Google広告で難易度の高い審査落ちパターンと対処方法のご紹介

Web広告配信において審査落ちはよくあることですが、中には原因不明であったり解決のために技術者,法律関係に詳しい方への相談が必要なケースも存在し、たかが審査といっても奥が深い分野です。
今回は、中でも「この原因で審査落ちを喰らうと解決までに時間を要する」という審査落ち理由をいくつかご紹介します。
Google広告のポリシー違反の4つの種類
Google広告では以下4つのポリシー違反が存在します。

上記画像はGoogle広告ヘルプページからの引用ですが、上2つ(禁止コンテンツ、禁止されている行為)が完全なNGでレッドカード、3つめ(制限付きのコンテンツと機能)は注意レベルのイエローカードというイメージ。4つめ(編集基準と技術要件)はアドバイスというレベルです。
上2つに該当してしまうと、ポリシー違反による広告の停止もしくは、広告アカウントの停止になります。Google広告ヘルプページの記載によると、もし何度もポリシー違反を繰り返すような悪質な場合、MCCアカウント自体の停止になる可能性も示唆されています。
難易度が高いポリシー違反の種類

難易度が高いポリシー違反の例を紹介します。あくまでも弊社が経験のあるものの中からとなるため、実際にはここでご紹介する違反以外にも存在すると思います。
法律: 日本
特に医療系(クリニックなど)で多く発生しますが、「医療広告ガイドラインに準拠した記載になっていない」ことが原因です。
「法律:日本」がついた場合、日本での広告配信は不可となります。(日本の法律に基づいていないことが理由)
何らかの法律に準拠していない記載がページ内に存在することが原因ですが、Google広告のヘルプに問い合わせを行ってもサポート自体が明確な回答をもっておらず、ぼやかされてしまうことが多いです。
この場合は、以下の対応が考えられます。
●対応例
・医療広告ガイドライン(医療広告ガイドライン・厚生労働省PDF)と照合してしらみつぶしにチェック
・クライアント様(医師免許を持っている方など)に相談
・弁護士など法律家に相談
・医療系広告ガイドラインの業者に相談,依頼
●よくあるケース
・ビフォーアフター画像の記載
・「ボツリヌス」などNGワードの記載
不正なソフトウェア
ワードプレスなどでWebサイトを作成している場合、プラグインなど経由でマルウェア(ワーム、トロイの木馬など)が侵入している可能性がある場合に「不正なソフトウェア」のアラートが表示されます。
ただし、「不正なソフトウェア」はGoogleの審査システムによる誤審査のケースも多いため落ち着いて順を追って対応することがおすすめです。
●対応のフロー
・まずは「再審査請求」を実行
・再審査でNGとなった場合、Google広告サポートに問い合わせ
・サポートの案内に従って、修正箇所を技術者の方に共有、指示
・具体的な案内がない場合は、マルウェアチェッカーに通す(例:Googleセーフブラウジング)
・それでも改善されない場合は、エンジニアなどの技術者に相談
・スピード優先の場合は、別ドメイン/サーバーを取得し、同コンテンツを掲載し再審査を進める(サーバー自体がウイルスに汚染されてしまっている場合は、ドメイン及びサーバーを切り替える必要があります。)
広告掲載システムの回避
Google広告のポリシーによると、「審査検出の回避を目的として、意図的に広告文、画像、動画、ドメインを不正に操作すること」と記載されてます。
例えば、『Google広告の審査では「ボツリヌス」という表記が禁止されているため、審査を回避するために、Google広告のクローラーが読み込めない形で「ボツリヌス」という表記を隠して、ユーザーにだけ表示させる』といったことが例として挙げられます。
ただし、弊社の経験上、このようなポリシーに違反する行為を行っていないにも関わらず、上記ポリシー違反になるケースが多く発生しています。
上記ポリシー違反になると、理由を問わず一旦広告アカウントが停止され、広告配信が実施できなくなります。その後問い合わせの結果次第ではアカウントが再開されますが、その間約1週間ほどの間、該当の広告アカウントではGoogle広告の配信ができない形となります。
対策としては以下が挙げられます。
●「広告掲載システムの回避」を受けた場合の対処方法
・まずは再審査請求の実施 + クライアントへの報告
・別アカウント、別MCCでの立ち上げ試行
・別アカウントでも審査NGの場合は、別媒体での配信をクライアントに打診
思い当たる節がなく、上記対応でも審査NGとなる場合は、Google広告での配信は一旦諦めたほうが良いです。別媒体での配信をご提案しつつ、Google広告サポートや審査部への問い合わせを根気強く行いましょう。
審査落ち時は迅速で正確な対応が重要
Google広告に限らず、Web広告での審査落ちは避けられない事象です。予期せぬタイミングで起こり得るため、常に監視やアラートの確認をしながら、発生時には迅速なクライアントへの報告と説明が重要です。
審査NG自体が発生すること自体は、やむを得ないため、代理店・運用会社側の責任ではありませんが、その報告や対応には責任があります。
発生した事象を正確にクライアントに連携し、状況の共有をしていくことが第一です。