさむだけなので、リスティング広告のターゲティング設定を活用して配信エリアを絞りましょう。

具体的な駅名や地名を広告見出しや広告文に加えることで、成約率の高い「現在さがしている顧客」にのみリーチすることができますし、スモールキーワードを狙うことでクリック単価を下げられます。また対象エリアが地方の場合は駅名よりも市町村名で検索されることが多いため、場所によっても表示する地名を考慮する必要があります。

(3)リマーケティング(リターゲティング)広告を活用する

不動産はその金額の高さから、1社のみのWebコンテンツを見て即成約になることはほとんどありません。多くのユーザーは競合他社と比較検討し、悩んだ上で最適解を導き出そうとします。そのため、不動産物件においてはリマーケティング広告が最も力を発揮する配信機能であると言えるでしょう。リマーケティング機能とは一度でも広告をクリックしてくれたユーザーに再度広告を配信する機能のことです。何度も配信することで上手くいけばユーザーの候補の内の一つに入ることもできるため、リードナーチャリングの役割を果たしています。

※【用語解説】
リードナーチャリング:獲得した見込み顧客(リード)の購入意欲を高め、将来的な申込や購入客に育てていくマーケティング方法を指します

(4)成約につながらないキーワードを除外する

不動産に限らず、リスティング広告を運用する際には日々の効果測定が不可欠です。CPAの管理、コンバージョン率の測定、効果のあるキーワードとなかったキーワードの洗い出しなど、データ分析及び解析を行うことで広告運用の最適化を行うことができます。

その際に大切になってくるのが「除外キーワードの設定」です。キーワードを選定する際にはGoogleが提供しているキーワードプランナー、Yahoo!の提供するキーワードアドバイスツール、またラッコキーワードなどを活用すると良いでしょう。

例えば「丸の内」と検索したユーザーに対して「丸の内 賃貸」や「丸の内 マンション」というサジェストキーワードなら不動産広告を表示することは不自然ではありません。しかし、「丸の内 サディスティック」はアーティストである椎名林檎さんの楽曲でもあり、このような曲関連のキーワードで検索したユーザーが不動産広告を見て成約につながる可能性はほぼありません。

こういった広告の目的とは関係のない無意味なキーワードは除外設定を行って、広告が配信されないようにします。成約につながらないキーワードを除外することでクリック費用(広告費)を抑えることができます。

(5)マイクロコンバージョンを導入する

不動産物件は高額なため、そのほかの商品・商材と比べて成約まで繋がりにくい特徴があります。物件の契約成立のみをコンバージョン(ゴールのアクション)として設定すると、当然にコンバージョンは少なく、分析するデータとしてかなり少ないものとなってしまいます。

たとえば、不動産業界では無料の資料請求や問い合わせ、セミナーや内見予約などをマイクロコンバージョンとして設定し、ユーザーのアクションまでのハードルを下げる施策を行うと効果的です。期間限定の成約キャンペーンの実施なども成約までの敷居を下げるのに有効な手でしょう。購入意思決定プロセスが長い商材の場合には焦らず成約までユーザーと関係性を深めていくことが大切です。

(6)指名キーワードと一般キーワードでキャンペーンを分ける

指名キーワードとは「○○株式会社」「○○(マンションブランド名)」などのように、会社名やブランド名などの固有名詞を含むキーワードのことで、一般キーワードとは「都内 マンション」などの固有名詞を含まないキーワードのことです。指名キーワードと一般キーワードではキーワードの性質が異なるため、それぞれの入札戦略を考えるために、広告を作成する際にはキャンペーンを分けた方が効果的です。

指名キーワードの場合は「広告表示回数の最大化」を運用方針とします。指名キーワードは既にユーザーがブランドを認知しているので広告表示回数が増えるほどコンバージョン数も増加します。一方、一般キーワードはまだ情報収集や検討段階であるユーザーがほとんどなので「コンバージョン意欲が高いユーザーへの広告表示回数の最大化」を運用方針として評価指標を別に設定した方が良いでしょう。

(7)まずは入札戦略を「個別のクリック単価」に設定する

まずは入札戦略を「個別のクリック単価(拡張クリック単価)に設定し、手動入札を行いましょう。運用し始めの頃は広告データがない状態なので情報を集めることを目標にします。アカウント内に実績がなかったり、設定キーワードの検索ボリュームが極端に少なかったりすると配信自体がされないこともあります。

さらに、初めから入札戦略を「コンバージョン数の最大化」に設定すると、設定キーワードと検索クエリがマッチするように入札が自動的に高く見積もられてしまうため、クリック単価が高騰しやすくなり、結果として予算オーバーするケースがあります。

費用対効果の悪化を防ぐためには「個別のクリック単価」からスタートし、2~3週間ほど機械学習にデータを集約させ、前述したマイクロコンバージョンを取り入れてコンバージョンデータを溜めていきましょう。コンバージョン実績が30件以上になったタイミングで自動入札による「コンバージョン数の最大化」へと入札戦略を切り替えます。

5.不動産会社がリスティング広告を出すときの注意事項

不動産業界でのリスティング広告は、特にエリアの設定が重要になってきます。自社商圏のエリアは全て登録し、対象外のエリアは除外設定するなど細かいターゲティングが必要です。

また、商材柄、コンバージョンの設定を見誤るとCPAが高騰してしまうケースも考えられます。無駄のない運用を行なっていくためには解析データを元にキーワードの選定を行なったり、ランディングページの定期的な見直しを図ったりするなどのCPA管理が必要になります。

また、不動産広告は宅建業法で規制されており、誇大広告の禁止や広告開始時期の制限、さらに取引態様の明示が定められています。その他にも表示の基準や禁止用語など細かい取り決めがたくさんあるため、自社リソースで広告運用を図る自信や知識、経験がない場合は、不動産業界での経験があるリスティング運用会社に委託するのも良いでしょう。

広告費がしばしば巨額に上る不動産ですが、成約粗利が大きいので広告費を回収できる可能性は十分にあります。是非、本記事を参考にリスティング広告を試してみてください!